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退職者の本音に迫る!実は◯◯が原因だった!?

離職率を下げるためにやっていることは何ですか?

昔の会社にこういう採用担当がいた。
「うちの会社、ネットの掲示板にいろいろ書かれているけど、気にしないでください。辞めた人が書いていることだから、全部消火していたらこっちの身がもたないので」と、初出勤日のオリエンテーションで言われたことを思い出した。

ネットを使っているようで使われている状況にあるのが、就職活動の掲示板であったり、口コミサイトだったりします。
また、転職者用の口コミサイトもあり、そこの情報の取捨選択を間違えてしまうと、せっかく入社をしたのはいいけどすぐに転職活動をしていくことにもなりかねない大問題になることもあります。

転職者の口コミサイトの場合、退職者が積年の恨みつらみを書き込んでいるケースも多くあるので信憑性はありませんが、デジタルタトゥーという言葉があるように、企業ブランドの構築にも影響が出ることもあるので、ネットの情報を鵜呑みにされている人に対して、「いいえ、うちの会社は違いますよ!」といっても、先入観と思い込みから噂に尾ひれがついて余計に悪い評判が一気に駆け巡ることになります。

たいていの場合はこういうことに対して蓋をしがちではありますが、「人間関係が悪い」「職場環境が悪い」「昇進に対して納得がいかない」など改善できる批評については、真摯に取り組む必要があります。

人事がよく使う言葉に「あなたの頑張り次第で、昇進することができるんですよ。」、「上に行くには圧倒的な実力を発揮して、文句を言われないようにするんだ」という根性論をいいますが、この口説き文句は非常にリスキーであり、期待を裏切る結果になってしまうこともしばしばあります。

間接部門への異動というのは席数が決まっていることもあり、年次によって希望している部署に行けることもあれば、ジョブローテーションで3年1周期になることもしばしばあります。

現状としては間接部門へ異動をしたいと考えているけれど、順番待ちの状況が続いており、将来のキャリア設計と現実がかけ離れているため、不安になって転職をする人が最近増えています。

自分の評価と会社の評価がかけ離れてしまうことでモチベーションが下がり、転職をしてしまうケースを多く目撃してきました。
その場合ネックになっているのが、上司との関係が9割。

コミュニケーションをとりながら、部下の目標地点へ誘導することが上司の役目ではありますが、それをしておらず、一方的な決めつけと思い込みと先入観によって評価をすることによってズレが生じてしまっています。

即断してくれるためにはどう動くのか!?

毎週月曜日の朝イチで社長や役員とのミーティングをするようにすると同時に、すぐに行動に移すことにした。

まず退職願が提出された際にすぐに面談を組むように変化をさせていった。
今までは上長へ退職願を出した後、引き継ぎ計画、引き継ぎ書を作り、上長が承認をしたら、退職届が人事へ回ってくるというシステムだった。

それを退職願を提出された段階で人事へ連絡、真意を探るべく上長の上長と人事でミーティングをするようにしました。
退職理由を一身上の都合によりだけの選択肢から、転勤、人間関係、労働環境、仕事内容、家庭環境、給与、評価、休日出勤などと細かく分類をすることで見える化を推進していきました。

直属の上司には言えないことであったとしても、関係者である上長の上長と、社員が働きやすい環境を作るためには人事の2軸で話を聞くことによって離職を防ぐだけでなく、人事異動の話や昇進の話など、役員の承認をもらうためにはどうしたらいいのかを必死に考えて、一緒に戦う姿勢を見せるようにしました。

管理職の仕事は「部下の才能を開花させて、最大限に発揮してもらえる環境をつくること」が大きな趣旨であり、コントロールをしたり、押さえつけたりすることが役割ではないから。

もちろん、退職者の本音を聞き出すことができないことのほうが多いのですが、前向きな理由で退職するのであれば、転職をしたあとでも応援をし続けていますし、自己中心的な理由であれば引き止めることはせずに、退職手続きを粛々とおこなっていくことになります。

ときには役員が現場へ赴いて、面接当時の話からはじめて引き止めをすることもありました。
「辞めると聞いて驚いたよ!面接の時に人の役に立ちたいんです。裏方でいろいろな人を支えて、会社を大きくさせたいっていっていたよね。」という会話からはじまり、時間が経つに連れて表情が変わって「もう一度チャンスを頂けるのであれば、勝負します!そういう風に思っていてくださったなんて…」といいながら、がっちり握手をしていた光景は今でも昨日のように思い出されます。

本音を聞き出すPOINT
1:直属の上司ではなく、もう1つ上のポジンションの人からヒアリングをしてもらう。
2:1で聞き出せなかったことについては、同僚や先輩など関係者からヒアリングをしていくこと
3:絶対に責めたり、価値観を押し付けたり、先入観を持って接しないこと
4:入社当初の思い出話をしながら、徐々に戻ってくること
5:キラーフレーズとして他人の役に立ちたい、会社と一緒に成長したいなど、必要としていることを示すワードを入れること

職務の選択、公募制、管理職総選挙などが生まれた

退職問題に蓋をせず真摯に取り組んだ結果としていろいろな副産物が生まれてくることになった。

例えば、育児休暇明けでお子さんの保育園のお迎えに間に合う時短勤務制度、入社2年目から条件をクリアしていれば、社内公募制へ応募をしてもらい、理想のキャリアへ近づいてもらうったり、この管理職の下でチームを組んで働いてみたいという管理職総選挙なども生まれてきた。

マイホームを購入していたり、親の介護、お子様の学校問題で転勤がどうしてもできないという場合については、地域限定社員という形で無理なく働けるように人事制度を作ったりもしていった。

新卒も総合職での採用を辞めて、スペシャリスト採用ということを始めるキッカケにもつながっていくことになった。

社員の愚痴に対して耳を傾けた結果

離職率を下げることができた要因は2つあります。
1つは人事が経営層と現場のリレーションをしっかり築いた結果であること。
もう1つはできない理由を考えるのではなく、できるようにするためにはどうしたらいいのかということを本気で伝えた結果であること。

9割以上の上司、人事は退職面談では何も言わず、そしたら退職届と引継書、計画書を提出してくれというだけですし、辞めていく人に対して罵声を浴びせたりする人がほとんどです。

昔の上司にいわれたのは「どこにいっても一緒だぞ!そんな転職をしていたら…」と今ではパワハラになりますが、そういうこと平気で言う人達が未だにいると思うと、何も言えません。

退職者を出すということは、管理職としての査定に響くことが問題であり、そうならないためにはどうしたらいいのかを考えていなかった人たちが管理職をしているという問題がそこにはあります。

権限を持っていても働かない45歳以上の管理職については、リストラの対象となり、リストの上位表示される時代へと変わってきていることに気づいてください。

早期退職制度という聞こえはいいのですが、人材の流動化をすすめるために解雇しやすくする方法を政府は働き方改革の本音の部分で推進しているわけです。

クビになる覚悟を持っているのであればいいのですが、そうでない場合は露頭にさまよう時代がすぐそこに来ているという危機感を持ってほしいものです。

会社は定年まで守ってくれませんし、40歳を過ぎたら常にリストラ対象になっているという危機感を常に持ってください。
これからの時代はサバイバルゲームの時代ですから。

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