喀痰吸引(11) リスク管理
呼吸器系の感染が起きた可能性を示す状態
人間の体に細菌やウイルスが侵入してきた時にそれらを追い出そうとして免疫が働く時に体の各部で炎症が起きる
呼吸器官での感染の場合、口・鼻・喉・気管・肺などの内側の粘膜に赤っぽい変化が見られたり、腫れてきたり、分泌物が増えたりする
この変化により体温が上昇したり、喉などに痛みを感じたり、痰が増えてきたり、咳が出てくるなどの症状が見られる
痰の変化としては、量が増えるのみでなく、色が黄色や緑に変色したりすることがあるが、これは細菌やウイルスの量によって程度が異なる
感染症としては肺炎や気管支炎などがあり、食べ物でむせやすい人などは誤嚥性肺炎などのリスクが高い
呼吸器系の感染予防
例を挙げると
・吸引器材は吸引実施後に毎回必ず洗浄・消毒して清潔に保管
・吸引器具の設置場所は生活動作などで汚染されない安定した清潔な場所と
する
・居室の空気を清潔かつ適切に保つために換気や温度・湿度の調整する
(吸引器具にほこりなどが入らないようにする)
・吸引前後に手洗いまたはすり込み式のアルコール製剤による手指消毒を
する
・吸引チューブの挿入部分に触れないように吸引操作をする
・口や鼻からの細菌・ウイルスの侵入を防ぐために口腔内を清潔に保つ
口腔内吸引時のトラブルと介護職の対応
・呼吸器が正しく作動しない場合
電源や吸引瓶のふた・中身、吸引チューブの接続、吸引圧(チューブの接続部を折り曲げて、吸引圧が上昇するか)などの確認
・呼吸状態が悪くなる、顔色が悪い
低酸素状態や気道閉塞の可能性があるため、直ちに吸引を中止し気道確保、看護職に連絡
・嘔吐する
直ちに呼吸を中止し、誤嚥を防ぐために顔を横に向ける
看護職に連絡し、吐物の内容を報告(可能であれば確認してもらう)
吐物は速やかに片付ける
・出血する
出血量が少量の時は直ちに吸引を中止し、看護職に連絡
出血量が多量の時は直ちに吸引を中止し、顔を横に向け、看護職に連絡する
決められた吸引圧であったか確認する
・痰が硬く、吸引が困難
室内の空気の乾燥を防ぐ
看護職に報告する
・痰の色がいつもと違う
体温を測り、看護職に報告する
全身状態の観察
・吸引ができない(チューブをかむ、口を開けない)
ゆっくりと吸引チューブを引き抜き、全身状態の確認
全身状態を確認して看護職に報告する
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