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Ⅷ)1対多の講師業と1対1のキャリアカウンセリングの両立

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
キャリア面談やキャリアカウンセリングは1対1の支援。セミナーや研修の講義は1対多です。私としてはどちらも大事なキャリア支援だと思っています。今日は、キャリアコンサルタントが行う講師の仕事についてお話します。

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初めての登壇は受講生を見られなかった

私が初めて講師として登壇したのは2011年の秋ごろですから、かれこれ10年前になります。キャリアコンサルタントとして初めて仕事をいただいた大学で、就職セミナーを担当したのが最初です。エントリーシートの書き方や面接対策等、90分でいくつかのテーマを実施しました。

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大勢の学生を前にものすごく緊張して、手や足・声が震えていたことを覚えています。人前で話すことなど、これまであまり機会はありませんでした。ジャケットの下は汗でびっしょり。手元の資料を説明することに必死で、受講する学生の顔をまったく見ることができませんでした。なんとか時間が終わった時は、ぐったりしてしまい、ただただ呆然としていたと思います。

伝える予定の内容は伝えたけど、講師としては大失敗です。
完全に自分に意識の矢印が向いています。

自分がちゃんとできるかどうか
講師として良かったといってもらえるかな
内容がわかりやすかったと言ってもらいたい

相手に伝えたいという気持ちより、自分がちゃんとできるかどうかに目がいっています。目の前の受講生を見て、相手に伝わるように伝えることが大事。それができるようになるまでは修行の日々でした。

その後、企業の研修の仕事が少しずつ増えていきます。現在は、企業や自治体の研修として、キャリアデザイン、新人向けの仕事の仕方、中堅やリーダー向けの部下後輩指導、チームワークやモチベーションマネジメント等を伝えています。

10年たった今も、講義前の緊張は変わりません。緊張することは悪いことではないですが、過度の緊張を感じる時は、自分に矢印が向いていないか確認して相手への矢印に修正して臨んでいます。

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講師の仕事を得るステップはいろいろ

キャリアコンサルタントになったばかりの方からは、「どうやって講師業を得てきたのですか?」と聞かれます。私の場合は初めから研修講師をめざして動いていたわけではなく、就職関連セミナーやキャリア系授業を複数の大学で経験してから、少しずつ企業研修へと広がっていきました。

これまで私がどんなふうに仕事を得たのかは、こちらに書いていますのでよろしければ参考にしてください。

ただこれまで自分からアクションしたことがないわけではありません。研修講師募集のWEBサイトなどを見かけると応募もしてみました。でもたいていオーディションや面接を受け講師契約を交わすものの、仕事につながっらない・・・。やはり何らかの形で私のことをご存じの方や、キャリコン仲間・知人・友人を介して、「こんな話があるけど興味ある?」とか、「こういうことできる人探している会社があるけど」といったお声がけから講師の仕事につながっていきました。現在は、研修会社や人材開発関連企業4~5社とお仕事させていただいてます。

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キャリアコンサルタントのお仲間の中には、研修資料等が提供される研修会社でアシスタント講師から入り、メイン講師へと力を伸ばしていった方もいます。いろんな講師のアシスタントをしながら、伝え方や進行の仕方を学ぶので実践力がつきます。現場で学ぶ系ですね。

講師を養成する講座もいくつかあります。単発で数万円~長期で何十万円のところまでいろいろです。長期間の講座だと、受講生同士のネットワークもでき、お互い切磋琢磨していく環境があるようです。自分に合うか合わないかも確認するために、説明会などに参加して比較することをおススメします。講座終了後仕事が紹介されるものもあるようですが、必ず仕事がもらえる保証はないところがほとんどなのでよく確認しましょう。

講師を希望する方に私がおすすめしているのは、いきなりのデビューではなく、少人数で小さなセミナーを開催してみることです。少人数で友人や知人数人に聞いてもらってフィードバックを受けながら、コンテンツを改良したり伝え方を工夫したりしながら、講師経験を作っていくといいと思います。たとえ少人数でも、たとえ知り合い相手でも、登壇は登壇です。

この世界は『実績』がいのち。自分で実績を作っていきながらスキルもあげていくのは一石二鳥です。まずは小さくやってみることをおすすめします。

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1対多で伝え、1対1で聴くキャリア支援を広げたい

最初のお仕事を受けた大学の就職支援では、セミナーやキャリア系授業で就職に関する知識等の全体像を伝え、その後の個別面談でより一人ひとりの学生に寄り添った支援体系を確立していきました。学生たちは、一斉にセミナーを受けるだけではぼんやりとしていたことを、個別面談で確認したり深めていき、就活という行動に移っていきました。こういった支援形態は、キャリアコンサルタントとしてとても充実感がありました。

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企業研修も同じで、受講した時は学んだことに満足し明日からの改善を誓うのですが、なかなか持続できず行動変容にまでつながらないことが多いですよね。そこを、キャリア面談で一人ひとりが腹落ちするところにまで持っていきたい!という想いがあります。

私が理想とするキャリア支援は、『1対多で伝えたあとに、1対1の面談で聴くことを通して深めていく』機会の提供です。キャリアとは人生全体をさす言葉です。だからキャリアコンサルタントの守備範囲は広い。1対多の支援も、1対1の支援も、どちらも積極的に取り組んぎいきたいと思っています。


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