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コロナショックの影響で新卒採用が崩壊しはじめている!?

採用はギャンブル!?

ベンチャーで設立10周年を迎えた経営者さんから、「正社員採用はギャンブルに似ていないかな?」という質問を受けた。

いつもは弱音を吐かない人だっただけに、何かあったと察知した。

「もしかして、採用で失敗しちゃったんですか…」と聞いてしまった。

「そうなんだよね。とあるエージェントさんから紹介をしてもらった人が、試用期間の3ヶ月をもって終了とせざるおえなかったんだよ。」と悔しいのと騙されたという気持ちが複雑に混ざっていたのは間違いない。

しばらく沈黙の間が流れたあと、「傷口に塩を塗るようですが、原因はなにかあったのですか?」と私が質問をした。

「大手企業の出身者で実績も問題ない、人柄も問題ないと思って採用したけど、とんでもない人だった。部下に仕事は丸投げするし、責任は取ろうとしないで逃げまくる、おいしいところだけ一人占めするから、部下たちが信用出来ないから、配置換えをするか、私達が辞めますと言われてしまった」としみじみ答えた。

部下は信頼でき、苦しい時を一緒に踏ん張ってきた人たち。

そしてこの人達がいたから、V字回復をして倒産という危機を免れた経緯があった。

その部下の言うことだから、よっぽどのことだなというのは、話を聞きながら伝わってきた。

その人を採用した自分の責任で会社に亀裂が入ったことを反省して、部下との関係修復に務めた結果、部下の退職を阻止することができた。

その代わりに、新しく採用した人については雇い止めを決めたことについて、自分の判断が正しかったかどうか不安になって話し始めたことであるのが判明した。

大きな問題はこっちだったことはその時は気づかなかった。

「新卒の採用を効率的にやる方法って、何かあるのか?」といきなりのフリだった。

「社長のところは新卒採用の育成は順調に進んでいるんじゃないんですか?
新卒採用は若干名とは言え、他の企業の新卒と比べると育成速度が早いと思いますよ。」と答えた。

「これから支店を東名阪福で出したいと考えているから、新卒を一気に採用したいんだ」という戦略を聞いた。

「今までのやり方では無理があるということですよね。」と探りを入れる質問をした。

「限界を感じているんだよね。今までの方法が正しいというか、ちょっと時代遅れではないかと考えているんだ。」

「そしたら、方法を一緒に考えましょう」と私はそこで答え、後日相談に応じることにした。

食事の席では話をすることではなく、ビジネスの場でないと忘れてしまうからだ。

雇用の崩壊が始まっている

たいていの採用方法というのは、面接、筆記、適性テストというのが、新卒採用でも、中途採用でもやっている方式である。

面接のことをお見合いの場という人もいるけど、面接では自分を大きく見せることはできるし、ウソを付くこともできると言ってもいいだろう。

そのため、相手の期待度が高いところにいく傾向となり、入社してからの実力の無さにガッカリしてしまうことになる。

相手に期待することは報酬につながるので、期待値の仕事をしてくれないとなると、雇い止めの判断もしかたない。

しかし、日本は法律で労働者を守っているところがあるため、無闇矢鱈に解雇権を乱発させることができないのが現状である。

解雇をするには明確な理由が必要であり、誰もが認めるレベルが必要です。

これが次期の通常国会で解決金制度が成立し、施行されることになると、解雇権が乱発される可能性があることは気にしておいてほしい。

企業としても補助金をもらうためには、解雇をすることはよくありません。
補助金を資本金や運転資金にしているところもありますから。

そこで派遣会社や紹介会社を使って、紹介予定派遣を導入したいと思う企業も多い。

しかしこれはコストがかかる上、派遣給与と正社員給与の差が生まれてしまい、最後の最後で逃げられてしまうことも多々あります。

雇用の安定を獲るというのであれば、正社員になることが有利なのですが、稼ぎたいと思うのであれば、派遣社員の方が手取りがいいこともあります。

これは企業人事と派遣の担当者がきちんとすり合わせをしていないことが原因です。

派遣会社の営業も数字を上げるためには、地域の平均相場以上にする必要があり、正社員になる時に給与というのはあまり気にしていない傾向があります。

派遣会社からすると1人の稼働を失うことはかなりのダメージになるからです。

人材エージェントをやっている時に、派遣と紹介をやっていたのでよく分かるのですが、派遣はチャリンチャリンビジネスであり、派遣先、スタッフを増やすことによって、3ヶ月は安定して売上が成立つため、ビジネスになりやすい。

紹介になると急にハードルが上がり、面接を設定しても面接結果に納得が行かないケースも有り、利益率は100%ですが入社するまで2ヶ月まったりすることもザラにあるので、なかなか事業としては成り立ちにくい傾向があるというのが特徴です。

インターンシップが選考過程になる

そこで出てきたのがインターンシップでの採用活動です。

インターンシップとは就業体験ということで、1日、1週間、1ヶ月などと企業がいろいろと試行錯誤をしながらやっている。

選考過程の中にインターンシップ期間を入れるところもあるぐらいです。
インターンシップについては2つの意味があります。

1つは就業体験ということで人事がコンテンツを作り、企業のいいところだけにフォーカスする様にしている。

もう一つは実際に仕事内容を体験しながら、入社式直後に戦力として活躍をしてくれるようにする育成型。

前者のほうが多いというのは事実であり、新卒の面接をしているとインターンシップをどこどこで経験してきました。とか、インターンシップで何社も受けてきました。という学生が多い。
アピールするポイントを間違えていると思ってしまう。

これからの新卒については、インターンシップでの選考と通常の選考の両輪で進んでいくことになるかもしれません。

3年の夏のインターンシップ、秋冬のインターンシップで、ある程度のセレクションをする企業も増えてくるだろう。

学生数は減少しているけど新卒採用をしたい企業が増えている。

需要と供給のバランスが取れていないのが現状である。

景気に左右されてしまうのが雇用市場であり、実際の経済が悪くなってから、6ヶ月後ぐらいに顕著に現れる。

インターンシップが就業体験ではなくなり、セレクションの場になる、またはオーディションの場になることは、これから先の新卒マーケットでは常識になっていくのではないだろうか。


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