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④ 偶然が人生を左右するならキャリアデザインはいらない?? よりよい偶然をひきよせる5つのスキル

キャリアコンサルタントが学ぶキャリア理論をいろんな方に知ってもらい、キャリアを考える時に活かしてもらうための特集の4回目です。
今回は、私はもちろんですが多くのキャリアコンサルタントが大好きな理論「プランドハプンスタンスセオリー(現在はプランドハプンラーニングセオリー)」計画された偶発性理論について考えてみようと思います。

理論名を聞いても何のことかさっぱりわからないと思いますが、なかなか味のあるいい理論なのです。簡単に説明するとこんな感じです。

キャリア(人生)の8割は、思いがけない偶然の出来事に左右されるし、変化も激しい不確実な時代だから、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」を意識して、よりよい偶然を引き寄せて自分で豊かなキャリアを描いていこう!

上記は私なりの表現なので、詳しくはこちらの書籍を参考にしてください。

よりよい偶然を引き寄せて、幸運を手にしていくという考え方がとても前向きで大好きです。つまり、キャリアの8割を左右する偶然を自らの行動で引き寄せるという考え方が、『プランド(計画する)ハプン(偶然)』計画された偶然なんです。なんとなくおわかりいただけたでしょうか?

さて、では、その理論を自分の人生にどう活かすのかを考えていきたいと思います。

偶然が8割なら、未来を考える必要性はないの?

ここで、「ちょっとまて」と思っている方もいると思います。キャリアの8割が偶然の出来事に左右されるなら、キャリアデザインで自分の未来を考えても無駄じゃないか?と。紹介した書籍の帯にも「もうキャリアプランはいらない」と書いてあるじゃないか?と。

私なりの言葉の定義ですが、「キャリアプラン」は行動計画だと思っています。行動計画は、めざすものが見えて初めて作ることができますよね。自分がめざす姿を描くのが「キャリアデザイン」だと思っています。めざす姿が見えないとどっちに向かって歩むかはきまりません。だから、キャリアデザインをする意味は「あります!」

どんな船だって、北に行くのか?南に行くのか?東なのか?西なのか?方向が定まらなければ出航できません。人生を船に例えれば、自分の向かう方向性を考えるのがキャリアデザインだと思っています。3年後、5年後の自分のありたい姿を描き、そのための行動を考えていく。そして一歩踏み出していく。自分がどんな軌跡(キャリア)を創りたいのかを描くのがキャリアデザインです。

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でも、航海の途中で嵐がきたり凪になったり、魚を捕まえたり、他の船と出会ったり、うれしいことも楽しいことも、厳しいこともしんどいことも、いろいろな出来事に遭遇します。そんな時、その偶然を受入れて次のよりよい偶然を引き寄せていくためにも、自分がどんな方向に行きたいのか、自分は何がうれしいのかがわかっていないといけません。

キャリアデザインは航海の羅針盤。
キャリアプランは航海の行動計画。
プランドハプンスタンスは航海における行動指針で
、思いもかけない出来事が起こった際に対処したり、自分にとってよりよい出来事を引き寄せるために発揮するもの。

これらが機能してよりよいキャリア(人生の軌跡)が創られていくのです。だから、キャリアデザインもキャリアプランも私は必要だと思っています。ただ、不確実な時代で、偶然の出来事にも左右されるので、自分が立てた計画(キャリアプランニング)がその通りに行かないこともあることを理解する(偶然を受入れる)、そしてよりよい偶然を引き寄せるための行動を重ねて(プランドハプンスタンス)、自分のありたい姿(キャリアデザイン)に近づけていく。そう考えてもらえるといいですね。


人生は思いもよらない出会いや出来事で彩られている

さて、みなさんのこれまでの人生で出会った「偶然の出来事」はなんでしょうか?キャリア面談などでこれまでのキャリアをお話しいただいていると、「実は、たまたま~~」「偶然~~があって」「思いがけず・・・・」といった表現がたくさん出てきます。偶然の出来事がきっかけで、自分の人生に転機が訪れたことを語ってくれます。振り返ればたくさんの偶然がキャリアを創っていることに気がつくと思います。

例えば、学校で仲良くなった友達に影響されて同じスポーツを始めた・・・とか、たまたま図書館で手に取った本に触発されて・・・とか、先生の~~という一言で進路を考えるようになった・・・とか・・・

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人生には自分が意図しない出会いや出来事がいっぱいあって、それが自分のキャリアに影響を与えています。私の人生もいろんな偶然が重なって、今があります。私のキャリアについてはこちらの記事をぜひご一読ください!

自分が知っている範囲、自分ができる範囲は限られています。いろんな人と出会って刺激を受けたり、回り道でもいろいろ経験してみるとそれが次につながることもあります。プランドハプンスタンスの5つのスキルは、こんなふうに意識して行動につなげてみてください。

何歳になっても、なんにでも好奇心を持っていると、いろんな情報が入ってきます。情報が入ってくると行動につながりやすくなります。
何かに取り掛かったら少しコツコツ続けてみると、どこかで誰かが見ていてくれたり、持続したことで新しいスキルが身についたりします。
こうあるべき!と凝り固まらず、環境変化にも自分と価値観が違う人にも柔軟に対応していくと幅が広がったり、人とのつながりが増えていきます。
石橋をたたくばかりではなく、きっと大丈夫と楽観できると行動がスムーズになります。
冒険心を持って、結果が見えなくても一歩を踏み出すことで、新しい世界が広がっていくかもしれません。

振り返ってみればいろんな出会いや出来事でキャリアは彩られています。自分一人で生きているんじゃないんだなぁと感じます。偶然の出来事を引き寄せたり、それを楽しんだりできるって、豊かで幸せな人生だと私は思います。ぜひステキな偶然を引き寄せて、自分にとってのよりよいキャリア、自分らしいキャリアに活かしていってください。


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