【クウェート#57】ウスマーン博物館:民族衣装・アラブ妖怪・石油会社
2月9日(金)
教会に行く。
出エジプト記29についての説教だった。
人生で初めて聞いた気がする。
午後はイブラーヒームさん(イブ様)とナスルさん(ナスちゃん)とウスマーン博物館に出かけた。
イブ様は日本で博士号を取得したインテリで、きわめて流暢な日本語を話す。当然N1を取得している。
ナスちゃんは日本は話せないものの、日本に何回も旅行した日本通である。
ミッキーの着ぐるみが歓迎してくれる。
ここは、クウェートの風俗・民芸品などにまつわる私的コレクションを博物館にしたものらしい。
アブドゥルアジーズ館長の厚意で、準備中の「砂漠の暮らし」コーナーを案内していただいた。
ヤルワという衣装は、女性が結婚式で着るものだ。今日ではあまり着られることもないが。
民話に出てくる怪物を展示した部屋が面白かった。
ヒマール・アル=カーイラ(カーイラのロバ)は、半人半馬の怪物である。なんでも人間を食い殺すらしい。
ウンム・サアフ・ワ・リーフは醜い顔をした怪女である。サウフはヤシの木の葉で、リーフはヘチマを指す。
敢えて訳すなら、「椰子の葉と糸瓜婆」になるだろうか。先ほどのウマと違い、容姿で驚かしてくること以外には具体的な脅威は無さそうである。
ちなみにクウェートの子供は、「ウンム・サアフ・ワ・リーフ」と言って人の容姿をからかうらしい。
おいしいクウェート料理店に連れて行ってもらった。
帰りはナスちゃんに寮まで送ってもらった。
ナスルさんはサウジにあるカフジ油田で働いているらしい。石油会社は、クウェートでは倍率の高い就職先の一つだ。
給料は悪くないものの、片道1時間半もかけてサウジまで行くのはつらいものらしい。もっとも、クウェートやサウジを含む湾岸諸国市民はパスポートなしで容易に越境できる。
カフジ油田は日本企業であるアラビア石油が開発した油田だ。2000年まではアラビア石油が採掘権を有していたという。今でも、日本人がそこで働いているらしい。
現在、カフジの石油事業はクウェートとサウジで二分するようになっている。
クウェート経済は石油輸出に大きく依存している。
石油採掘・輸出事業は国営会社が担っているのだが、その構造はなかなか面白い。
まず最大の石油企業としてKPC(Kuwait Petroleum Corporation)がある。石油企業に入ること自体が難しいが、特にKPCに入社するのは大変らしい。
KPCの子会社として、KGOC(Kuwait Gulf Oil Company)やKOC(Kuwait Oil Company)やKNPC(Kuwait National Petroleum Company)などがある。子会社ではあるが、これもやはり国営らしい。
例えば、カフジ油田の石油事業はKGOCとサウジアラビア王国政府が出資するAGOC(Aramco Gulf Operations Company)が共同で担っている。
しかし、なぜこれほどまでに沢山の国営石油会社があるのだろうか?
オーストラリアのジョンのパーティーに行く。
韓国の恋愛リアリティーショーを見ながら、ブルガリアのジョージの土産を食べる。
2月10日(土)
特に出かけたりもせず、部屋で過ごした。
風呂栓が抜けないことが最近の悩みである。
明日からいよいよ授業が再開するはずだ。
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