滅菌と消毒について
滅菌
滅菌とは全ての微生物を除去や死滅させること
滅菌したものを使う場面としては、例えば気管カニューレ内部の吸引の時に微生物を肺や気管の中に外部から持ち込ませないように吸引チューブや手袋などに使用する必要がある
滅菌は専門の施設・設備で高圧蒸気や酸化エチレンガス、放射線などを用いて行う
滅菌物を使用する前には次の確認をする
①滅菌済みの表示
②滅菌物の有効・使用期限
③開封の有無
消毒
消毒とは病原性の微生物を弱化や死滅させること
滅菌ほど厳密に微生物の侵入を阻止しなくても良い場合の器材や体内に入れない場合の物品などは消毒を行う
例えば、口腔内や鼻腔内にはすでに多くの常在菌がいるため、気管内のように滅菌の手袋をする必要はない
消毒の主な方法
熱水消毒
家庭用の食器洗浄機を利用し、すすぎ工程のところで80℃で10分程度のすすぎによりMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や大腸菌などの細菌、B型肝炎ウイルス、HIVなどのウイルスにも効果が期待できる
薬液消毒
次亜塩素酸ナトリウムやアルコールなどを使用する
ケア場面では手指消毒が重要であり、基本的には流水と石鹸を行う
利用者の負担を考慮して時間をかけずにケアを終了させる場合はエタノール含有の速乾式手指消毒液を用いることも大切
速乾式手指消毒液には塩化ベンザルコニウムという消毒剤とアルコールにより細菌叢を抑制することができるとされている
ただし眼に見えるような汚れの場合は速乾式の消毒剤では汚れは落ちないため流水でも手洗いを行う
消毒剤の使用法と留意点
次亜塩素酸ナトリウム
使用濃度は0.01%で消毒対象としては経管栄養セット器具や器材で留意点としては金属の腐食や酸性との作用による塩素ガスの発生
アルコール・消毒用エタノール(70%)
原液を使用して消毒対象は正常皮膚や医療器具や器材、ドアなどで、留意点は引火性、粘膜や損傷皮膚には禁忌
塩化ベンザルコニウム・塩化ベンゼントニウム
使用濃度は0.1~0.2%で器材や手指の消毒に使用、留意点としては誤飲や適用濃度に注意
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