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対話体小説 ショート「地獄」

「・・・んん”!!」

「ん・・・どした?」

「・・・ん”んんん”!!!」

「おいおい、ちゃんと話さねぇと分かんねぇよ」

「・・ん””ん”!!!」

「なんだよ?・・・ああそっかそっか。外さねぇとな」

「っぱあ!許してください!!!なんでもしますから!!!」

「ったくうるせぇえな!!!!!せっかくこちとら山の中までドライブに来てんだよ!!!静かにしろや!!!」

「ぅううぅ・・・許してください!許してください!!許してください!!!」

「てめーは壊れた目覚まし時計か!!阿保みてぇにそれしか言わねぇくせに!」

「ごめんなさい!!なんでもしますから殺さないでください!!」

「あ!?だから俺はドライブしてるだけだって言ったろ?!あとあんま暴れんな!!!もし手向かうつもりなら、車の中を真っ赤に汚すことになるからよ!!!」

「・・・ひぃいい!嫌です!!殺さないで!!!」

「だからうるせぇんだよ!!!静かにしねぇと、マジで頭ぶっ飛ばしたまま、クソ山ドライブする羽目になるぜ!!」

「・・・はっはい・・・でもどうか、どうか、どうか、お許しをっっ」

「・・・・はぁぁぁぁあああー、んじゃ逆に聞くけどよー、お前この状況で生きて下れると思ってんの?」

「いや・・・その・・・」

「冷静に考えてみー?無理よ、お前はさー、組長の娘に手を出した、挙句の果て気持ちよく中出ししといて、ガキが出来たと判明したら、ポイっと、そんでトンズラかましてよ」

「まさか!!違います!!Mには後で迎いに行くって!!金がないから稼いでたんですよ!!」

「・・・ふーん。んじゃお前が働いてたとこの女の子の・・・誰だっけ?Yちゃん?・・・が!偶然に!お前と!ヤッて!デキちまったから!お前に話に行ったら!堕ろすっつって殴られた!って言ってたのはよぉ!!」

「ぁ、ぁ、ぁ、ああれは、、、ちちちちが」

「なぁさぁーもうとぼけるなぁーおまえはぁークズでぇー最低でぇーしらばっくれててぇーよりにもよってぇー組長のぉー娘にぃーてぇーだしたからぁー死ぬのぉー」

「っそそそそそんんな・・・・・っくそなんでマジMがヤクザんとこの娘なんだよ!!!!」

「おい・・・何度言ったら分かるんだ?マジで静かに出来ねぇなら、もっぺん縄嚙ませるか、てめぇの舌だけペンチで抜いてもいいんだけどよ」

「・・・・・・・すいません。わかりました・・・・・」

「まぁ、むさ苦しいことこの上ねぇけどよー、男二人でこの真夜中ドライブ楽しもうや・・・」

「・・・どこにいくんですか・・・」

「・・・うーんとねぇ、地獄1丁目かなぁ」

「・・・・・・俺・・・・ほんとに死ぬんですか?」

「まぁーーーーーーーーーー・・・・そうなるね、命令だし仕方ないかなぁーて」

「っっっおおおおれ親父が医者やってて金あって、今見逃してもらえればお金なら・・・いくらでも」

「あーーーしってるよーーー○○病院の院長だよなー、俺シマ場のケツモチしたときに一度ケガしたことあって、すぐ診てもらったわー、すげー良い病院だよねぇ」

「そうです!そうです!だからお兄さんが僕を救ってくれたら、マジ家族一同でなんでも!!」

「んーーーでも、お前すぐチンコロしそうだしなぁー、あん時ずっとマッポリに言うて、俺らに吹っ掛けてきたじゃん」

「っっっそそんなことお兄さんには絶対しないすよ!あんときは、その場で、俺、殺されると思って」

「いやさーーーーんなことくらいで、逃げようとするやつを俺が逃がしても、結局金にもならんし、責任問題でタマ取られるしで、俺意味ないじゃんー、だから逃がさないに100ペソー」

「ぁああああぁぁ・・・・嫌だ・・・・怖いよぉ・・・・」

「おいおい漏らすなよぉ、あとで掃除するの怠いし、ったくめんどくさいわぁ」

「お兄さんは・・・・人殺したことあるんすか・・・・」

「おぉやっと会話になってきた!うん!あるよー、一度だけー」

「・・・そん時は何も感じなかったんですか?」

「うーん、まぁ思ったより気持ちよくはなかったなぁー」

「・・・・・・」

「いやさー、俺さー、お前くらいの時さ、幸せだったのよ」

「・・・はい?」

「俺には好きな子がいてさぁー、高校くらいの時から、ちょうどお前くらいの歳までずっと付き合ってんたんだわ」

「・・・・」

「そんときゃ俺も彼女も貧乏でさぁー、互いにナイトタイムで働いてさぁ、でも若々しい夢もあってぇ、俺は歌手になって食っていきたいなーとか思ってた時に彼女が妊娠したのよ」

「え・・・」

「そんときゃビビったねぇ、それこそお前みたいに一瞬はさぁ、堕ろしてもらった方がとか思ったし、でも結局はやっぱ俺も男だし、責任はとって、マジで彼女と子どもを食わしてやろうと思ってさ」

「・・・はい」

「んで、ふつーに鳶で真剣に金稼いでいこうと働きだした時に、彼女が勝手に堕ろしたのよ」

「・・・・え?」

「そう。俺もえ??ってかんじよー、こちとら必死でさぁ、彼女と子ども食わそうとやる気満々の時に、泣きながら言ってきたのよ・・・ごめんなさい、実は水商売してた時に知り合った男に無理やりされて出来た子でしたって」

「・・・・あ」

「もう、びっくりしたねー、頭に血が上ってさぁー、んで、店行って店長ボコって、相手割り出したらさー、どっかのヤクザもんだったわけよ」

「・・・そ・・・それは」

「そうそう、そんときは、俺カタギで相手ヤクザだから、俺には何も出来んかったのよぉ」

「えっじゃっじゃあ・・・」

「あぁそうそう、殺した奴の最後の瞬間の話聞きたい?」

「え・・・・」

「お・・・・そうこうしてる内に着きましたな」

「あ・・・あの」

「ハイ降りてー」

「・・・こっここは」

「まぁ霊園だな、しかも水子を祀ってるとされてる霊園」

「・・・もっと、山の奥・・・とかじゃないんですか・・・・?」

「うーんとねぇ、気が変わりました。地獄の閻魔様に裁いてもらいます」

「・・・どっっどゆことですか??」

「ちょいまち・・・・もしもし俺です。今○○霊園にいます。よろしくでーす」

「え・・・・」

「多分すぐ来るわー・・・んじゃここでさ、今までのお前の罪を洗いざらい吐いて、懺悔をしてもらおうかな」

「っっはっっはははい!!僕はMさんにとんでもない事をしてしま」

「おい!!!!!!Mだけか!!!????ほかにもてめぇは罪を背負い続けてるだろうが!!!!!嘘つくとっ!!!!今殺すぞ!!!!!」

「ひっひぃいい、、はっはい!Mだけじゃないです!EもAもYも、たくさんの女の子を傷つけてしまいました!!!」

「それで?」

「あっっあの」

「ここは水子供養の霊園だ、言わなくても分かるだろ」

「あぁあああ、はっははい!!僕のせいで!!本来ならば生まれてくる命も!!!全て奪ってしまいました!!僕は大切な命の未来を全て絶ってしまいました!!」

「だから???」

「いいい一生かけて償っていいいきます!!!ゆゆ赦されないかもしれませんが!!」

「そっか」

「・・・・え」

「一生かけて償うのも地獄だよなー」

「どどどどういう」

「・・・・・・・おっ・・来たねぇ」

「どういうことだ!!S!!!てめぇ組長を殺ったな!!??」

「・・・・な」

「そうだよ、あいつが俺の彼女を殺したから」

「は!????てめぇ何ふざけ・・・・おいまさか・・・あんときか・・・」

「そう、20年前のあの日、あのクソが俺の嫁を孕ませた挙句、殺すと脅して堕ろさせた。んで、嫁は俺に内緒で堕ろし、そのあと責任感じて首吊ったのよ」

「おまえ・・・・あんときの男か???でも名前もなにもかもちが」

「偽名だし、整形もしたからなぁー、ヤクザっぽくなるように強面に整形するなんて俺くらいだろうなぁ」

「ってめぇ最初からこの為か!?」

「当たり前だろ、クソみたいなシノギの仕事やらで、腹刺されたのも、てめぇらにさんざ足蹴にされたのも耐え、全てあのクソに近づける時と、殺れる瞬間の為だけに人生かけたんだわ」

「ふざけやがって!!!てめぇおやごろs」

「あのクソを心の中で一秒も親と思っちゃ何ぞいねぇ!!!そのくせてめぇんとこの娘が孕まされた時によぉ、とち狂う程に切れやがってよぉ!??まぁお陰でいつもついてた頭集も、今ん時本家に寄り付きもしなかったから、俺がその役を買って出たのよ!隙見つけてぶち殺すためにな!!!」

「・・・もういいアホが・・・てめぇはそこのボンボンと一緒に死ねや」

「ああ、良いぜ、とっととしてくれねぇかな。もう何の思い残しもこの世にねぇからよ」

「は!?楽に死ねると思うなや!!てめぇの身体を徐々に痛めつけ、てめぇが親父の死を心から詫びさせてから殺してやるわ!」

「まぁ良いけど早くしないと不味いぞ」

「あ!?」

「俺自首してっから」

「なんだと!???ってあれは・・・まっマッポか・・・てってめぇ!!」

「おい!!!お前ら銃を捨てて、地に伏せろ!!!」

「っくそが!!!」

「はいはーい、おまわりさーん、僕が犯人ですぅー。どうぞ逮捕おねがいしまーす」

「こちらB、先ほど電話で自首してきた○○組、組長の殺害犯を逮捕しました。その他に組員複数人と一般男性らしき人が拘束されています」

「あーあ、これで20年もの茶番は終わりかー」

「・・・・なんで?」

「ん・・・どした?」

「なんで!?!?あんたは俺をこんなことに巻き込んだんだよ!?!?!?」

「ふぅー・・・おいてめぇに一つだけ言ってやるよ、てめぇはこれから今日の事は二度と忘れずに生きてくことになる」

「はぁ?!!・・・っち・・・なにがいいてぇんだ」

「そう・・・いいか・・・てめぇはまだ若ぇけど、もう地獄へ行くのも甘い、罪を背負ってるのを忘れんな。お前はこれから楽になんのも赦されねぇ生き地獄を味わって、毎日やり場のねぇ罪悪感と、今まで傷付けた者の悪意を感じて生きるんだ」

「おいお前!!静かにしろ!・・・すいません、組員全員を容疑者として取り調べたいのですが、車が足りません、至急配車をお願いします」

「・・・あんた・・・そのために・・・」

「そりゃよぉ、俺は今まで何も誇れることなんてない人生だった、それこそ毎日クソみたいな地獄の中にいたぜ、そしてこれからもな」

「・・・」

「いいか・・・てめぇは罪を背負い続けろ、もう針のムジロ。これからはどんなことをしても幸せな生活なんて過去のせいで、求めれなくなるのよ。その為、おめぇは懺悔をし続け、さっき叫んだ言葉も本心から言える人間になれ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった」

「・・・・・まぁいいか、マジでお前が死んでも俺が死んでもおかしくなかったが、どうやら閻魔様は、まだ俺たちには生きて罪を償い続けること、そしてどうやら一生赦されないらしいわ・・・いいか・・・それだけを死んでも死ぬまで忘れんな。」

「・・・あんた・・・俺は・・・・・・・・・これから・・・」

「おい!君は大丈夫か?なら良く分からない状況で申し訳ないが、一緒に参考人として署に来てもらおうか。事情聴取もあるからな」

「・・・わかりました・・・何もかも話します・・・」

「ふーーーーーーーー20年か・・・生んでくれたら、成人祝いとかも出来てたのかもな。


・・・・ごめんな」