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駐在妻インターンってどんな人?【第9期vol.4 りささん(ノルウェー在住)】

2024年2月、第9期インターンではノルウェー、ベトナム、アメリカ、インドネシア、オーストラリアから参加の駐在妻が加わりました。9期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー第4弾は、2021年11月からノルウェーに駐在帯同中のりささんのご紹介です。

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【りささん/お仕事プロフィール】
大学卒業後、税理士事務所に3年間入所。月次決算から税務申告まで一連の経理を経験。その後、上場企業の経理子会社へ転職。連結決算、開示、事業再編・M&A・新会計基準対応、プロジェクト管理会計、業務改善等を担当。2021年11月、夫の海外駐在に家族で帯同するため、10年以上務めた会社を退職。同月から、ノルウェー西海岸で田舎暮らしがはじまる。ノルウェー生活開始後、地域社会と繋がりたい思いで、ノルウェー語を勉強し、現地幼稚園で3カ月のインターンシップにも挑戦。

目次


はじめに

ミーティングの際は、いつも皆の話しをよく聞いて、あいづちやフィードバックをくれる温かいお姉さん的存在のりささん。時々天然キャラも飛び出すなど、気さくで人間味あふれるりささんですが、このインタビューを通じて、自分を冷静に客観視し、さらなる高みを目指しつづける向上心の高さも持ち合わせていることが分かりました。そんな魅力溢れる、「りささんのストーリー」をお楽しみください。

専門職への憧れ

経歴を見ると、ずっと経理畑にいらっしゃったことが分かります。帯同に至るまでの仕事について教えてください。

近くに住むおばが、税理士として自分の事務所を持って働いているのを小さい頃から見ていました。専門的知識を活かして社会に貢献している姿に、ぼんやりと憧れを抱いていたんです。それで大学進学の際に会計に関わる学科を選んだところから、私の経理人生が始まりました。

大学卒業後、税理士事務所に入り、税理士の資格を取るために勉強しながら働きました。規模の小さいクライアントが多かった分、会計税務を一通り経験することができた反面、外部委託で業務を請け負っていた自分たちの税務顧問料のコスト高が目につき、本質的に「企業を救う」という感覚が持てなかったんです。また、海外からのクライアントも増えてきたため、会計知識と英語力を身に着けることが、自分の大きな強みになると考え、英文会計の勉強も始めました。
そしてこれらを活かすため、国際的に活躍する上場企業の経理を担う会社に転職をしました。

会社を長期的に支える縁の下の力持ち

経理と一言に行っても様々な形があるんですね。転職先についてもう少し教えてください。

育休期間も含めて約12年間勤めました。上場企業である親会社の主計部へ出向し、会計データのチェックから決算業務、開示資料作成、新規投資プロジェクト対応のほか、経営的な立場から組織のコスト削減のために業務改善することが任務でした。会社の未来を見据えた仕組み作りに携われたことが、大きなやりがいでした。長く使われていくものを作っていくことが、私の性格には合っているのだと思います。
またフレックス制度や時短制度を活用することで、子育てとの両立もできており、不満はなかったものの、「残りの仕事人生も今の積み重ねでいいのかな」とただならぬ不安を感じていました。

朝保育園へ送って、9時17時で働いて、帰ったらご飯を作って寝かしつけて…その繰り返しの毎日。目の前にあるタスクをこなすことに精一杯で、自分のあり方やキャリアについて考えることってなかなかできないですよね。

はい。そんなもやもやを感じ始めたころに、夫の海外駐在の話が来ました。いつかはあると思っていたし、家族がバラバラになることは考えていなかったので、退職することに迷いはありませんでした。


雄大な自然を近所で見ることができます。車を停めて、気軽にウォーキング、ジョギングをする地元民も多いです。

駐在帯同で一旦リセット!

潔い決断だったんですね。ノルウェーで住んでいる町はどんなところですか?
日本人が4家族しか住んでいない小さな町です(笑)
学生の頃に短期ですが海外に住んだ経験があったり、バックパッカーをしたりしていたので、海外移住には抵抗がありませんでした。強いて言えば寒いのはやだな、というくらいで(笑)でも実際に住んでみると、子どもたちが寒い中でたとえ雨が降っていたとしても、防寒対策をして元気よく遊ぶ姿を見て、寒さに対する考えが変わりました。備えがあれば、怖くない。物ごとは、やり方、考え方次第だと、学びました。

帯同生活の始めは、その土地に慣れるのにいっぱいいっぱいでしたが、子どもたちが幼稚園でがんばっている姿を見て、「何か新しいことに挑戦したい!」と思うようになりました。
そして自治体が運営するノルウェー語の語学教室に通い始めました。


自宅の窓からの景色。ノルウェーの空は、いろいろな表情を見せてくれます。また、お天気が急変することがあり、雨が降ったかと思えば、直後に青空になったりするため、虹を見る機会が多いです。

語学勉強で気付いた自分の軸

お子さんたちの頑張る姿に背中を押されたのですね。私自身も、子どもがインターナショナルスクールで頑張っているのに、自分だけが家でヒマしているのが申し訳なくて、習い事を始めた口です(笑)

きっかけをくれた子どもたちには感謝しています。語学学校にはノルウェーで仕事を見つけるために学ぶ人が多く参加していました。実は語学を学んだ先に、趣味のパン教室をやることを目標に掲げていたんです。しかし勉強していくうちに、様々な人や社会とつながれることが楽しみであり、自分の原動力になっていることに気が付きました。パン作りが好きなことは確かなのですが、日本で子育てと仕事の合間の”息抜き”だからよかったんだと気が付いて。駐在帯同の方の中には、人との交流に後ろ向きの人も多いと聞く中で、このマインドは、自分の帯同生活を勇気づける自信にできる!と気付きました。そこからは語学に対して一気にエンジンがかかり、永住権を取れるレベルの検定まで受かることができました。

”駐在妻”の固定概念

ノルウェー語は「社会とつながる」という自分の欲求を満たすためのツールだったんですね。そうだとしても永住権レベルまで突き詰められるりささんのストイックさには、尊敬しかないです。

でも実は語学試験の際、一番みじめな思いをしたんです。試験合格に向かってまっしぐらに勉強してきたのですが、いざスピーキング試験の場では、相手が自分に対して歩調を合わせてくれているのがなんとも悔しく、情けなく思えてしまって。ものすごく落ち込みました。(苦笑)
試験には無事合格できたのですが、結果よりも、自分には「新しいことへ挑戦する気概があること、それが好きなんだということ」に気付けたことのほうが、自分にとっては意味深かったです。これがきっかけで帰国後のキャリアについても考えるようになりました。

次々と挑戦していく中で、自分の「好き」を見つけることができたのですね。現地でインターンにも挑戦していたとか。

ある時語学を使って社会とつながりたい、と友人に相談したんです。すると友人が人脈を活かして、現地の幼稚園でのインターンの道を開いてくれました。駐在帯同した当初は、現地で仕事をすることなんて考えもしなかった。無意識のうちに駐在妻の限界を決めてしまっていたんです。
いざインターンを始めてみると、園児の成長に携わることを通じて、”仕事”をすることで得られるやりがいや、社会とつながって役に立てている実感に充実感を得ることができました。何事も行動してみることの重要性にも改めて気付かされました。
同時に、”仕事”と捉えることでの物足りなさもぬぐい切れず、自分が仕事を通じて成し遂げたいことは「組織として皆で一緒に何かを達成すること」なんだと考えるようにもなりました。

冬(12月)午後3時半の風景。まもなく日没です。(子どもは、そり遊びをしています。)夏は日が長く、夜10時まで明るいです。

再就職に向けた準備

駐在帯同中の行動を通じて、自然と帰国後のキャリアを考える事ができていた素晴らしいエピソードですね。必要なスキルを身に付け、どんな組織で働きたいかイメージできていれば、もう準備はできているように感じてしまいます。それでも止まらないりささん。その成長意欲の高さには頭が下がります。次に挑戦されたことは何だったのでしょうか。

私はこの駐在妻として得た「多少の苦労を追っても新しいことに挑戦することが好き」だという気付きと、現地友人に道を開いてもらい、助けられたという思いから、自分自身も新しいことに挑戦しながら、企業の新しい挑戦や成長を支援したり、「道を開きたい」という思いが芽生えていきました。経理の経験を活かして、この思いを実現できないかと考えていたとき、IPO(新規上場)準備の経理という仕事があることを思い出しました。上場を目指す企業を経理の立場から支援し、上場に向けた業務設計をしていくため、前職でやりがいと感じていた仕組み作りもできて、私に向いている仕事だと思ったんです。本帰国の時期が見えてきたこともあり、一時帰国時にIPO実務検定の資格を取得し、あとは細々と再就職活動に関する情報収集を始めようと思っていました。
でも、とあるオンラインコミュニティに参加したとき、そこには何かの資格を得るだけでなく、その資格を使って実践的にセミナーや教室などで経験を積んでいる人がたくさんいて。その姿がまぶしすぎて、胸を張って「今後、自分はこれがやりたい」と言えない自分がいました。やりたいことを確信を持って言うためには、実践的な経験を通して、気持ちを確かめる必要があると気が付いたんです。

そんな時に見つけたのがCAREER MARKのインターンだったんですね。
りささんにとってどのような部分が魅力的だったのでしょうか。

成長期の企業を支援したい思いがあったため、CAREER MARKが成長中の企業であった点、さらに企業向け広報チームでの認知拡大活動を通じて、人材紹介先企業を増やすことで、駐在妻の道を開く支援ができる点が自分にぴったりだったんです。実際にやってみて、企業向け広報は新しく結成されたチームで、作り上げていく段階のため、CAREER MARKの経営層と一緒に活動する機会が多くとても勉強になっています。広報という未経験の分野で、0から1の型を作ることに大変さを感じることもありますが、やりがいもその分大きいように思います。この経験が、今後、成長企業の支援をする際に大きな力になると信じています。

読者へのメッセージ

最後にnoteを読んでくださっている方へメッセージをお願いします。
私は駐在帯同にあたり、一度仕事を離れたことが、今後の人生にとって大きな糧となったように思います。理由は大きく二つあります。
一つ目はワークライフバランスに対する価値観が変化したことです。
日本にいるときは、仕事と子育てに追われて忙しく過ごしていたのですが、目の前にたくさんタスクがあることに、ある意味で満足していました。それはそれで幸せだったんです。
しかしこちらへ来て、子どもの学校関係の友人などと積極的に交流する中で気付いたのが、ノルウェーも共働きが一般的だけれども、日本以上に自分や大人としての時間をとても大事にしている、ということです。日中は女性も男性と同じように会社組織で活躍し、帰宅後はしっかり子育てをこなしている。さらに時には近くに住む両親に子どもを預けて、大人だけのパーティをするなど、親であっても自分を大切に、そして自分自身をご機嫌にする方法を知っているんです。
彼女たちにできるなら、自分もワークライフバランスを叶えられないはずがない!そう思うようになりました。自分は狭い世界しか見れていなかったんだなと思います。
二つ目は自分のワクワクを大切にできるようになったことです。
海外生活では慣れないことばかりで、選択肢も少なく、何をするにも時間を要してしまう。なかなか効率的に過ごすことが難しく、もやもやすることも多いように思います。
一方で、フルタイムで働いているときに比べて比較的時間に余裕があるので、自分の感情と丁寧に向き合えたり、興味や関心を大事にすることができるようにも思います。
そしてワクワクを頼りに進んでいくと、色んな偶然が重なり、想定外のことに出会える可能性が広がるのです。実際、前述した私のノルウェーでの経験は、まさに偶然の重なりによって成り立っているといえます。
なので、帯同中の人や帯同するかしないか迷っている人には、駐在帯同を新しいことに出会う、挑戦できる機会と前向きに捉えることで、有意義に過ごしてほしいと伝えたいです。マインドってとても大事だと思うんです。
つたない経験談ですが、誰かの背中を押すことができていたら嬉しいです。

あとがき

持ち前の明るさで、どんな環境でもポジティブに考え、多くのチャンスをものにしてきたりささん。日常的に大小問わずたくさんの目標を設定し、実行してきたからこそ、落ち込んでも立ち直り、それを次に活かしながら進んでいける真の心の強さを手に入れてきたのだと思います。CAREER MARKインターン同期としてこれからも刺激を与え合える存在でありたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました。

インタビュー・文:
CAREER MARK 第9期インターン 河野 香織
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