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2022年5月の記事一覧
今どきの放浪記は飲む、打つ、買う!?
『放浪記』を読み終わってしまった。『放浪記』はわたしが考えていた作品とは似ても似つかないものだった。有名な国民的女優が、これででんぐり返しをするというので、ますます『風琴と魚の町』の娘の物語なのだと思い込んだのだったが、実際には主人公が自分の小説の新聞広告を見て喜びのあまりでんぐり返しをするという演出であって(原作にはなかったと思う)、子供が遊んでいたわけではないのであった。
そもそも、なんで『
失われた旅行記を求めて
先週、プリーモ・レーヴィの『休戦』(岩波文庫)を読み終わったので、今は林芙美子の『放浪記』を読んでいる。
どちらも今まで一度だって買おうと思ったことがなかった作品であるが、なんとなく成り行きでそういうことになってしまったのである。つまり、「重要性の問題」がわたしを駆り立てているのである。
現実には、なにも重要な問題などありはしないし、仮にあったとしても、それでなんでプリーモ・レーヴィと林芙美子