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駐在妻インターン生ってどんな人?【第6期vol.1 金井塚希映さん(コートジボワール在住)】

2022年10月より新たに第6期インターンが始まりました。第5期から継続の2名を含め8名、アジア、アフリカ、中東、アメリカと世界中から集まった駐在妻。
第1弾は2022年6月よりコートジボワールに駐在帯同中の金井塚希映(かないづかきえ)さんのご紹介です。
インターン生同士のインタビューは、自身では“普通”だと思っていた経歴や強みを掘り起こし、頑張ってきた軌跡を棚卸しをする機会になっています。インターン生のことを知っていただきながら、皆さんも「自分がインタビューを受けたら」と是非想像しながらお楽しみください。

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【金井塚希映さん/お仕事プロフィール】
新卒で教育系の広告出版社に入社し、営業とDTPデザインに従事。その後、翻訳会社で制作デザインマネージャーを経験。2011年より配偶者の海外駐在に家族で帯同する。2011〜2017年ウガンダ、2018〜2022年ケニア、2022年6月よりコートジボワール。


11年以上続くアフリカ生活のはじまり

ーーコートジボワールは希映さんにとって3カ国目の駐在帯同地ですよね。まだ半年も経っていませんが、いかがですか?

先日、ケニアからの船便が届いたばかりです。3カ国目ともなると、引越しや生活の立ち上げも慣れてきました。というよりも、まず「自分の思うようにいかない」という前提で臨めるようになりました。最初からスムーズにいくことを期待しなくなったというか。何が起こってもいちいち落胆せず心を平穏に保てるようになりました。

ーーさすがですね。1カ国目のウガンダ駐在が決まった時はどんな想いでしたか?

もともと主人は海外で仕事をしたいという思いがありましたし、私も大学で国際開発を専攻していたので、帯同に対しては前向きでした。でも自分は専業主婦には向いていないのでは、という不安があり、海外でも働けるように日本語教師の資格を取りました。ちょうどそのタイミングで妊娠・出産もしました。

ーー帯同前から先を見越して、資格を取得するなんて素晴らしい!

日本語教師以外にも選択肢があったのかもしれないですが、当時はそれしか思いつかず。

ーーウガンダに行ってからの生活はどうでしたか?

最初の頃は、初めての育児と慣れないアフリカ生活にいっぱいいっぱいで。小さな子どもと一緒に行く場所もなく、予定もない状態がショックでした。留学経験もあったので、異文化への対応はできていたのですが、子どもが生まれてから生活が変わり、自分が親であることに慣れることに必死でした。
ナニーさんがいてくれたのに、私はナニーさんといえども他人に子どもを預けるのが心配で、あまり預けられませんでした。(笑)

ラグーンを行き交う観光ボート。奥にはコンテナクレーンの姿も。

全力で打ち込んだ、外での活動

ーーそんな中、日本語教師としての活動などはできましたか?

育児にも慣れ、生活も楽しめるようになってようやく意識が外に向くようになり、ウガンダ生活の最後2、3年は外で活動することができました。
日本語補習校の立ち上げにも参画し、日本語教師として子ども達に日本語を教えていました。
また、当時未就園児の息子が参加していたプレイグループの代表を引き継ぐことになったんです。代表の方が来月からいなくなるから「じゃあ後は、KIEよろしく!」という感じでした。(笑)
(プレイグループ:未就園児達が先生と一緒にグループで遊ぶ活動)

ーーいきなりですね(笑)具体的にどんなことを?

子ども達との遊びの計画や準備、備品の購入、保護者とのやりとり、先生の雇用や経費の管理など本当にいろいろなことをやっていました。最初は戸惑いましたが、保護者からの要望や問い合わせに真摯に対応していたんです。すると、すごくいいプレイグループがあると口コミで広がり、最初は先生1人・スタッフ1人に数人の子ども達だったのが、先生5人にスタッフ2人・子ども25人以上・3拠点に展開する大所帯に成長しました。

ーーきめ細やかな対応がよかったんですね。

特別なことをしたつもりはなく、本当に1つ1つ取りこぼさないように真面目に対応したというか。日本人なら誰でもできることだったと思います。
ウガンダ人の先生達の雇用の場を作り出せたことが嬉しかったし、自分達で繋がったメンバーで働けるのも楽しかったです。

ーーその後は、ケニアに引越しされましたが、どうでしたか?

ウガンダのお隣の国だし、大都会というイメージがあったので何も心配していませんでした。実際、ナイロビのスーパーに並ぶたくさんの商品を見て「ケニアは何でもありますね!」と言って、他の駐在妻さん達を困惑させてしまったこともあります。(笑)
日本人のサークル活動も盛んで、ヨガ、フラワーアレンジメント、活け花、茶道などやりたいことで時間が足りないほどでした。
ケニアの日本語教師会に所属して日本語能力検定試験やイベントの運営企画に携わったり、日本人会婦人部の幹部として、コミュニティの活動も経験したりしました。

自分が本当にしたいことに気付いた瞬間

ーー子育てがある上に、地域やコミュニティに貢献しようという希映さんのバイタリティ、ただただ尊敬です。

全部心から楽しんでやっていたし、色々頑張ってきたなと思う一方で、この頃から自分の心境に変化がありました。日本語教師やいろいろな活動をボランティアでしながら、どこかモヤモヤしていた気持ちがあって。

そんな中、去年キャリアデザインについて考えたことがきっかけで、「自分は“お金をもらって働く”ことにこだわりがあった、でも駐在帯同中で働けないからモヤモヤしていたんだ」ということに気付いたんです。お金は、“ありがとうの対価”、“社会からの目に見える価値=自分の価値”みたいに思っていたんです。その本音に自分でも気付いていなかったけれど。
でも「働いても働けなくても自分が本当にしたいこと・できることをすればいい」、「私はそのままの私でいいじゃない」と心から思えるようになりました。

ーーありのままの自分を受け入れられたっていうことですね。

私はポジティブな性格なのですが、ポジティブが強すぎる故に、本当は苦しかったりモヤモヤしたりしているのに、「ううん、そんなことない。私は大丈夫!」と思ってしまっていたんです。ネガティブな部分に蓋をしていたというか。外で活動し、頑張ることでモヤモヤを埋めようとしていたのだけど、自分の中のネガティブをやっと認めることができました。

ーーキャリアデザインについて考えようと思ったきっかけは何だったのですか?

ちょうど1年前くらい、働けないことや終わりの見えない帯同生活にすごくモヤモヤしていたので、主人の駐在帯同という形ではなく、自分で就労ビザを取って働こうと決心したんです。

ーー!?

それで、日本語教師としての雇用を目指して、日本語教師の勉強会に参加したんです。まず「どんな日本語教師になりたいか自分を振り返りましょう」ということで、そこでキャリアデザインに出会い、自分の気持ちや過去を振り返りました。

ーー働こうとして出会ったキャリアデザインで、別にお金をもらって働くことにこだわらなくてもいいんだと気付いたっていうことですね。

そうです。(笑)「お金をもらって働く」ことへの執着を手放すことができました。だから日本語教師として現地雇用されるキャリアではなく、自分の意思で生活環境を選べなくてモヤモヤしている人、駐在妻や転勤族で悩んでる人、そういう人達の手助けをしたいなと思うようになり、キャリアデザイン認定講師の資格を取りました。

種類豊富な魚をグリルに。付け合わせには、アチェケ(発酵させたキャッサバから作る)と
アロコ(調理用バナナを揚げたもの)、辛いピーマンソースが欠かせない。

CAREER MARKとの出会い

ーーCAREER MARKとの出会いや、インターンに応募したきっかけはどんなことでしたか?

キャリアデザイナーとしての私が一番寄り添えるのは、駐在妻だと思ったんです。インターネットで「キャリア 駐妻」と検索したらCAREER MARKに辿り着きました。そのタイミングでちょうど第6期インターンの募集をしていることを知ったんです。私は「キャリアにこだわらず、働かないという選択肢も視野に入れた上で、全ての人が自分らしい人生を送れるような手助けがしたい」と思っていて。その想いをそのままインターン募集時に伝えて採用してもらえたことが嬉しかったです。

キャリアデザイナーとしての今後の夢

ーーキャリアデザイナーとして駐在妻さんに伝えたいことは?

CAREER MARKに関心を持って下さる方達は、意識が高く「仕事も子育ても頑張りたい!」とエネルギーに溢れる方が多いと思いますが、一度立ち止まって「それは本当にやりたいこと?」と自分の心に聞いてみることが大事だと私は思っています。私も日本語教師に関しては、本当にやりたかったことというよりも、資格を持っているから・できるから・この資格を使って…というようなことを考えていた気がします。

ーー自分のできることを色々組み合わせて結論を出すよりも、一度ゼロベースで考えてみることが大事なんですね。

まさにそう思います。

ーー今後の夢は?

キャリアデザイナーとして多くの人が自分のやりたいことに気付いたり、自己肯定感が上がったり、ビジョンが明確になるお手伝いをしていきたいと思っています。

そして大前提にあるのが、自分を大事にすること。自分が満たされていないと、周りの人をハッピーにしてあげられないと思っているので、自分を大切にして幸せでいながらそれを周りにも広げていけるようになりたいです。
家で猫を飼っているのですが、ただいてくれるだけで可愛くて、存在がありがたいというか。「がんばらなくていい、いてくれるだけでいい」、私もそれくらいゆったりとした存在を目指したいです。(笑)

人々は風を感じ海を眺めながら休日を過ごす。

あとがき

希映さんの持つ明るくあたたかい雰囲気に包まれながらのインタビューでした。10年以上続くアフリカ生活の中で、外で精力的に活動されていたことにも驚きましたが、その活動を経て、自分の内側に向き合い、ありのままの自分を受け入れることの大切さに気付いた希映さん。ご自身のこれまでの葛藤や経験があったからこそ、人の気持ちに寄り添えるキャリアデザイナーとしてご活躍されると信じています。私もキャリアデザインをお願いしたい!ありがとうございました。

インタビュー・文:
CAREER MARK 第6期インターン 齊藤紀子 

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