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① 人は誰でも「人生の役割」を持っている

キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
キャリアの語源は「轍(わだち)」=馬車の車輪が残した跡だといわれています。キャリアは仕事だけでなく生活も含めた「私たちが生きる道筋」、人生全体のことを指します。「自分らしいキャリアってなんだろう?」をテーマに、キャリアの考え方について連載していきます。


自分の「人生の役割」について考えてみよう

みなさんは、役割と聞くと何を思い浮かべますか?
仕事での役職や職種を思い浮かべる方も多いと思います。組織の中には明確な役割があるので実感しやすいですね。
人の人生の中にもたくさんの役割があるのですが、いくつ思いつきますか?
今回は、私たちが人生で担う役割やその考え方についてお伝えしたいと思います。

ライフキャリアレインボー
(ドナルド・E・スーパー)という理論の中で、「キャリアは、人生のそれぞれの時期で果たす役割(ライフロール)の組合せである」と定義されています。
私たちは、生まれてから終わりを迎えるまでの人生の中で、いろんな役割を持って生きています。
以下がライフキャリアレインボーの中で示される主な人生の役割です。

主な人生の役割(ライフロール)
・子ども
・学ぶ人
・働く人
・余暇を楽しむ人
・市民
・配偶者
・親
・家庭人 等

これ以外でも・・・
自治会の役員、PTAの役員、近所のお祭りの太鼓をたたく人、草野球チームのメンバー、〇〇サークルの幹事、〇〇さんの親友・・・等々。
細かく考えれば役割のバリエーションはもっと広がっていきます。

役割は変化し続けていく

ライフキャリアレインボーは、生まれてから亡くなるまでの人生を虹の半円になぞらえています。そして先ほど紹介した「人生の役割(ライフロール)」が虹を構成する色として重なっているとイメージしてみてください。

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みなさんは、今「人生の役割(ライフロール)」をいくつ持っているでしょうか?虹はどんな色が重なっていますか?

もう大人になったから「子ども」はないんじゃないか?と思う方もいるかもしれませんね。実際私自身は、両親を早くに亡くしているので「子ども」の役割はもうありませんが、親がいる方にとっては割合は小さいけど続いていると考えます。今後親が高齢になった時、介護が必要になった時、それを世話する存在としての「子ども」の役割が大きくなっていく可能性があります。
「学ぶ人」も学校を卒業すれば終わりかと思いきや、何か趣味の領域で学んでいることがあるとか、仕事のために資格に挑戦しているとなれば学びを継続していることになります。私もキャリアコンサルタントの資格を取るために、働きながら学校に通いました。その時は通勤時間や昼食時間等のちょっとした時間を使って、あるいは寝る時間を削って「学ぶ人」をやっていました。
また私は、比較的若い時期に結婚して「配偶者」の役割を得ましたが、その後離婚したため「配偶者」は手放しました。この先も担うかどうかは微妙ですが、もしかしたら「配偶者」ではないけど「パートナー」というゆるい感じの役割が増える可能性はあるかも?と思っています。

このように役割は、割合が変わったり手放したり新たに加わったりしていきます。そしてある時点での組合せも変化していきます。

例えば私が子育てしながら働いている時は、「働く人」「親」に加えて家事を担う「家庭人」の割合がとても大きい状態でした。「余暇を楽しむ人」なんて感じられないほど忙しい日々でした。
しかし子どもたちも独立した今、「親」としての役割はほとんどなくなりました。たまに娘夫婦と食事に行った時には食事代を支払う「お財布」という役割に変化してるのかもって思うこともあります(笑)
「家庭人」の役割も以前は、家族分の洗濯に掃除、娘たちのお弁当や平日留守の間のおかずづくりにと、限られた時間で必死にやっていました。でも今は、自分一人が暮らす範囲ですみます。時間も短くなりました。その分今は「働く人」が中心です。会社員を辞めて独立してからは、仕事も趣味のようなものなので、時間があればPCの前にいます。
変われば変わるものですね。

私の事例で恐縮ですが、役割は人生の時期によって変化していくことが少し実感できたでしょうか?キャリアで悩む時、今ここのツラさをどうしたらいいのかばかりに目がいき、視野が狭くなりがちです。今の状況が苦しいと、それがずっと続くような気がするものですが、こうやって人生を役割で考えてみると、人生は変化の連続なんだと気づきます。
人生が変化するものであるならば、より自分らしい変化をつなげていきたいですよね。


まとめ

自分らしいキャリアを生きるために、「人生の役割(ライフロール)」という視点をもって、今どんな役割を持っているのかを客観的に把握したり、その割合がどうなっているのかを確認したり、これからどんな役割を担いたいのか、担う必要があるのかを考えていくことが大事になります。

「あなたはどんな人生の役割を持っていますか?」
ノートやスマホのメモなどに思いつく役割を、ぜひ自分らしい表現で書き留めてみてください。

次回は、「人生の役割(ライフロール)」から問題解決を探ったり未来のビジョンを描いたりする方法をお伝えしていきます。


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