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【🕌クウェート#16】グランドモスク

10月4日

午前中は市民ID取得のため、健康診断に行った。授業はお休みである。

ここはビザ取得用の健康診断を受けるための病院のようだ。そのためか、労働者が多い。

メディカルエリアに病院が密集している。メディカルテスト専門の病院もここにある。


クウェート国民であれば公立病院の受診料は無料である。
私たち留学生も、居住ビザが発行され次第クウェートの公立病院を無償で利用できるようになる。
まだビザは発給されていないが、受診料は特に取られなかった。

整理券が渡されて、受付で番号が呼ばれるまで時間待ちをする。その後、診療室の前で並ぶことになる。
特にマスクをつけている患者はいなかった。

まずは採血。
採血室から瀕死状態と思しき患者が運ばれてきた。本当にこれは採血なのか?恐怖を感じる。

看護師がバスマラ(「慈愛あまねく慈悲深きアッラーの御名によって」という句)を唱えてから採血をするのは、いかにもアラブの国らしい。
採血は意外と上手く、特に痛みもない。
先ほどの女性は貧血か何か何かだったのだろうか。

採血室でお香をたいているのは、日本では見られない光景である。

病院の外装

次はレントゲンである。

更衣室に連れていかれ、上半身裸で受診されされた。更衣室には鍵付きのロッカーなどはなく、カバンや服を木製のラックに入れねばならない。防犯上、少し不安だ。

レントゲン室は木製の扉で、しかも開けっぱなしになっている。日本ではおよそあり得ない光景だ。
日本では、レントゲン撮影前にポケットに荷物が入っていないか確認すると思うが、ここではそういったこともない。


帰りのバスでは、シャリーア学部のトルコ人学生たちと話した。

『キャプテン翼』がトルコでも有名らしい。

同作の登場人物の名前は国ごとに異なるというが、トルコではそのままだ。
「南葛の浦辺」なる人物の話を旧にされた時、私は反応できなかった。

他にはオスマン帝国の話をした。しかし話始めた途端早口になってしまい、内容は殆ど理解できなかった。


午後はクウェートのグランドモスク(The Grand Mosque)に行った。
台湾・フランス・アフガン・チェコ・ロシア等々、ランゲージセンター所属の多くの学生が参加した。

道中、アフガンのムハンマドがソフトクリームを奢ってくれた。

"through(スルー)"の略語"thru"。初めて実物を見た。クウェートはイギリスの「保護国」であったためか、イギリス式の綴り(例えばcentreのような)をよく見る。"thru"はアメリカ英語の略語らしい。
ポケモンコラボ?ソフトクリームの値段は0.16KD(80円くらい)


ちなみに以前のクウェート留学生である、「ハンニバル佐藤」なる人物も訪問しているようだ。



さて、グランドモスクはクウェート最大のモスクだ。実に1400万KD(奨学金11600年分!!)もの資金が投入され、8年の歳月を経て完成した。壮大な同モスクは、クウェート最大の観光地である。

砂漠と調和するモスクのカラーリング


それだけに、異教徒でも見物することができる(女性は貸与のアバヤを着る必要がある)。

日曜から木曜まではガイド付きのツアーが開催され、写真撮影やネットへの投稿も許可されている。

今回の日記の内容も、ガイドさんから教えてもらった内容に基づいている。


モスクに入ると、まずはその広さに圧倒される。なんと1万人が同時に礼拝できるという。

青と金を基調とした配色

もちろん、大きさだけが特色ではない。内装はまさにイスラーム文化の精華と呼びうるものだ。


例えば壁面には、モロッコ様式のモザイクタイルが埋め込まれている。

この幾何学模様に宗教的意味合いを持たせる人もいれば、単なる美的趣味として考える人もいるらしい。


タイルに近づくと、使われている石の色味のおもしろさに気付く。同じ「緑」であっても、絶妙に色づきが異なるのだ。

色に詳しくないため、残念ながらそれ以上詳しくは描写できない。わが語彙の乏しさが恨めしい。


もちろん、建築のすべてがイスラーム文化圏のものではない。例えば、天井はポール・ヴィクター(という名前だったはずだ)によるもので、フランスの建築様式が用いられているらしい。

写真では伝えにくいが、上のシャンデリアのようなものは非常に大きい。確か1トンの重さのはず。


天井の中心部を美しく彩るのは、イスファハーン様式の装飾だ。

天井はお椀状で、音をよく反響させる。人間の叡智だ。

モスク全体にさまざまな書体のアラビア語装飾が施されている。
例えば下のQRコードのようなものは、「クーフィー体」と呼ばれる書体だ。

私はこの書体が読めない。ガイドさんは説明してくれたが、失念してしまった。「神の使徒」という文言が含まれている気がする。詳しい読者の方がいらっしゃれば教えて頂きたい。

他にも書きたいことはあるが、今回はこのくらいにしておく。

庭でも1万人が礼拝できるらしい。
クルアーンのレプリカ。現代のアラビア語表記方法とは大きく異なるものだ。このモスクは、ちょっとした歴史資料館としての機能も持つ。


追記 親愛なる大学の友人たちへ。

『イスラーム書物の歴史』という本の1部2章では、上記の写本を用いて「ラスム」について論じていたはずだ。
詳しい内容は忘れてしまったので、暇があればレビューして欲しい。


さて、グランドモスクはスーク・ムバラキーヤの近くに位置する。これはクウェートでも特に歴史がある市場(スーク)である。

ジョージアの学生と冒険した場所だ。

みんなで遊びにも行った。

今日はここでディナーを頂くことにした。

柔らかい肉
辛い葉っぱ
甘い茶
ねこ


屋外に座席があり、清潔とはいいがたい。
しかし味は悪くない。

食事中、前に座ったフランス人学生とお喋りした。少々政治的な話をしたが、正直言いたいことの3割も話すことができなかった。
英語で「伝える」能力を磨かなくてはいけない。

私は誤って唐辛子を食べてしまい、あまりの辛さにのたうち回った。それを見た彼は言った。

「それはフールフールだぜ!」

唐辛子(フィルフィル)を食べた馬鹿(フール)ということだ。座布団一枚。

一人当たり3.75KDだった。少し高い。

メニュー

帰り道、合い鍵を作った。1KD。

今後の留学生は参考にされたい。
鍵を作る装置



相変わらず、流しのタクシーとの交渉は骨が折れる。前回同様東アジア人はぼられるとの理由で、アフガニスタンのムハンマドが交渉してくれた。


結局のところ、シュエイフ行き11系統バスに乗った。なんと今日は5本しか出ていなかったらしい。一人あたり0.25KDで済んだのは、行きのバスと同様だ。

250フィルス=0.25KD。だいたい120円くらい。


今日は疲れた。
家に帰ると、このネコのようにベッドに倒れ込んでしまった。

シティ・キャット

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