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テレワーク禁止令

ながさごだいすけ

月曜日に勤務先に行くと予想外の事態になっていた。

新型コロナが蔓延した2020年4月以来、わたしは一人暮らしの母のいる実家で、週2回(およそ月8回で通常の7割減ということである)出勤する以外はテレワークを続けていた。それはわたしだけでなく、女性の多い職場でもあり、月1-2日しか出勤しない職員も多くいたのである。

それが、8月1日月曜日の朝に出勤すると、いきなり妙な噂を聞かされた。

テレワークが禁止されるというのである。しかも今日これからすぐに実施されるというのだ。

理由は単純であった。緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も出ていないのだから、そんな必要はないということである。たしかに今回は、なにも規制をしない、というのが政府方針なのだから、テレワークをするのも方針に反するといえないこともなかった。

じつのところ、少し驚きはしたものの、別にそこまで意外というわけでもなかった。職場の上の人たちが、テレワークをお上からの通達でいやいや実施しているといううわさは前からあったからである。はからずも、今回それがはっきりしたわけなのだった。

1日中PCでデータ処理をする仕事は、テレワークになじみやすい。わたしの勤務先ではそのような仕事が多く、しかも女性が多いので、テレワークはすっかり定着していたのだったが、理事長はテレワークをあくまでも緊急事態のための一時しのぎととらえていたらしい。

理事長がそう考えるのであれば、それはそれで仕方のないことだったが、問題は、理事長がそれを当日の8月1日から実施するつもりでいたことだった。うわさでは、最初にその話が幹部に公になったのは7月28日の木曜日だったが、それは非公式の場での話に過ぎず、次の公式の幹部会は8月1日の10時からだから、いくらなんでも不可能だろうと周囲の人間は思っていたらしい。

だが、そうではなかった。8月1日の幹部会に緊急動議として書類が回され、即日発効することになった。さすがに、時間をさかのぼって実施することはできないので、8月1日付で発布され、8月2日から施行されるという通達が1日の午後に事務からのメールでまわってきたのだった。

わたしは、ただ母を実家に残して出勤するだけのことなので、特に問題はなかったが、夫婦共働きで、育児の都合がある女性職員の多くは、さすがに8月2日から通常通り出勤するのは難しかったようである。

現在、日本では新型コロナウイルスの1日の新規陽性者数が過去最大を更新しており、ようやくピークを超えそうな雰囲気のところ(まだだれにもわからない)である。なにが理事長をそんなに焦らせたのだろう。9月でも、それでは遅すぎるというのならせめて来週からでもよかったのではないのだろうか。

ちなみに、理事長は、外科の臨床からキャリアがスタートしたという、バリバリの医系研究者で、もう言うまでもないと思うが男性である。医師だからこそできる決断には違いなかったが、別にこんなところで実行力を見せつける必要はないのではないかと、個人的には思えなくもなかった。


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