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「就職に有利な資格を教えて下さい」

1.就職活動における資格の役割について

コロナが5類になり、これまで出来なかった講座やセミナーが復活しています。

以前、30名位の学生2年生と3年生を対象にした、就職ガイダンスに参加しました。

その際、学生から「就職に有利な資格を教えてください」と質問を頂きました。

最近このような質問を頂く機会が増えています。

そこで、今日はこの就職に有利な資格について、説明させて頂きます。


2.資格取得の熱意と目的

上記のように、「就職に有利な資格」を求めています。

テレビでも、ユーキャンがタレントの試験合格のCMをしている場面を見た方も多いのではないでしょうか。

資格取得が、就職、転職に有利という風潮があります。

新卒では、TOEICを受験する学生は大変多いと聞いています。

実際、TOEICの点数を自己アピールに用いる学生も少なくありません。

他にも就活学生の定番の資格といえば、簿記検定、秘書検定、漢字検定、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、パソコン検定などがあります。

しかし・・・

なんのために資格を取得するでしょうか。

私には、資格取得が目的になっているようにうかがえます。

そもそも、資格とはその仕事に就くために必要だから取得するものでしょう。

資格はあくまでも手段であり、目的ではありません。


3.資格の意味や目的

たとえば、美容師になりたいから美容の専門学校に通い、美容師の資格を取得する必要がある。

これは、調理師でも、看護師でも、栄養士でも、運転手でも同じことがいえます。

国家資格は取得していないと、その仕事に就くことができません。

そのため資格取得は、最低限の条件になります。

手塚治虫さんのマンガにブラック・ジャックがあります。

主人公は天才的外科医で、どのような難病も手術や治療をすることができますが、彼は無資格です。

これはあくまでもマンガの世界です。

医師法では、医師免許を持たない無資格者による医療行為を禁じています。

違反した場合は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金、その両方が科されます。

つまり、先に仕事があり、その仕事に就くために資格があります。


4.国家資格と民間資格

国家資格は、その仕事に就くために必須の条件です。

しかし、民間資格は、自分の知識や技術のレベルの証明であり、必須条件ではありません。

実際、簿記の資格がなくても、経理の仕事に就いている人はたくさんいます。

そのため、まず先に、自分はどのような仕事をしていきたいのか、どのようなキャリアを歩みたいのかを考える。

次に、その仕事に就くために必要な条件を調べる。

もし資格が必要なら、その資格取得を計画します。

先に資格ありき、ではなく、先に仕事ありき。

「就職に有利な資格を教えて下さい」

これでは順番が逆ですね。

就職活動において、資格取得よりも大切なこと。

それは、自分のやりたい仕事を見つけることであり、その仕事に必要な能力を身につけることです。

この能力の一つが資格になるわけです。

結論になりますが、資格は手段であり、目的ではありません。

就活は、人生の中でも大きなイベントの一つです。

安易に資格ありきで考えず、自分自身と向き合うことが大切。

自己分析をおこない、自分の興味や関心がある分野と、自分の強みや長所を理解すること。

そして、興味のある業界・職種について、情報収集をしっかり行いましょう。

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