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キャリアコンサルタントの仕事のやりがいと苦労

はじめに
こんにちは。キャリアコンサルタントとして独立して15年目の松田剛典です。現在は、一般社団法人キャリアラボで複数のキャリアコンサルタントと一緒に高校や大学などで若者向けの支援をしています。このシリーズはキャリコンとして副業・独立を検討する方を対象に、独立までに知っておいたほうがよいキャリコンのリアルをお伝えしていくブログです。記事を読み進めて、キャリアラボにも興味を持っていただいたらキャリアラボにもエントリーしていただけると嬉しいです。

キャリコンのやりがいについて

前回はキャリアコンサルタントの収入について書きました。

では、キャリアコンサルタントの仕事のやりがいはどんなものなのでしょうか?

単にお金を稼ぐ手段として考えると、キャリア支援の仕事は大変なことも多く、長く続けることはできません。今回はキャリアコンサルタントのやりがいや苦労について記事にしています。

なぜ、やりがいの話を独立の具体的なノウハウの前にするかというと、独立して仕事をしていく中で、当初の原点を忘れてしまうことがあるからです。仕事が忙しくなり、日々の業務に追われ目の前のことしか考えられなくなります。

そんな時に自分の原点を明確にしておくと、その原点が踏ん張りどころになります。

だから、テクニックに入る前に、「自分がなんのためにこの仕事をするのか」という仕事のやりがいを考えるきっかけになればと思ってこの記事を書いています。


キャリアコンサルタントの仕事のやりがいとは?

独断と偏見でキャリアコンサルタントの仕事のやりがいを整理してみました。

自分の経験と知識を活かして人の人生(キャリア)をサポートできる

キャリアコンサルタントの大きなやりがいの一つは、相談に来る方の人生やキャリアのサポートができることです。

個人的には「誰かの人生に影響を与えることができる」というのはなんだか偉そうと思っているので、「誰かの生き方のサポートする」という言い方がしっくりきます。

人によっては、誰かのキャリア支援をしたいと思う原点になる体験があるのではないでしょうか?

僕の場合は20代の頃です。当時は自分が何をしたいか分からずにすごく悩んでいました。一人ではどうしても答えが見つけられず、暗いトンネルの中を歩いているような時期です。そんな自分を変えるきっかけをくれたのが周りの先輩たちでした。あのとき、周りの人たちの支えがなければ今の僕はありません。一人では解決できないことも、周りの大人たちの言葉や働きかけで変わることができる。それが今の僕のキャリア支援の原点にもなっています。

きっと若者支援をずっとしているのも、その時の苦しさがわかるからというのもあります。人によってそうした原点は異なると思いますが、「人のために何かをしたい」と思っている方にとってはこの仕事はとてもやりがいのある仕事です。

クライアントの成長や就職・転職成功の喜びを共有

キャリアコンサルタントとしての仕事のやりがいの二つ目は、関わった人の成長や就職・転職・自分のキャリアデザインの成功を共有できることです。

関わる方にもよりますが、悩みが深ければ解決まで時間がかかることがあります。逆にちょっとしたきっかけが本人の大きな一歩になることもあります。
「松田さん!内定もらいました」といった報告や、「おかげで自分なりに動き出せそうです」という言葉はやっぱり一番嬉しいです。同時に特に高校生や大学生の支援をしているとたった数ヶ月でみんなの成長に驚かされることがあります。これもこの仕事の醍醐味ですね。

キャリア支援というのは、数年後でないとわからないところがあります。その後の幸せや、大人になったみんなの成長を見れることもこの仕事のやりがいだと思っています。

自己成長や専門知識の向上が期待される

最後は「奥が深くどこまでも、自分が成長していけること」だと思っています。

キャリア支援のスキルは奥がとても深いです。すごい人は本当にすごいです。

僕は恥ずかしながら最初の頃は違いがそれほどわかりませんでした。気付いたのはキャリア支援して1年ほどしたときのことです。たまたま先輩の面談に同席させていただき、あまりの実力の違いに打ちのめされました。質問の豊富さ、間の使い方、相手に合わせた展開…と、ひとつひとつの所作に自分との違いを感じ圧倒されたのを覚えています。

自分は未熟すぎると凹んでいる時に別の先輩に言われたアドバイスが今でも心に残っています。

「簡単に真似できないぐらい高いレベルがあるということは逆にこの業界でずっと仕事をしても大丈夫、ってこと。松田が1年やただけですぐに天井まで極められる仕事ならすぐにハイレベルの人が増えて市場は飽和ししまう。

逆だよね。簡単に真似できないし1年、2年では到底真似できないようなレベルの先輩がいる。であれば、焦らなくていい。この仕事を極めていけば自分にしかできないキャリア支援ができるようになる。簡単に真似できない技があるからプロなんだ」

という言葉です。15年以上、キャリア支援の仕事をしていますが先輩の言葉を信じて踏み込んでみてよかったです。どこまでも奥深く、やればやるほどできることも増えていきます。それもこの仕事のやりがいの一つだと思っています。

キャリアコンサルタントの仕事の苦労とは? 

では、一方でいいことばかりなのかというと苦労もたくさんあります。
極端な話ですが、例えばキャリアデザインの授業で教室に入ったら瞳をキラキラした子どもたちに常に見つめられる・・・なんてことはありません。

では、キャリコンの仕事の大変さについてです。

困難な相談に対応する難しさ

一つ目は相談者の悩みに全て答えきれないことです。特に仕事を始めて初期の頃は自分のスキルでは難しい困難な相談もあります。また、常に時間が十分であればいいのですが、多くの場合面談には時間の制約もあります。そうした中で、自分が面談で相手の期待に応えられなかった時に壁を感じることがあります。

すぐに結果が出ないことがある

二つ目は、すぐに成果が見えづらいという課題です。僕が関わっている教育分野は特にそうですがある意味数年先を見た種まきともいえます。その時には結果がでなくても数ヶ月後、数年後にそれが効果になって実感できることも少なくありません。

しかし、それとは逆に短期的な成果を求められることもあります。僕自身は、あまりキャリア支援にビジネス的な数値の成果とかを突き詰め出すと相性が悪いな・・・と思っています。営業を行わずキャリア支援を体験した方の紹介で仕事をしてきたのも、数字に見えにくい効果は体験した人にしか分からないと考えているところもあります。

最初から心を開いてくれるとは限らない

キャリアコンサルタントの仕事をする時に、みんなが自分を信頼してくれてスタートできるといいのですが、残念ながらそうではありません。すごく警戒されながら面談スタートすることもありますし、コミュニケーションの相性が悪く、思ったような面談にならないこともあります。

最初に書きましたが、みんなが、目をキラキラさせながら授業受けてくれるとは限らないんですよね。小学校の授業はそれが顕著でした。最初は「先生!!」と笑顔で始まっても授業が面白くなければあっという間にみんなと目が合わなくなってきます。子どもたちは素直でした(遠い目・・・)

まとめ

キャリアコンサルタントのやりがいや大変なところを簡単にまとめてみましたが。個人的にはこの仕事が大好きなのでメリットをついつい熱く語ってしまいました。

キャリア支援の仕事をして15年になりますが、僕がやっていてよかったなー、と思うのは面談後の数年経った後です。

例えば、就職活動で「内定おめでとう!」と、支援した子が自分の進路を見つけた瞬間も最高に嬉しいんですよ。でも、自分の中で最高に嬉しいなと思うのは卒業後の数年経ったときにイキイキしながら仕事をしている姿を見たときです。人の可能性や成長に関わる仕事と思う瞬間です。

あるとき、卒業生の10年目の同窓会に呼んでもらい、みんなの成長した姿を見て涙腺が緩みまくりました。人にもよると思いますが、僕の中でのこの仕事をしていてよかったと思うのはそんなときです。

最初にお伝えしたように、キャリア支援の仕事が全部楽しいか?というとそんなことはありません。だからこそ、自分の原点は大事にしてほしいなと思っています。

語りきれないのでこちらにも

あなたはどんなやりがいを求めてキャリコンになりましたか?
では、次回はこれから未経験者としてデビューしていく時にどんなスキルや力が役に立つか解説をしていきます。

今回の記事がキャリアコンサルタントの仕事のリアルを知り、あなたのキャリアプランの参考になれば幸いです。また、「こんなこと知りたい」ということがあれば気軽にコメントいただけましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

著者プロフィール 松田剛典

一般社団法人キャリアラボ 代表理事 https://kokoswitch.com
株式会社みらぴか 代表取締役 https://mirapika.jp 
ツイッター:https://twitter.com/goten_m

株式会社ベネッセコーポレーションで高校生の進路選択の部署に配属。全国の高校の進路相談会の運営や入試判定業務などに携わる。人材紹介会社の大阪責任者をを経て独立。キャリア支援の仕事を始めて約20年目。複数の大学でキャリアデザイン講座の講師をしながら、北海度から九州まで全国の高校大学を訪問する実践型キャリア支援家。年間3000件前後の面談と、5000件前後のキャリア講座を運営。
2023年保護者向けオンライン相談サービス「みらぴか」をリリース
著書:「はじめての課題解決型プロジェクト」ミネルヴァ書房

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