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くじらと空を泳ぐ

人は雲をはいて生きている

自分がはいた雲で空が曇って青い空が見えないという
星が見えないという

自分で目の前を真っ白にしておいて
前が見えないという

人がはいた雲の合間を鳥がこともなげに進む
人がはいた雲をかき分けクジラが悠然と進む

人だけが自分がはいた雲にはばまれ
いつまでも空を泳げない

はばんでいるのは自分がはいた雲だ
気づいたとき
雲のカーテンはゆらいで消える
明日わたしは
くじらと空を泳ぐ
鳥や飛行機にあいさつし
くじらと空を泳ぐ

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