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駐在妻インターンってどんな人?【第7期vol.3 ちひろさん(ベトナム在住)】

2023年3月から、第7期インターンとしてメキシコ、ブータン、ベトナム、インドネシアから新しくメンバーが加わりました。7期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー第3弾は、2022年7月からベトナムに駐在帯同中のちひろさんのご紹介です。

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【ちひろさん/お仕事プロフィール】
大学卒業後、大手学習塾運営会社に入社し、東京都・大阪府・和歌山県でフランチャイズ新規開校営業、経営コンサルティング等を担当。海外在住邦人子女向け学習塾の新規開拓営業や、オンライン教育サービスの立ち上げにも携わる。2022年夫の駐在帯同に伴い退職、現在はベトナム・ホーチミン市在住。


自分の人生から降りた

ー大学卒業後、ベトナムに来られるまでの経緯を教えてください。

もともと中高の英語教員になろうと、英語教育に力を入れている大学へ入学するために上京しました。ただ大学で学んでいるうちに、住む地域や所得によって受けられる教育に差が出てしまう現状に理不尽さを感じるようになり…。日本の教育全体に貢献できる仕事に就きたいと教育サービスを提供する民間企業に就職しました。
会社ではフランチャイズの学習塾を開校する提案営業や、既存の塾の売上をあげるためのコンサルティングや研修企画を担当していました。やりがいはありましたが、教育サービスとはいえビジネス。数字や利益を追わなければならないことに「あれ、これって私がやりたかったことだっけ?」と疑問を感じるようになったんです。
その矢先、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出ました。学校がお休みなので学習塾ももちろんお休み…。こんな不安定な状態がいつまで続くんだろうと不安が募っていたなか、夫のベトナム赴任の打診があったんです。悩んでいたからこそ、これは自分にとってチャンスなのかもしれないと思い「一緒に行きたい!」と前向きに捉えていました。

しかし、今度はベトナム赴任の話がコロナが理由で白紙になってしまいました。ベトナムは当時、感染拡大防止のために世界的に見てもかなりハードなロックダウンを行っており、文字通り家から一歩も出られないような規制を敷いていたんです。夫婦としての行く末も、自分自身の仕事も先行きが真っ暗になったようで、コロナ禍の2年間はずっと悶々と過ごしていました。

そんな中、オンライン学習サービスを立ち上げるプロジェクトに参画できることになりました。塾のない地域に住む子どもや、様々な事情で学校に通えないけど勉強したい子どものために学びを提供したい、という思いから始まったプロジェクトだったんです。ゼロベースからサービスを組み立てていくため仕事は今までで一番忙しかったのですが、今度こそ本当に自分がやりたかった「格差のない教育機会の提供」ができる!と一気に仕事のやりがいが出てきました。

すると今度は、白紙になったはずの夫のベトナム赴任の話がまさかの再浮上。夫にとっては海外駐在が目標のひとつだったので本来なら一緒に喜ぶべきだったのですが、「このタイミングでどうして?」と正直ショックを受けました。
先に夫のみ単身赴任でベトナムへ渡りましたが、赴任当時はコロナ禍で日本とベトナム間を簡単に行き来できる状態ではありませんでした。さらにベトナム国内の行動制限、夫一人で生活する不安、離れて暮らす辛さ…
「今一緒に暮らさなければ後悔する」という思いから、やりがいを感じていた仕事を辞めて私もベトナムへ渡りました。

栽培のしやすさからか、ホーチミン市内各地で見かけるブーゲンビリア。
ベトナム語ではその花びらの薄さから「紙の花」と呼ばれているそう

ー念願の異動でやりがいを感じていた最中の退職、大きな決断でしたね。

本当にそうでした。
「『女性だから』『妻だから』という理由で、どうして私のキャリアが犠牲にならないといけないの?」という不条理さに対する疑問をずっと抱えていました。「自分の人生を降りる」そんな気持ちでベトナムに来ました。
帯同直後の私は、「駐在妻=キラキラ専業主婦」ぐらいのイメージしかなくて。退職してしまった今、収入もないし稼ぐこともできないし、これからどうして過ごしていけばいいんだろう…と毎日落ち込んでいました。
そんな時に、私の気持ちを慰めるつもりで夫がCAREER MARKの存在を教えてくれたんです。早速「キャリアの棚卸し」のセミナーを受講し、帯同期間をポジティブに捉えてもいいのか!と発想がガラリと変わりました。

「待ち」から「攻め」へ

ーそこからのちひろさん自身のベトナム生活は、何か変化はありましたか?

帯同前に、ベトナムの情報収集用にInstagramのアカウントを予め作成していましたが、見るだけで発信はしていませんでした。
でも、コロナ禍で大きく変化したベトナムの最新情報がなかなか見つからないことに気付き、「これから旅行や帯同でベトナムに来る人のためになれば」と少しずつ自分から発信してみることにチャレンジしました。
そこから、自分自身と年齢が近い人とコンタクトを取ってみたり、以前から興味のあったお花や編み物などの習い事を受けたり、このCAREER MARKのインターンにもトライしてみたりと、自分の世界を広げられるよう今もずっと努力しています。
帯同直後は外に出るのが怖くてずっと自宅に引きこもっていましたが、少しずつ自分の世界の外に出ることを重ねたことで、自分からまず一歩踏み出すこと、自力で自分の世界を広げていく楽しさを知れたんです。

また、元々はあまり好きではなかった料理も頑張っています。きっかけは夫の体調不良が続いたことでした。そこから栄養バランスや彩りを意識し、平日のお弁当作りも頑張っています。おかげで今では夫婦そろって健康です!

ーどんどんアクティブに、身も心も健康になっていったんですね!

帯同直後は「なんのために生きているんだろう」と思ったりもしました。いま帯同から1年ほど経って、「100000%ベトナムに来てよかった」と言い切れる自分がいます。そんな自分に自分がびっくりですが…。

そう思えるようになったのは、「考えても仕方ないな」というところまでとことん落ち込んだからかもしれません。だからこそ、「海外で暮らせるなんて二度とないチャンス。今を全力で楽しもう」と思えるようにマインドチェンジできたのかもしれないですね。

振り返ってみると、日本にいた頃の私は、「待ち」の姿勢でばかりいたように思います。自分の努力や実力を認めてくれる誰かに声をかけられるのを待っていたように思うし、やりたかった仕事も受け身で声がかかるのを待ってばかりだったし、仕事もプライベートもアクティブに楽しんでいる友人や同僚を見ては卑屈になっていました。
でもベトナムに来た私は、無職で知り合いは夫しかいない、平日5日間は家にひとりぼっち…という環境のなかで、待っていては何も起こらない。誰からも誘われない。やりたいことは向こうからやって来ないんだ、と初めて気づきました。自分からコンタクトをとったり発信していったりと、「攻め」ていかないと何も起きないんだとやっとわかったんです。
少しずつだけど外に踏み出していったことで、ベトナムのことも自分自身のことも好きになることが出来ました。

ベトナムは国としての成長が著しく若者も多いし(国民の平均年齢がなんと32歳!)、これからますます成長していくエネルギーに満ちているんです。そんな街の空気を感じながら、ローカル食堂やカフェを開拓するのが面白く、これもベトナムだからこその経験だと思っています。

ベトナムの首都、ハノイにて。路上席で食べたブンチャー(お肉のつけ麺)は絶品!

CAREER MARKの存在に救われた

ーすっかり専業主婦として日々の生活を満喫出来ているんですね。もやもやしたりすることはないですか?

もちろんあります。例えば、お金の使い方についてとかでしょうか。
以前、ベトナムで仲良くなった駐在妻のお友だちに泊りがけの旅行に誘われたのですが、家を空けることや費用のことで夫に申し訳ない気持ちになって、結局旅行には行きませんでした。自分で稼いだお金だったらなんの引け目もなく使えるのに、やはり夫のお金だと申し訳なく思ってしまうんですよね。
本帰国後の再就職のことや、自分自身のキャリアのことを考えてもやもやすることもあります。そういうもやもやはCAREER MARK主催のセミナーで情報収集したり、座談会で帯同家族として同じ境遇にいる世界中の駐在妻の方々と話すことで気持ちを整理したりしています。

ーCAREER MARKのインターン活動はいかがですか?

「今を楽しもう」という自分の心境に繋がるモチベーションになっています。応募するか締切ぎりぎりまで悩んでいたのですが、あの時応募した自分にありがとう、今はそんな気持ちでいます。私自身がCAREER MARKの存在に救われた一人の駐在妻だからこそ、これからCAREER MARKを知る人にも同じようにCAREER MARKが心強い存在になってもらえるような活動をしていきたいです。

ベトナムの人気ビーチリゾート、ニャチャンの日の出。
日中は暑すぎるため、日の出前から海で遊ぶのがベトナム流!

あとがき

「自分の人生を降りた」気持ちで帯同生活をスタートさせたちひろさんですが、先日「"おひとり様駐在妻"の過ごし方」をテーマに講師をしてくれました。「緊張する」と話していましたが、いかにひとり時間を充実させるか、ご自身の経験や持っている情報を余すことなく伝えてくれました。何より講師をしているちひろさんの表情がとても活き活きしていて、自分の人生を歩んでいる人の顔つきでした。そして、ベトナムでの生活を「攻め」ているからこその情報ばかりでした。

インタビューは、駐在帯同という出来事をきっかけに1人の女性が大きく変化するダイナミズムを肌で感じると共に、私も自分の人生をもっと攻めて楽しんでいきたい、そう思えるとても刺激的な時間でした。
いつもさりげない一言でインターン同期に寄り添って共感してくれるちひろさんとインターン同期として出逢い、仲良くなれてとても嬉しいです!
ありがとうございました。

インタビュー・文:
CAREER MARK 第7期インターン 板垣 佐保子

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