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【#127】☀️フセイニーヤ

8月1日(木)

私は夏期講習を修了し、晴れて自由の身となった。
日本からもお祝いのメッセージをもらった。

私の誕生日は違う月である。

今日はクウェート航空のチケットオフィスに来た。

クウェート政府は帰りの便も無料で提供してくれる。ただし、必ずクウェート航空を利用する必要がある。

私はバンコク経由で帰国することにした。

せっかくなのでファルワーニーヤを散策する。

馬鹿みたいに暑い。

クウェート代表の(おそらくは海賊版だが)ユニフォームを購入。

値切って5KD
コープ

安そうなインド料理店に行く。

私は悪寒がした。

なんだか、高そうだぞ。

残念なことに、ここはお高いレストランだった。汚らしい看板で内装がこんなに綺麗なのはある種の詐欺である。


デート以外で高いレストランに行く人間などいない!しかし残念なことに、私は今日は一人だ。

私はレストランで一人、「白米一杯1.8KD(900円)」と書かれたメニューと睨めっこした。

「お客様、どうなさいますか?」

インド人ウェイターがしつこく聞いてくる。私は本当にお金がないので、3000円のカレー(ナンとライス抜きでこの値段!)だけを頼んだ。

ウェイターは何度もサイドメニューや米を頼むように促したが、私が涙目で訴えるのを聞いて、やがて納得してくれた。


10分後、拳ほどのサイズの皿に盛られたカレーと共に、米が運ばれてきた。

「こちらはサービスです。内緒ですよ。」

3000円のカレーは、正直なところ美味しくなかった。


その後はバスでムバラキーヤに行き、グトラとイガール(頭に巻く頭巾)を買った。

帰りの11系統バスを30分待ったが、来る気配がない。
諦めてケイファーンからタクシーに乗った。

エジプト人ドライバーと会話した。1年前はまったくエジプト方言が分からなかったが、今では多少わかるようになった。これは大きな収穫である。

夜7時から、クウェート人のフワードさんと出かけた。

今日はフセイニーヤ(حسينية)に行く。

ムバーラク・アル=カビールにあるフセイニーヤの会場

フセイニーヤはシーア派の宗教集会である。

クウェートでは(他の国でもそうかもしれないが)一年を通し毎夜開かれているらしい。今日も20時ごろから始まった。

8メートル平方ほどの部屋に、40人以上の人間が座る。部屋には男性しかいないが、下は未就学児から、上は80代ほどの男性までいる。

7割がた、黒いディスダーシャかTシャツを着ている(血文字で「おお、アリーよ」と書かれた黒Tシャツを着た児童もいた)。残りは白いディスダーシャである。

前の椅子に座るシャイフが説教する。

方言が強く理解が難しかったが、カルバラーの戦いやイマームの殉教について語っていた。

説教が終わると、部屋の電気が消され、代わりに赤い光が灯された。

シャイフが涙ながらに何かを訴える。私は何と言っているのか理解できなかった。

すると、周りの男たちが右手で顔を覆い、おいおいと泣き出すではないか!

その後男たちは右手で胸を打ちながら、カシーダを歌い始めた。

周りが泣きながら歌う様子に気押され、私は水をこぼしてしまった。
私も泣きたくなってきた。

21時ごろに朗唱が終わると、人々はご飯を食べながら談笑し始めた。

シーア派の皆さんは私を快く迎え入れてくれて、沢山のお土産をくれた。
(そのためパスポートとクレカと財布の入った鞄を置き忘れてしまったことは内緒である。)


22時ごろ、寮に帰った。

フワードさんの車から降りたちょうどその時、クウェート人のユースフさんとアフマドさんが車でやって来た。

これからネットカフェに行くらしい。私もついていくことにした。

クウェート人2人と韓国のサナドとキム、それから私の5人で"Gamma Game Gaming Cafe & Lounge"に向かう。

明日でサナドは帰国してしまう。

疲れ切っていたが、最後の機会なので着いて行った。
韓国で大人気のLOL(リーグ・オブ・レジェンド)を遊んだ。

寮に帰り、韓国人2人と朝5時まで話した。

留学中に沢山の友人ができたが、韓国人学生たちには特にお世話になった。

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