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喀痰吸引(8) 生活上の留意点と呼吸管理


生活支援上の留意点


人工呼吸器は複雑な仕組みとなっており、装着者の生活支援の場面ではトラブルを防ぐため注意が必要

例を挙げると

人工呼吸器本体は室内の空気を吸い込むため、部屋の壁にぴったりとつけずに、室内の空気を清潔に保ち、ホコリを立てないように注意

おむつ交換や清拭・体位変換などおケア時には回路を引っ張ったり、マスクがずれたりしないように注意

人工呼吸器には多くのスイッチがあり、これにより送り込む空気をを調整していくため体に触れないようにする

人工呼吸器装着時は声を発して会話したり、要求を正確に伝えることは困難な状態になるため、必ず意思伝達の手段は確保しておく

呼吸管理に関する連携


人工呼吸器は複雑な医療機器であり、吸引の際にも多くの危険を伴うため医師・看護職及び医療機器提供会社などにより専門的な管理と適切な連携により安全を確保する必要がある

日常的な連携

吸引方法の留意点(吸引チューブの種類や挿入の深さ、吸引時間、吸引圧)は利用者一人一人の状態で異なり、具体的な方法や留意点については事前に医師などの指示を確認、また利用者の状態の変化も考慮して定期的な相談による見直しも必要

変化の有無にかかわらず、体温や呼吸の状態、痰の性状、吸引前後の利用者の様子については定期的に医師や看護職に連絡が必要で、それらの情報により専門的な排痰ケアや人工呼吸器の設定の変更、薬剤の検討などにも繋がっていくため医師や看護職への情報提供は非常に重要である

人工呼吸器や付属品の管理や皮膚の管理などは基本的に医師・看護職が実施することであるが、何かいつもと違和感を感じた場合は医師や看護職に連絡をしてすぐに対処してもらうようにすることが重要


緊急時対応

・人工呼吸器の音に合わせて胸のふくらみが弱かったり、確認できない状態

・痰を吸引しても変わらず呼吸苦の訴えがある状態

・顔色が青白い、気管から吸引物が鮮やかな赤色である状態

・気管カニューレが抜けている

・人工呼吸器のアラームが鳴り止まない

・停電などで、人工呼吸器の作動が停止した

これらのような緊急時に対して家族や医師・看護師と緊急連絡先や連絡内容(いつ、どこで、誰がまたは何が、どのように、どうしたか)、対応方法を取り決めて共有しておく

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