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駐在妻インターンってどんな人?【第7期vol.2 みのりさん(ブータン在住)】

2023年3月、第7期インターンではメキシコ、ブータン、ベトナム、インドネシアから参加の駐在妻が加わりました。7期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー第2弾は、2022年4月からブータンに駐在帯同中のみのりさんのご紹介です。

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【みのりさん/お仕事プロフィール】
新卒で地方銀行に就職。2年間の勤務の後、青年海外協力隊員としてフィジーに派遣されサイクロン孤児の教育支援に携わる。帰国後は国立青少年自然の家に勤務し、2022年4月よりブータン王国へ帯同。


ずっと「人のためになる仕事」がしたかった

ー駐在帯同前には青年海外協力隊としても活動したことのあるみのりさん。銀行を退職して入隊した経緯を教えてください。

もともといつかは青年海外協力隊で、という気持ちがずっとあったんです。
学生時代は教員になろうと、大学で教職免許を取得しました。ただ教職課程で学んでいくうちに、自分が理想とする先生になるのは難しいのでは?とも感じていたんです。どうしても授業のスピードについていけない生徒もいたり、クラスになじめない生徒もいたり…教師として、すべての生徒が誰も取り残されないように授業やクラスをマネジメントするのはこんなにも大変なのだと痛感しました。

教職には就かず、「人のためになる仕事がしたい」という思いから地方銀行に就職しました。銀行では融資業務を担当していたのですが、だんだん「ここにいても人のためになる仕事はできない…」と感じるようになったんです。「お金に困っているからローンを組みたい」とご高齢のお客様にご相談をいただいたのですが、お断りをせざるを得なくて…その時に見たお客様の苦労が刻み込まれた手がずっと忘れられなくて。
ビジネスである以上、ボランティアで人を救うわけではないんだ…と現場で改めて感じました。その時に、ちょうど青年海外協力隊でフィジーの教育支援分野での募集が出たんです。


トンサゾンにて。
ブータンの女性の守り神であるペルデンラモ(マハカリ)に捧げるお祭りです

ー学生の頃から「人のためになる仕事がしたい」という思いがずっとあったんですね!


大学生の時にホームステイでフィジーに行ったのですが、ちょうどその時にサイクロンが直撃したんです。100年に1度ともいわれる巨大なサイクロンで、当時甚大な被害が出ました。電気も水道も使えず止まったまま、復旧のメドがたたない状況におかれ、毎日の食糧を確保するのに必死でした。

…でも、ホストファミリーや近所の人々が私のことを家族の一員として、私の分の食糧まで確保しようとくれたんです。自分たちも毎日生きるだけでも大変なのに、外国から来た他人の私のためにこんなに良くしてくれるなんて…。いつか必ずフィジーの人々のために恩返ししたいと思うようになりました。
なので、銀行で働いているときに青年海外協力隊でフィジーの募集が掲載された時、「これだ!」と思ったんです。しかも、活動内容があの時のサイクロンによる孤児への教育支援も含まれていたんです。ちょうど銀行での仕事に限界を感じていた時だったので、これは行くしかない!と思って応募しました。


フィジー ナナヌイラ島の景色。今も手つかずの自然が残っています。

ー念願の青年海外協力隊への入隊、しかもずっと恩返しをしたかったフィジーでの活動…。フィジーとの縁を感じますね。


実際の業務では、現地で活動するNGOの活動を継続するために資金集めに奔走することが多かったです。銀行でビジネスという限界を感じていたのに、ここでも、お金は切り離せないんだ…とモヤモヤしたこともあります。

フィジーの人々のために働けているのか?と疑問に思うこともありましたが、NGOの活動を存続させることが目の前の困っている親子を助けることができると思って頑張れました。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大により一斉退避を命じられ、ほとんど着の身着のままの状態で帰国せざるを得ませんでした。活動を中断したまま帰国したので本当に残念です。またいつか必ずフィジーには行きたいと思っています。

首都郊外の街、ラミの公園にて。野球があまりポピュラーではないフィジーでは、
初めてグローブをはめた!という子どもたちも少なくありません。

「自分は夫の付随物にすぎない」もやもや

ーみのりさんの決断力と、自分の信念に従って行動できる力がすごい…!ブータン王国への帯同についての不安はありましたか?

不安がなかったわけではありません。
コロナ禍で社会全体が不安な状況のなかで、ブータンへの赴任がきっかけとなり夫にプロポーズされた時は本当に悩みました。夫は学生の頃からブータンが大好きで、ブータンのために働くのが夢だということも知っていたのですが、フィジーからの帰国後に就職した仕事もとても楽しかったので、最後の最後までついていくかどうか悩んでいました。

ーせっかく仕事が楽しく感じられていたタイミングで帯同、難しい決断ですね…。

はい。でも、自分で「帯同しよう」と決断しました。
地理的にも遠くコロナ禍も相まって簡単には会えない状況であること、夫が大好きなブータンという国をこの目で見てみたい!という思いもあること、なにより、自分の人生を広げられる、選択肢や可能性を広げられると思って帯同する決断をしました。


タシチョゾンでのティンプーツェチュの様子。首都ティンプーで年に1度行われるお祭りです

ーブータンでの暮らしはいかがですか?

日本とは何もかもが違っていて面白いです!特に不自由を感じず生活できていますが、日本には帰りたくなります。(笑)
ただ、在住日本人のコミュニティが限られているので、外との繋がりが欲しいと思うようになり自分なりに活動を始めてみました。
ブータンでの映画製作に協力し(ブータンで女優デビューしました!)、
もっとブータンのことを知ってほしい、コロナ禍で観光客が激減したブータンのためにできることはないか…とYouTubeも始めました。

ーブータンで早速色々なことにチャレンジしているんですね!


ただ、このブータンでの生活が、日本で再就職活動をする際にはブランクとしてみなされることに焦りも覚えていました。
また、「自分は夫の付随物にすぎない…」とモヤモヤすることも増えました。ブータンの首都・ティンプーに住んでいるのですが、ブータンの制度上ティンプーから違う都市に私ひとりでは行くことができず、夫がいないと遠出できないんです。夫の収入に依存せざるを得ない暮らしにもモヤモヤしていました。
仕事がしたいなあ、人にありがとうと言われるような働きがしたいなあ…と思っていた時にCAREER MARKに出会い、インターンを募集していることを知りました。自分の経験が活かされる、履歴書の空白が埋められる…そう思って応募してみました。

世界一辛いと言われているブータン料理。
干し肉の唐辛子炒めと、きのこと唐辛子のチーズ煮込みは絶品!

チームの一員だからこそ輝ける自分に出会った

ー帯同時ならではの悩みに加え、ブータンならではの事情もあるんですね…。CAREER MARKに実際インターンとして参加していかがですか?

心から参加出来てよかったと思っています!
ちょうど映画製作の協力も終わったタイミングで、「日本に帰国してもスムーズに適応できるように、リハビリ期間を作ろう」と考えていました。CAREER MARKの他に日本企業のインターンにも申し込んでいたんですが、「ブータンで働けるシステム環境が用意できない」と断られました。
でもCAREER MARKは「一緒にやりませんか」と言ってもらえて、本当に嬉しかったです!

あと、CAREER MARKのインターンを通して出会った方々が本当に素晴らしくて…。私は自分のことを「ひとりでは輝けない、チームの一員として初めて活かされる」というタイプだと思っているので、だからこそ「もっと私も頑張ろう!」「この人たちと一緒にやりたい!」というモチベーションに繋がりました。特にインターンの同期とは、直接会ったこともないのにこんなに近い距離感で一緒に仕事ができるのが本当に嬉しいです。

ーCAREER MARKのインターンが、みのりさんの今のモチベーションになっていると伺えてすごく嬉しいです!!
最後に、みのりさんの「今後の目標」はありますか?

私は常々、「何歳になってもチャレンジしたい!と思ったことにチャレンジできる自分でいたい」と思っています。だからこそ、今“くすんでいる”状態の自分がとても歯がゆくて…。ブータンで快適な生活ができている分、挑戦したい!と思えることが今見つけられていないんです。
ブータンでの生活は続きますが、チャレンジしたいことをまた見つけていきたいと思っています。

あとがき

みのりさんはいつも、他のメンバーや周囲をよく見ながら動く、まさに「副学級委員長」的存在!そんなみのりさんへのインタビューをしているうちに、どんどんと彼女の思慮深さ、興味の深さ、他者への愛情深さに気付かされました。「人のためになる仕事がしたい」という思いを曲げずにチャレンジし続けてきたから、今のみのりさんがいるのだなと思えました。

私は帯同時、自分が築いてきた「これまでの安定した生活」を壊すのが怖かったのですが、みのりさんに「行ったことのない国へ帯同するのは怖くはなかったですか?」と聞いたところ「もちろんモヤモヤしたこともあったけど怖くはなかった。『今しかできないこと』ができるから、ブータンに行くのが楽しみだった」と語っていたのが印象的でした。

常に自分の信念にしたがってチャレンジし続けるみのりさんと、インターン同期として出会えて本当に光栄です!
ありがとうございました。

チベット仏教の聖地として知られているタクツァン僧院。麓からは約3時間のハイキングで到着します

インタビュー・文:
CAREER MARK 第7期インターン 近藤 千裕

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