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特集:独立看護師「看護師としての経験をサービスに」輿石光希さん(ジョイン-ハンズ株式会社代表)インタビュー

(旧キャリエル看護※現キャリエルメディ2022年8月号特集「独立ナース!」より)取材:小見田りり子 構成:梶原拓真

輿石光希(こしいし みゆき)

小学5年生の時に全身火傷を負い生死の境を経験。手術や入退院を繰り返す中で、看護の重要性を感じ、看護師を目指す。看護師となり、大学病院5年、国公立の病院で17年、法人の病院に3年勤務し、2012年ジョイン-ハンズ株式会社を設立し独立。現在ジョイン-ハンズ株式会社代表取締役として多岐にわたる活動を行っている。


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逃げずに頑張る大切さ

ーまず初めに、看護師として独立し仕事をしていこうと思った理由を教えてください。

輿石 国公立病院で培った経験が自信となり、独立して働いてみようと思ったのが理由です。私は国公立病院で働いていた時に38歳で病棟師長になりました。

そこでは、先輩師長や看護部長から多くの叱咤激励や指導をいただいたんです。「管理者としてどう考えているの?」「その管理で本当に大丈夫?」繰り返し言われ続け、返答できない自分に嫌気が指すことも多々ありました。

当時は自分をできない人間だと思い、自己肯定感も低かったと思います。

でも、「絶対に負けるもんか」と思って、すごい勉強しましたし、研修にも行かせてもらいました。その点はいい環境でしたね。

その後、ご縁があって病院の新築移転や看護部の再編のために法人の病院から誘いをいただきました。看護部の再編時には、国公立病院で学んだことが全て活かせて「私がしてきたことは間違ってなかった」と自己承認できたことを覚えています。

国公立病院時代に中途半端でやっていたらこうはなっていなかったなと思いました。とにかく一生懸命やって、逃げずに頑張る大切さを知れたんです。この経験は私の宝ですね。

家族看護でつかんだ核心

ー叩き上げで実力をつけていったんですね。では、看護師として大切にしている原体験はありますか?

輿石 国公立病院を辞める前に家族看護に取り組んだんです。終末期の女性だったんですけど、家族でいつも喧嘩をしていてなんとかしたいと思いました。

そこで、患者さんと娘さんにしっかり話をしてもらったんです。娘さんは「できることはしたい」と本当によく面会に来てくれました。その後、患者さんが亡くなって落ち着いた頃に娘さんとばったり会ったんです。

そうしたら娘さんから「ありがとうございました。私は今でも元気に生きています」って言われたんです。

ーそういう瞬間って嬉しいですよね。

輿石 本当に!泣けてきちゃいますよね。

患者さんが生きている間に家族が悔いのないように関わる手助けができたと強く思えたんです。そんな時に、看護協会で一緒に活動していた友人から法人病院の看護部長をやってくれないかと依頼されました。

当時は父親の看病のために1年間は働かないと決めていたんですけど「看護部の立て直しを手伝ってもらえないか?」と言われたんです。ずっと断っていたんですが、娘さんのことばを思い出して「患者さんや家族のためにできることは一生懸命やろう」と思ったんですよね。

そして、病院の新築移転や看護部の再編に関わる機会をもらいました。

ー娘さんからかけられた言葉が大きな力になったんですね

輿石 そうですね。新築移転の際には設計などもさせてもらったので、チャレンジする機会をもらえた大切な言葉です。

「自分はもっとできる。」

ー国公立病院で揉まれた経験と患者さんの家族からかけられた言葉が現在の基盤になっているんですね。では、独立までの経緯を教えてもらえますか。

輿石 病院の新築移転の打ち合わせに関わっていた方から「輿石さんは独立した方がいいんじゃない?」と言われたんです。

当時は独立なんて考えていなかったんで自分でもいろいろ調べてみました。その結果「病院でやり残したことはない」と考えるようになり、3年目を迎える半年前に一念発起して独立したんです。

ー不安ではなかったんですか?

輿石 仕事のミッションを達成できるようになり自己肯定感が向上していたタイミングだったので「自分にはもっとできることがある!」「自分にしかできないことをやろう!」と強く思っていたんです。

もちろん、一人ではできないことも知っていたので、友達にサポートしてもらいジョイン-ハンズ株式会社を設立し、独立を決心しました。

これ以降の内容は「キャリエルメディ」でお読みいただけます。
続きが気になる方は、ぜひご覧ください。

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