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なぜ今、非認知能力が必要なのか?

こちらは色々な書籍などでも言われていますが、改めてなぜか?を中高生~大学生の就職支援経験を通して、私が感じたことも含めて、考えていきたいと思います。


まずは、データから読み解く

非認知能力の必要性の研究は、シカゴ大のヘックマン教授らの「ペリー幼稚園プログラム」が有名ですが。こちらでは特に幼児期からの人的投資(しつけなどの人格形成、体力や健康などの学力以外も含む)が、将来の年収・就業形態や労働市場の成果に大きく影響することが、データでも明確になっています。しかし学力のIQは8歳前後で、教育を受けていない子ども達と、相違がなくなってくるのに対し、非認知能力はその後の成長に大きく影響しているのです。

では非認知能力とはどんなものなのか?例えば「自分は出来る!!=自己肯定感」であったり、「もう少し頑張ってみる=やりぬく力」であったり、「自分一人ではできないときに、周りに頼る=協働する力」など、社会で活躍するのに必要な力です。

学校ではテストや授業で、「○」や「×」で評価されていたのに対し、一歩社会にでるとどうでしょうか?周りと協働し、難しくても最後までやり抜き、計画性を持ってまたは、出来なかった時にはその課題点を探る、そんなことが必要ではないでしょうか?

自己肯定感は徐々に低くなっている。

ここで文科省のデータを見てみますと、学年が上がるにつれて自己肯定感=自分は出来る!!という力は低くなっているのです。

  

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このデータは非常にショッキングでした。私の末子も小1にして、この自己肯定感が低い状態となっていたのです。また最近では小学校低学年でも自分の良いところは?という質問でも「分からない」と回答するケースもあるようです。中学生になるとその差は歴然としていることが分かると思います。

ここで私の経験から言える事

私のところに相談に来る学生は、就職を希望する学生がほとんどでしたが、その多くが自分が何をしたいのか?将来に不安を感じてる学生が多いように感じました。そして、まさに自己肯定感が低い子や、自分の良いところがうまく言えない学生が多かったのです。しかし企業はどうでしょうか?新卒採用する際は特に、パソコンスキルや、技術よりもコミュニケーション力や継続力がある子など、まさに非認知能力と言われる箇所を面接で見ていきます。私も面接の際に確認するのは、これまでの経験から何を学んだのか?その経験から自分を伝えられるのか?を見ていきますし、そういったこちらの意図を汲んでコミュニケーションが取れるのか?を見ていきます。

非認知能力は育てられる

これらの経験から、非認知能力を身に付けるべきは、就職時に自己分析するだけでは遅いという事です。そして、幼少時期だけでそれ以降は身につかないものでもないという事です。

ここで、教育経済学者の中室牧子教授の「学力の経済学」でも、”非認知能力は成人後まで可能性のあるものも少なくない。”と述べています。

早い段階で身に付けるに越したことはないが、気づいた段階で育てられるということです。実際に、わが子も小1に口癖だった「私はできない」は、小2にでは、出来ない事と出来ることを認識しています。やり抜く力はもう少し継続的な関りが必要だと思いますが、明らかに以前と相違があることは事実です。

学校は非認知能力を身に付ける場

学習方法は色々と形を変えて、学校に求められることも変化してきているように感じますが。私は学校は、一番は非認知能力を身に付ける場と思っています。一度は行けなくなったわが子ですが、非認知能力を身に付ける場として考えれば、色んな周りの資源や、異年齢での取り組み・関わりを学ぶ場として今後はよりその役割が求められるのではないでしょうか?

そのためにも、学校・学校外が協力しあって、子ども達の学ぶ場として「生きる力を育んでいくこと」が急務だと感じます。それは子どもだけではなく、子どもと大人がともに学ぶことで、また大人自身も気づきへと繋がっています。これは、先日のイベント”シゴト小学校”で、社会人講師をした経営者からの言葉で「改めて、会社の存続意義を考えさせられた」との感想を頂いたことでも、確信しました。

最後に、子ども達の非認知能力を身に付ける場として、私に出来る事を早速7月に実施予定です。小学校の先生とコラボ企画し、より多くの方に伝える活動をしていきます(*^^*)