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50代の真ん中で考えるキャリア

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
昨日(3/25)55歳になりました。「そうか、もう55年も生きたのね~」と思うのだけど、実感は薄いです。たぶんこの先もこうやって歳を重ねていくのかな。とはいえ50代の真ん中に立ったので、50代にとってのキャリアについて書いてみようと思います。

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安定した50代を歩んでいる実感

5年前、50歳になった時に「わ~、50歳だって!!」とまるで人ごとのように口にしていましたが、今、55歳になってもやっぱり「わ~、55歳だって!!」という実感は、まったく変わっていないです。周囲の先輩から「50代は楽しいよ」と言ってもらいますが、ホントにそうだなって思っています。

事実、私の40代は目まぐるしく過ぎ去っていきました。思いがけず管理職になったり、子どもたちが成人したり、自分が独立したりと、キャリアの転機が何重にも重なっていました。偶然の転機、予期していた転機、予期していなかった転機、いろんな種類の転機が訪れ、役割が激しく変化した10年でした。

それも50代に入ると・・・大きな転機は減って役割は安定してたかも。

キャリアとは「人生の役割」の組合せであるといわれています。「人生の役割」についてはこちらの記事をぜひお読みください。

子どもたちも巣立ってそれぞれ家庭を持ち楽しそうに暮らしているので、母親としての役目はあまりありません。むしろ子どもたちから気を遣ってもらっている日々です。

働く人として様々な変化はありますが、自らがやりたいことに取り組んでいるので毎日楽しいですし、順調です。昨年はコロナに翻弄された時期もありましたが、夏以降はオンラインのお仕事の機会も増えて、新しいことにも挑戦できるのもうれしいです。

優先度の高い役割がたくさん重なっていた40代に比べると、今の私は限られた役割の中で、自分に集中して生活できている実感があります。50代に入っての5年間が安定しているのも、そのせいかなと思います。

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50代のリアル~老後がイメージできない~

一昨年から、50代へのキャリア研修やキャリア面談も担当しました。50代の方々からは、「自分の老後はなかなかイメージできない」との声もききます。今の50代が社会に出た時にイメージした老後は、もうなくなっています。先をいくロールモデルがないのが要因の一つかもしれません。

50代が社会に出た頃は、まだ年功序列・終身雇用が全盛期だった時代です。「24時間バリバリ働いてどんどん出世して、郊外に家を持ち子どもを育てて、60歳で定年を迎えたらのんびり暮らすのだ!」そんなキャリアイメージが浸透していました。

それが、バブル崩壊や平成不況、リーマンショック等を経て、ICT化とかAI化とかいわれ、社会の変化が激しい時代となりました。部下となる若い世代の価値観は、当時の自分たちとはまったく違っています。去年からはコロナ禍で仕事も働き方生活も大きく変化しました。さらには、60歳定年が65歳になる日も近いらしい。もうすぐゴールだ!と思って走ってきたら、ゴール直前で『あと5メートルのびます!』って言われるのが目に見えています。同時に年金受給年齢が後ろ倒しに。

若い頃描いた老後とはまったく違う世の中になっている上に、人生100年時代といわれ仕事を引退してからの人生もそこそこ長いらしい。

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先輩たちの事例が当てはまらなくなってしまい、まさにロールモデルもないので、老後をどうイメージしていいかわからない。今の50代のリアルなホンネです。

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この先のキャリア(人生の軌跡)をどう描く?

今どきの50代はまだまだとても元気だしエネルギーもあります。これまでの経験も蓄積されていて、ご自身なりの強みも形成しています。この先の人生も長いのであれば、これまでの経験や強みをどう活用してこれから先のキャリア(人生の軌跡)を描いていくのか?を考える機会が必要です。

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昨今の大学等ではキャリア系授業が必修となっていますし、就職活動の中で自己分析をしながら将来を考えるキャリアデザインの機会があります。でも今の50代は、学生時代も就職のタイミングでも、それほど深く自分のキャリアを考える機会がなかった世代です。だからいきなりこの先どうしたいのか?と聞かれても、困惑してしまう方が多いのです。

「~~すべき」といったやらなければならないことをたくさん受けてきた世代だけに、「自分がどうしたいのか?」を考えることに最初は抵抗を感じる方も多いです。発想を180度転換するのはなかなかすぐには難しい・・・。だからこそ、50代に入ったら、キャリアを考える必要性とキャリアデザインの手法をまず理解することが大事だと思っています。自らを振り返ってこれまでの人生を棚卸しし、自分の強みを自覚したり役割を認識したりしながら、この先のキャリア(人生の軌跡)をどう描くのか?を考える機会が必要です。

50代にももっと楽しく、この先のキャリアを考えて欲しい。50代の一人として、ミドルシニア層のキャリアも支援していこうと思います。


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