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【クウェート#57】ウスマーン博物館:民族衣装・アラブ妖怪・石油会社

2月9日(金)

教会に行く。
出エジプト記29についての説教だった。
人生で初めて聞いた気がする。

説教のスクリプトをもらった。正直な話、40分くらいある説教の全てを耳だけで追うのは、私には無理だ

午後はイブラーヒームさん(イブ様)とナスルさん(ナスちゃん)とウスマーン博物館に出かけた。

イブ様は日本で博士号を取得したインテリで、きわめて流暢な日本語を話す。当然N1を取得している。
ナスちゃんは日本は話せないものの、日本に何回も旅行した日本通である。

ミッキーの着ぐるみが歓迎してくれる。

目に生気がない

ここは、クウェートの風俗・民芸品などにまつわる私的コレクションを博物館にしたものらしい。

クウェート紙幣。かつてはインドが発行する「湾岸ルピー」を使っていた。
ジャージ
小学生
人気だったテレビの衣装
ダマというボードゲーム
サッカークウェート代表ゆかりの品。80年代ごろまでは湾岸最強のチームだった。今では見る影も長。

アブドゥルアジーズ館長の厚意で、準備中の「砂漠の暮らし」コーナーを案内していただいた。

بيت الشعر
イブ様が「解像度、低すぎるだろ」と突っ込んだ壁紙。「解像度」という日本語を知っていることに驚く。

ヤルワという衣装は、女性が結婚式で着るものだ。今日ではあまり着られることもないが。

ヤルワ(يلوة )

民話に出てくる怪物を展示した部屋が面白かった。

ヒマール・アル=カーイラ(カーイラのロバ)は、半人半馬の怪物である。なんでも人間を食い殺すらしい。

حمارة القايلة

ウンム・サアフ・ワ・リーフは醜い顔をした怪女である。サウフはヤシの木の葉で、リーフはヘチマを指す。
敢えて訳すなら、「椰子の葉と糸瓜婆」になるだろうか。先ほどのウマと違い、容姿で驚かしてくること以外には具体的な脅威は無さそうである。

ちなみにクウェートの子供は、「ウンム・サアフ・ワ・リーフ」と言って人の容姿をからかうらしい。

أم السعف والليف
風が吹くとヤシの葉は怖い音を鳴らせる。ではヘチマは何を象徴するのだろうか?

おいしいクウェート料理店に連れて行ってもらった。

ガッブートとダグース
パラーリート。焼いた卵と甘い麺。見た目は焼きそばにしか見えない。下はジェリーッシュ。カレーみたいな見た目をしている。小麦と牛肉とスパイスを6時間くらい煮込んで作る。少しネバネバした食感のカレーターメリックのソースをかける

帰りはナスちゃんに寮まで送ってもらった。

ナスルさんはサウジにあるカフジ油田で働いているらしい。石油会社は、クウェートでは倍率の高い就職先の一つだ。

給料は悪くないものの、片道1時間半もかけてサウジまで行くのはつらいものらしい。もっとも、クウェートやサウジを含む湾岸諸国市民はパスポートなしで容易に越境できる。

カフジ油田は日本企業であるアラビア石油が開発した油田だ。2000年まではアラビア石油が採掘権を有していたという。今でも、日本人がそこで働いているらしい。

現在、カフジの石油事業はクウェートとサウジで二分するようになっている。

クウェート経済は石油輸出に大きく依存している。

石油採掘・輸出事業は国営会社が担っているのだが、その構造はなかなか面白い。

まず最大の石油企業としてKPC(Kuwait Petroleum Corporation)がある。石油企業に入ること自体が難しいが、特にKPCに入社するのは大変らしい。

KPCの子会社として、KGOC(Kuwait Gulf Oil Company)やKOC(Kuwait Oil Company)やKNPC(Kuwait National Petroleum Company)などがある。子会社ではあるが、これもやはり国営らしい。

例えば、カフジ油田の石油事業はKGOCとサウジアラビア王国政府が出資するAGOC(Aramco Gulf Operations Company)が共同で担っている。

しかし、なぜこれほどまでに沢山の国営石油会社があるのだろうか?


オーストラリアのジョンのパーティーに行く。

韓国の恋愛リアリティーショーを見ながら、ブルガリアのジョージの土産を食べる。

スジュク(サラミのような干し肉)とチーズ。お酒が欲しい。
各国の学生が夢中で見ていた。韓国エンタメはかなり強い。


2月10日(土)

特に出かけたりもせず、部屋で過ごした。

風呂栓が抜けないことが最近の悩みである。

明日からいよいよ授業が再開するはずだ。

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