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実現しやすい目標のつくり方


〇はじめに

将来のために何かを始めようとしたら、多くの人は何らかの目標を設定すると思います。今の状況を改善したい、不満を解消したい、もしかしたら叶えたい夢があるのかもしれません。あるいは、友人や尊敬する人に勧められて目標を立てる場合もあるでしょう。

しかし、目標を立てても行動に移せず、達成できない人は非常に多いです。例えば、お正月に立てた今年の目標はどのくらい順調に進んでいるでしょうか。順調に進んでいる人は、今回の記事を読む必要はないと思います。そのまま続けてください。でも、始めたけど未達成、あるいは立てた目標を忘れてしまったという人がほとんどではないでしょうか。

今回ご紹介する「SMART(スマート)の法則」は、目標設定に最低限必要な以下のS・M・A・R・Tの5つの要素をそろえることで、具体的で明確な目標設定ができるフレームワークです。

:Specific(具体的である)
M : Measurable(測定可能である)
A :  Achievable(達成可能である)
R : Relevant(関連性のある)
T : Time-bound(期限がある)

SMARTの法則は、ウェブでもたくさんの事例が紹介されていますが、内容については人によって解釈が異なることがあります。例えば、「A」を"Agreed upon"(同意している)、「R」を"Realistic"(現実的である)などとする場合があり、混乱することもあるかもしれません。しかし、最終的には概ね同じことを伝えているため、ここでは私が実際に使用し、効果があると考えている内容でお伝えします。

〇なぜ目標設定の仕方が大切なのか

そもそも、どうして私たちは目標を設定するのでしょうか。目標は大事だと言われますし、個人で目標を立てたり、会社から目標設定を求められる場合もあります。

目標とは、何らかの目的を達成するための目的地であり、通過点です。どこに進めばよいのか、その方向性を示して、行動しやすくするものです。これがないと、どこに向かって行くのかわからず迷子になったり、時間だけが過ぎて先に進めません。

また、目標がないと、何をすればよいのかがわからず、何が正解なのか・間違っているのか判断できません。場合によっては誰かの指示がなければ行動できない「指示待ち人間」のようになってしまうかもしれません。

目標があれば、どこに行けば良いのか方向性が明確になります。方向が分かれば何をすればよいのか、行動しやすくなります。目標が達成されたら自信につながり、自然にモチベーションも上がります。逆に未達成だったなら、課題が明確になるので、「目標の再設定→再挑戦→目標達成」と次の行動に移りやすくなります。

このように、目標を設定することは人が成長していくためにとても重要な役割を果たします。しかし、学校や会社では、目標設定を求められるにもかかわらず、目標設定の仕方を教えてもらう機会は少ないようです。だから、目標を設定してもうまくいかない人が多いのかもしれません。

そこで、目標設定のダメな例と改善案を見てみたいと思います。

ダメな例1【あいまいな目標】: 「痩せたい!」
▶改善案:3カ月後の〇月〇日までに5kg減らす」

ダメな例では、目標があいまいで何をすればよいのかわかりません。改善案では期限と内容が明確になり、行動しやすくなります。

ダメな例2: 【現実的ではない目標】 「1カ月で10kg痩せる!」
▶改善策: 「3カ月で5kg体重を減らす」

ダメな例では現実的ではなく、無理をして体を壊す可能性があります。目標は健康や周囲とのバランスを保つ現実的なものが良いでしょう。大きすぎる目標はモチベーションを低下させることがあります。

ダメな例3【進捗の測定ができない目標】: 「健康的な身体になる!」
▶改善策: 「毎週体重とウエストを測定してノートに記録する」

進捗が確認できないと、うまくいっているのかわかりません。改善案なら具体的な進捗が確認でき、モチベーションを維持しやすくなります。必要なら軌道修正もできるようになります。また、うまくいったときのためにご褒美を設定するとさらにモチベーションが上がるかもしれません。

目標の立て方次第で結果が変わります。上記のダメな例のような目標ではなく、SMARTの法則を活用して、成果につながる目標を設定しましょう。

〇SMART(スマート)な目標設定のやりかた

では、具体的にSMARTの法則で目標を設定していきます。わかりやすくするために、TOEIC試験を例にしてみます。

S:Specific(具体的な)
明確かつ具体的な表現で目標を設定します。例えば、旅行に行くなら、国内か海外か、海外ならどの国か、などを決めることで手段や必要な準備の仕方などがわかりやすくなるような感じです。
例 : TOEICのスコアを3カ月で200点アップする

M:Measurable(測定可能な)
達成の度合いや進捗状況を測定しやすくするために、具体的な数値(回数、量、日数など)を設定します。目標を数値化することで、後で検証しやすくなります。数字で表しにくい場合(楽しむ、笑顔で挨拶する、など)は、「何のためにその目標を達成するのか」を考えて、数字で表現できる場面を想像してみてください。例えば「笑顔で挨拶する」なら、「毎朝同じ課の5人に笑顔で挨拶する」などいかがでしょうか。
例 : 毎月1回模試を受けて、スコアの進捗を確認する

A:Achievable(達成可能な)
目標は高すぎても低すぎても適当ではありません。高すぎると途中で挫折する可能性が高まります。低すぎると達成感や充実感が得られませんし、気持ちも緩みがちになります。目標は頑張れば達成できる程度が望ましいです。現状の努力を100%として、120%くらいで頑張れば達成できる目標でしょうか。
例 : 1日2時間の勉強時間を確保して、公式問題集を解く

R:Relevant(関連性のある)
SMARTの法則で目標設定するときには、実はこの「R」からつくりはじめるとより効果的です。ここでいう「関連性」とは、目標を達成したい理由や目的との関連性のこと。例えば、ハワイ旅行に行くことが目標なら、なぜハワイに行くのかを考えます。家族の親睦なのか、頑張ったご褒美なのか、これからのエネルギーチャージのためなのか、などでしょうか。目標と目的との関連性が明確になることで、達成したときの様子が思い浮かべやすくなって、目標に向かうモチベーションも上がりますよね。
例 : 将来は海外で仕事がしたい。そのためには最低でもTOEIC700点が必要。まずは3ヶ月で200点上げよう。

•T:Time-bound(期限がある)
目標には必ず期限を決めます。期限が無い目標は、どうしても後回しにされがちです。また、期限を決めると目標に対する現実味も増して、行動計画も考えやすくなります。時間を有効活用するために、期限を設定しましょう。
例 : 3か月後、〇月〇日のTOEIC試験を受ける

〇まとめ

目標を設定する際には、達成可能なものにすることが重要です。今回は、目標設定のための代表的なフレームワークであるSMARTの法則を紹介しました。目標を設定して行動を続けることで、新しい知識やスキルが身につきます。成功体験を積むことで、自己効力感も高まっていきます。
これを機会に、自分の成長につながる目標を設定してみてはいかがでしょうか。


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