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駐在妻インターンってどんな人?【第9期vol.3 はなえさん(アメリカ在住)】

2024年2月、第9期インターンではアメリカ、ノルウェー、インドネシア、ベトナム、オーストラリアから参加の駐在妻が加わりました。9期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー第3弾は、2022年12月からアメリカに駐在帯同中のはなえさんのご紹介です。

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【はなえさん/お仕事プロフィール】
新卒でエネルギー企業に入社。法人営業を3年間経験後、営業業務アウトソースのためのBPRプロジェクト主担当として2年間従事。その後、営業企画として法人向けの新サービスの企画や既存サービスの販売促進企画の立案から実行までを2年間担当。夫の駐在と出産が重なったため、出産後に育児休暇(以後、育休)を取得した状態で2022年12月よりアメリカへ帯同。


はじめに

落ち着いていて、話しやすい雰囲気を身にまとうはなえさん。話し方も同様に穏やかですが、その内面は一本筋が通っていて、自分のキャリアも家族との生活も大事にしたいという強い意志を感じるものでした。置かれた状況で挑戦し続けるはなえさんのストーリーを、ぜひお楽しみください。

自然豊かな郊外と異なり、シカゴのダウンタウンは高層ビルが立ち並ぶ大都会です。

就活の軸は「人の生活に関わる仕事」

新卒で入社したエネルギー企業でのお仕事について聞かせてください。インフラ系の会社を選んだのはなぜですか?

もともと、「人の生活に関わる仕事がしたい」という思いがありました。その中でも日常生活に密接する商材やサービスを扱う企業に興味を持ち、就職活動ではエネルギー業界だけでなく、日用品や食品、鉄道や航空業界についても調べました。大学で勉強してきた理系の知識が活かせそうというのと、BtoCの商材やサービスのほうが、届ける人をイメージしやすかったからです。
現職は、エネルギーも毎日の生活に欠かせないインフラであることに加え、社内の雰囲気がよく、社員一人ひとりが仕事と真摯に向き合っていることを強く感じたため、入社を決めました。

新卒の就職活動時からすでに、「人の生活に関わる仕事がしたい」という1本の軸があったのですね。すごいです!

着々と経験を重ねた7年間

入社後は具体的にどのような業務を担当したのですか?印象深いエピソードがあれば、あわせて教えてください。

入社後は3年間、法人営業を担当しました。
印象的な出来事は、前任者との間でトラブルがあり、関係が悪くなっていた顧客を入社1年目から担当したことです。まずはお客さまとの関係を修復することを第一に考え、お客さまとコミュニケーションをとる際は、些細なことでも顔を合わせて話すよう心がけました。スキルも経験もない1年目の自分にできることは、これしかないと思ったからです。そのかいもあってか、少しずつお客さまが心を開いてくれるようになったときはすごく嬉しかったです。また、お客さまから要望を聞き出し、可能な限り応える姿勢を持ち続けました。この積み重ねにより、一度は白紙になった商談でしたが、予定通りの受注を獲得することができました。
私は入社当時、人前で話すことが苦手だったので、「営業は話上手な人が向いている」「自分に営業なんて絶対に無理だ」と思っていました。ですが、営業に求められるのは話す力だけでなく、お客さまと真摯に向き合う誠実さやお客さまの要望やニーズを聞き出す力だと学びました。

はなえさんの誠実な対応がお客さんの気持ちを和らげ、関係修復につながったのですね。はなえさんの人柄がよく伝わってくるエピソードです。
その後はどのような業務を経験しましたか。

同じ営業の部署の中で、営業支援の業務を2年間担当しました。
部署内で営業の人数を減らすという話が浮上したため、少人数で仕事を回せるよう、効率化や業務委託を推進するプロジェクトに参加しました。当初は営業経験のない人がプロジェクトを取り仕切っていたこともあり、情報整理をしないまま業務を外部委託していたため、委託先で業務が回らず、プロジェクトが失敗しかけているという状況でした。
そこで、営業経験者である私が、立て直しプロジェクトの主担当となりました。既存の業務を洗い出し、「見える化」することから着手したことで、業務委託可否の判断基準を作ることができました。また、人の数だけあった営業のやり方を1つに統一したうえで、委託先に対してその方法を伝える研修機会を設けたことにより、確実に業務を引き継ぐフローを確立しました。

プロジェクトが軌道に乗るのを見届けたあと、休職前最後の2年間は、営業企画の部署で働きました。
営業が扱う商材の販売戦略を立てたり市場調査を行ったり、営業実績を管理する部署でしたが、新サービスの発案なども行う、営業企画とマーケティングが合わさったような業務内容でした。

はなえさんの堅実な仕事ぶりが伝わってきます。前の部署での経験を活かし、社内で着実にキャリアを積んでいっている印象です。
今は育休中ということで、いずれ復職することになると思います。今後同じ会社で働き続けるうえでどうしていきたいか、何か展望があれば教えてください。

直近の所属部署で新サービスについて検討する機会がありましたが、ゼロベースから新しいものを生み出すのはすごく大変でした。幅広い知識が必要とされますし、いざスタートさせてもなかなかうまくいかないことがほとんどでした。ですが、いろいろな部署の人たちと連携しながらアイディアを出し合って新サービスを作り上げていく過程は、今までまったく経験したことがなかったので、学びも多くすごく楽しかったです。
ただ、私が所属する部署は新サービスの立ち上げが主力業務ではないため、将来的には新規事業のタネ探しや立ち上げをメインとする部署で仕事をしてみたいという思いは持ち続けており、休職中の今も変わっていません。

ゼロベースから新しいものを生み出す仕事をしてみたいとは、はなえさんにはクリエイティブな一面もあるのですね!
現状で満足せず、新しい分野に挑戦したいという意欲的な姿勢を感じます。

アメリカに住んで変わってきた価値観

自分のキャリアを着々と重ねている中で決まった配偶者のアメリカ赴任。
でも、帯同することに迷いはなかったとか。海外赴任を聞いたときの気持ちを詳しく教えてください。

夫からは事前に、いずれ海外勤務になる可能性が高いと聞いていたので、正直そんなに驚きはなかったです。
駐在帯同するかどうかや帯同のタイミングなどの判断は、子どもの有無でも変わっていたと思います。今回は夫の海外駐在と妊娠出産が重なったため、子どもが小さいうちは家族で一緒に暮らしたいと思い、出産後に帯同することを決めました。幼い頃私も海外で暮らした経験があるので、海外で生活することに抵抗はありませんでした。

アメリカの公園。遊具が充実していて、色もカラフルで子どもは毎日楽しく遊んでいます。

アメリカでの生活はどうですか?

シカゴの郊外に住んでいます。緑が多く、自然豊かな地域です。公園は遊具が充実しており、人々は子どもに優しいため、子育てしやすい環境だと感じます。
また、夏はカラッとしていて過ごしやすく、大きな湖もあるので、日本から家族が遊びに来たときなどは、遊覧船でのツアーを楽しんでいます。ただ、冬が長く、特に12月~2月は₋20℃~₋30℃になるときもあり極寒です。日本の冬が暖かいと感じられるほど(笑)
住んでいて不便を感じることはほとんどありませんが、アメリカは医療制度が複雑で、日本のように気軽にいつでも病院へ行けるわけではないというのは不安ですね。夫は出張で家にいないことが多いため、夫の出張中に私や子どもが倒れでもしたら、と思うと怖いです。

住んでいる地域は日本人が多く、独自のコミュニティができあがっています。日本食スーパーもあり、あまりアメリカに住んでいる感じはしません。
外国人と交流をしなくても生活はできますが、せっかくだしと、家の近くの大学で ※ESL を受講してみました。普段は接点のないいろいろな国の人と交流し、さまざまな国の文化に触れることができて楽しかったです。今はお休みしていますが、機会があればまた通いたいと思っています。

※ESL
English as a Second Languageの略。「第二言語としての英語」という意味だが、ここでは英語を母国語としない人向けの英語講座を指す。

幼いお子さんを伴っての異国での生活。大変だと思いますがしっかり適応し、さらに英語力を磨くため学校にも通うとは!その意欲が素晴らしいです。
海外に住んでみて、人生やキャリアなどの価値観に変化はありましたか?

これまで自分なりにキャリアを積み、楽しく働いてきましたが、いざ海外に来てみると、使えるスキルが何もないことに気がつきました。今まで資格が必要な仕事には興味がなかったのですが、保育士やネイリストの資格を持つ日本人が、アメリカでも子育てをしながら自宅で仕事を請け負っているのを見ると、すごいなぁと感じます。今後また海外で暮らすことになるかもしれないと考えたときに、自分が好き、楽しいと思うことを仕事にしたり、自宅で自分ひとりでできる仕事や資格があれば、また違った生き方が見えてくるのではないかと思うようになりました。

ほかに最近感じていることは、アメリカは「自分は自分」「どうするかは自分の自由」という考え方が根づいている国だな、ということです。アメリカはいろいろな国のさまざまな文化や宗教の移民によって構成されている国で、常識や考え方が人によってまったく違います。その違いを受け入れ、自分の考えを大切にするという価値観が昔から根づいているのかもしれません。
日本で生活していた頃は、「なるべく皆に合わせた方がいい」「皆はどうするのかな?」と、周囲の様子が気になることが多かったですが、誰も気にしていないわけだし、周りがどうであれ私は私がいいと思ったことを選択しようと、少しずつ思えるようになってきました

こういった点は、会社や日本を離れ、考える時間を持てたからこそ、気づけた点です。これまで駐在帯同の期間はブランクであると考えがちでしたが、このように自分と向き合って、さまざまなことについてじっくり考える時間ができたことは、長い人生で見たらよかったとも思えるようになりました。

常に持ち続けているキャリア意識

海外で暮らすようになって、会社や日本を離れなければ考えもしなかった気づきがあったのですね。さまざまなことを考えながら生活をする中で、キャリアに対する意識も持ち続けているとか。

アメリカに渡ってからも、「働きたい」「資格を取るために学校に通いたい」「何か新しいことを始めたい」という思いがありました。子どもが1歳を迎えたあたりから子育てに余裕が出てきたからというのもありますが、日本にいる同期たちが昇進していると聞いて焦る気持ちもあり、その思いは日に日に強くなっていきました。

ビザや夫の会社の規定では妻の就労が認められていますが、私の場合は育休を取得して帯同しているため、私の会社の規定で就労することができません。そもそも、アメリカの保育園はとても高く、働いて収入を得ても丸々保育料として出ていってしまうような状況のため、現地就労は現実的ではありませんでした。

資格については、「英語をブラッシュアップするために留学生が通う学校へ行く」「MBA取得」「米国公認会計士の資格を取る」などいろいろと考え、調べました。ですが結局、魅力的と思える資格を見つけることができませんでした。このときの私は、「今後の自分の仕事に活かせそうな資格」という条件でしか調べていませんでした。

そんなとき、キャリアコンサルタントの資格を持っている友人とオンラインで話す機会がありました。悩みを相談したところ、「自分のキャリアや仕事と関係なく、自分がやってみたいと思うことをやってみたら?」「目標がないことにもやもやしているのでは?」といったアドバイスをもらいました。そこで初めて、「今までの仕事と絡めなくてもいいんだ」と気づくことができたんです。

育休中のお母さんを対象としたインターンも多いと知ってサイトに登録したり、調べていく中で、CAREER MARKに出会いました。

自分をどうスキルアップさせるか、常に考え続けているはなえさんの姿勢を尊敬します。

アメリカではロードトリップも人気で、
シカゴから片道7時間かけてカナダのナイアガラの滝へ行きました。

CAREER MARKインターンで未経験分野に挑戦

さまざまなインターンの選択肢があった中で、CAREER MARKを選んだのはなぜですか。

インターンの募集を行っている企業の説明会に複数参加してみたのですが、一番サービスが魅力的で、企業理念に共感できたのがCAREER MARKでした。インターンをするなら、自分と同じ「駐在妻」を支援でき、かつ理念に共感できる企業を選んだほうが、楽しくてためになるかなと思い、応募してみることにしたんです。
実際にインターンをしてみて、サービス内容が魅力的に感じられ、共感しやすいのは、Instagramの投稿などを当事者である駐在妻が作っているからなのだと理解しました。

SNS運用を担当するチームを希望したのは、今までにやったことのないことをやってみたいと思ったからです。キャリアコンサルタントの友人が言っていた、「全然関係ないことに目を向けてみるといい」という言葉がずっと頭に残っていて。
働けない状況となり、もやもやしていましたが、インターン活動の中で新しいことに挑戦させてもらえるなら、貴重な経験になるに違いないと思ったんです。

なるほど。ご友人からのアドバイスを、さっそく実行してみることにしたのですね!その行動力と素直さが素敵です。
実際に活動を始めてみてどうですか?

子どもが朝から晩までずっと一緒にいる中でインターン活動をするのは、思っていたより大変だなと感じています。
子どもがまだ小さいこともあり、「活動のために子どもと過ごす時間を削ることはしたくない」というのが本音です。しかしインターン活動も、自分がやると決めて始めたこと。やるべきことはわかっているのに、活動に100%の時間や労力を注げないもどかしさ、周りに頼らざるを得ない申し訳なさ・・・バランスを取るのが難しくて。

同じくらいの年齢のお子さんを持つインターンの先輩に相談をし、「自分の中で優先順位を決め、それを軸にどうしていきたいか」「周りに頼ることも覚え、自分ができるものとできないものとを取捨選択しながらやっていく」といったアドバイスをもらいました。どう両立させて取り組んでいくか、今はまだ自分の中で模索中です。

仕事に復帰するときにもきっと同じような壁に直面すると思うので、インターン活動を通して、仕事と育児の両立の仕方について考えるきっかけを作ることができたのはよかったと思っています。

大変そうなのは傍から見ていても伝わってきます。それでも悩みをひとりで抱え込まず、先輩に相談して解決しようとするはなえさん。きっとよいやり方が見つかります!
インターンが終わる頃にどうなっていたいか、イメージはありますか?

帯同生活が始まってから、「自分は家族の犠牲になっている」という気持ちがどうしてもあって・・・夫は海外赴任で着実にキャリアを積んでいる。子どもも周囲と関わるうちに英語を覚え、楽しそうにしている。それに対し、自分には制約があって、やりたいことが思うようにできない。夫にはネガティブな感情ばかりぶつけていたように思います(笑)
インターンでのさまざまな経験を通じて、自分の中にあるそんな負の感情をなくし、先々のキャリアについて前向きに考えられるようになれたらいいなと思っています。また、インターンの先輩や同期には、いろいろな国でたくましく生きている、バイタリティ溢れる駐在妻の方がたくさんいます。そんな方たちからの刺激もたくさん受けながら、この先の駐在帯同生活をもっとポジティブに過ごせるようになりたい、一歩踏み出す勇気を持てるようになりたいとも思っています。
今回インターンに応募し活動を始めたことも、自分の中では一歩を踏み出せた経験であり、勇気を振り絞って応募してよかったなと感じています。

何かひとつ、やってみる!

最後に、このnoteを読んでいる方へ一言お願いします。

私はこれまで何かを始めるとき、「自分の経験を活かし、今までやってきたことと関係することをやらないと!」という気持ちがすごく強かったように思います。そうでないと、仕事に活かせないと思っていたので。でもそんな固定観念にとらわれず、今までのキャリアとはまったく関係のないことでも、やってみたい!と興味を持ったことにどんどん挑戦していくのもいいのかも、と思えるようになりました
実際私はその思いから、CAREER MARKのインターンを始めることができました。この先自分がどうなっていくかはまだわかりませんが、活動を通じていろいろな駐在妻の方と知り合い、その価値観や考え方に触れること自体がよい学びになっています。
人生には、一歩を踏み出してみないと見えないことがたくさんあると思います。踏み出すのはとても勇気のいることですが、まずは今までのキャリアにとらわれず、自分が少しでも気になったことにチャレンジしてみてほしいなと思います。それがどんな経験になるかはわかりませんが、新しい何かにつながるきっかけになるかもしれません。

私のように、何もできない、進歩していない自分が嫌で、もやもやしている人がもしいるのなら・・・何かひとつ、やってみてください!

あとがき

自分のキャリア、家族への思いを率直に語ってくれたはなえさん。
さまざまな葛藤がありながらも、目の前の問題についてじっくり考え、一つひとつ解決していく姿勢に勇気をもらいました。はなえさんと同じような、もやもやとした思いを抱えている人は多いと思います。そのような方々に響くエピソードだったのではないでしょうか。
「何かひとつ、やってみる!」というメッセージには、とても共感できました。私も同じように考え、インターンに挑戦してみることを決めたからです。今後も持ち続けたいマインドです。
インタビュー当時(3月上旬)は、インターン活動と子育ての両立にとても苦労していたはなえさんですが、最近(4月下旬)は工夫を凝らしたSNSの投稿を作成してくれたり、ミーティングでリーダーシップを発揮してくれたりと、とても頼もしい同期です。時間に制約がある中で、一生懸命活動に取り組むはなえさんを、私も見習いたいです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

インタビュー・文:
CAREER MARK 第9期インターン 大久  沙弥子
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