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【プロローグ一気読み】『聴けずのワカバ』(キャリコン資格取得編)-1~5


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プロローグ「突然の出会い(1)」

「本日はどのようなご相談でしょうか?」
ここは都内でも老舗で合格率が高いとウワサのキャリコン(※1)試験の面接対策講座を開講している勉強会。キャリコンの試験は学科と実技試験があり、私は学科試験を前回の試験で合格したものの、実技試験は今回で3回目。これまでいろんな勉強会や対策講座にも参加してみたけど、成果には全くつながらず、もう何をすれば良いのか、何にすがれば良いのか分からなくなり、流れ流れて、ここにたどり着いた(これを「キャリコン難民」という)。
 今回の生徒さんは私以外に3人。みんなどこか浮かない表情をしている。その気持ちはよく分かる。だって・・・
「もう何度言ったら分かるの!本当にセンスない!だから前回もダメだったんじゃないの!あなたキャリコン向いてないわよ!この調子だとうちの勉強会の合格率下がっちゃうじゃない。次の受験諦めてくれない!」
 私のロープレ(※2)が終わった瞬間に講師から怒号が飛んだ。彼女はここの勉強会の主催者であり、この業界で長くキャリコンとして活躍しているという有名な女帝、いや女性。だからここでの彼女の発言は絶対。資格を持っていない私などが反論できる余地もない。
 でもしかしまあ、よくもここまで早口で罵詈雑言の数々を初対面の人、しかも本来顧客である生徒に浴びせられるものだ。逆にその言葉の多さとまくし立てる頭の回転の速さにちょっと感心すらしてしまった。
 「まあまあ、ヤシロさん少し落ち着いて、彼女も悪気があったわけではないのですから」
 
 もう一人の講師が優しくフォローしてくれた(「悪気」という言葉には引っかかったけどね)。こちらはひげを蓄え、穏やかな雰囲気を醸し出している、いかにもキャリアコンサルタントという初老の紳士風の男性。
 「ココノエさん、今ヤシロさんが結構厳しいこと言ったけど・・・」
(結構厳しいってことは分かっているのね)
 「決してココノエさんをいじめようとか、ひどいことを言って落ち込ませるつもりで言ったわけじゃないんですよ」
(ひどいことを言っていたことは分かっているのね)
「いわゆる愛情ですよ、愛情。私達は生徒の皆さんに愛情を持って接している。だからこその苦言なのです。ヤシロさんも言いたくて言っているわけじゃないから」
(絶対ただ言いたかっただけでしょ)
「初めはみんな力不足なので、こんなもんです。自分だけ出来ないのだと落ち込まないでください。ところでココノエさん、今回の試験は何回目なのですか?」
「・・・3回目です(初受験じゃないって前提で話してるのはムカつくけどね)」
「やはり、そうですか・・・だとするとこのままだと試験には間に合わないかもしれませんね。ヤシロさんはどう思います?」
「絶対無理ね」
(食い気味に即答かよ!)
「ではご提案ですが、私どもの経験上、ココノエさんは後30回ほどロープレする必要があると思いますよ」
「えっ、30回もですか!?」
「どうしても次の試験で受かりたいですよね?」
「は、はい。できるなら・・・」
「できるなら?何、甘っちょろいこと言ってるの!」
(はい、流れ弾キター!)
「そんな覚悟もない浅はかな考えだったからずっと不合格だったのよ!」
(はい、理不尽極まりない流れ弾2発目キター!)
「まあまあ、ヤシロさんそう言わずに。ココノエさんだって悪気があるわけじゃない。だったらココノエさん、次回からはこの『試験まで通い放題プラン』にしましょうか?」
(はい、流行りに乗っかったサブスク商法キター!しかも根拠のない「悪気」2回目!)
「この子にそんなプラン勧めてもどうせ無駄でしょ!」
(はい、間髪入れずにチャチャ入れてキター!しかもこの子呼ばわり。本当に愛情ある?)
「どうしますか?ココノエさん。このプランは人気でね。残り1枠だから今決めないとすぐ埋まっちゃいますよ」
「そうですね・・・ちょっと考えさせてください」
「そんな大事な決断もすぐに出来ないから試験にも合格できないのよ!で、どうするの!?」
(はい、予想通り、即決させるための強めの圧キター)
その後も他の生徒さんの見ている前で銃弾のような罵詈雑言の数々を浴びせられたあげく(本日2回目)、危うくサブスク講座の契約書にサインと全額入金させられそうになるのを拒み続け(最後は大和田常務ばりの土下座寸前まで)疲労困憊になりながら会場を後にした。
「あんまり記憶にないけど、最後に何かすごい捨て台詞を言われてた気がするなあ」
「◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯!!!!!!!!!!!」
「まあ、いいか。どうせちゃんと聞いてなかったし。でも今日は本当に疲れたなあ。勉強会のあり方や教わる先生についても考えさせられちゃった。有名だからとか老舗だから良いってわけじゃないんだなあ。よしっ、気持ちを切り替えるために今日の愚痴をまたヨッチャンに聴いてもらおう!」
そしてそのくたびれた足で友人のいる都内のギャラリーへ向かった。

注釈
(※1)キャリコン:国家資格キャリアコンサルタントの略。キャリアカウンセラーの方がまだ知られているが、想像以上にキャリコンの知名度は低い。間違っても友人に「俺キャリコンなんだ」と言わないように。「はっ!?」って返されるのが関の山です。

(※2)ロープレ:ロールプレイングの略。主に実技試験における面接試験(60分のキャリア面談の冒頭15分の設定)の練習を指す。受験生はみんなこの試験のせいで眠れない夜を過ごしています。

プロローグ「突然の出会い(2)」

場面変わって、ここは都内にあるギャラリー。今週末まで若手のアーティスト10名が共同で企画したイラスト展が開催されている。紫のスーツ(※1)をビシッと着こなした只者ではなさそうな雰囲気を醸し出しているひとりの男が展示された作品の前で真剣な顔をして眺めている。
「ヨツモトさん、相変わらず素晴らしい作品だ」
「ありがとうございます」
その作品を書いた一見すると近所のコンビニでバイトでもしていそうな何かフワっとした雰囲気の女性(ヨツモト)が声をかけた男(紫スーツ)にお礼を言った。二人はどうやら顔見知りのようだ。
「特に良いと思ったのは左下にある空白の使い方だよ。とても大胆な構図のように見える。でも何故ここを広く使おうと思ったのかな」
「うーん、何でかな。感覚と言ってしまえばそれまでだけど・・・言われるまで全然気づかなかったよ」
「何だろうね?」
「うーん、・・・あっ、そういえば今思い出したけど、確かこの作品を書いた日にとってもスゴい出来事があったんだ」
「とってもスゴい出来事って?」
「それはね・・・」
「ねぇねぇ、ヨッチャン!聴いて聴いて!!」
静かなギャラリーの中を騒がしい輩の叫び声が響き渡った。そのけたたましい声は、そうあのワカバである。
「ヨッチャン、ヨッチャン、聴いてよ~。また勉強会でヒドイこと言われちゃったよ」
「どうしたのワカバ、何があったの?」
 ワカバは堰を切ったように今日遭った理不尽な出来事を語り始めた。紫スーツ(男)との会話が途中であったにも関わらず、ワカバは15分以上も話し続けた。
「・・・というわけで最後は危うく土下座までさせられそうになったんだから。半沢(※2)かって!まさか自分がさせられる側に回るなんて夢にも思わなかったよ」
「そうなんだ、それは大変な目に遭ったね」
 涙ぐみながらワカバは「聴いてくれてありがとう!」と何度も彼女の手を握りしめてお礼を言っていた。しかし、紫スーツ(男)の我慢の限界はここまでだった。
「おい、貴様」
後ろを振り向くワカバ。
「おい、貴様だよ、貴様」
周りをキョロキョロ見渡すワカバ。
「この神聖な場所で貴様と呼ばれるようなヤツは貴様しかいないだろう」
自分を指差すワカバ。そして素に戻るワカバ。
(えっ、私なの?!このいろいろ厳しい昨今、前時代的な「貴様」っていうパワハラの代表格みたいなフレーズ使う人いるの?!いや、目の前にいるでしょ。マンガとかドラマでは見たことあるけど、まさか自分が言われる側に回るなんて夢にも思わなかったよ)
呆然としているワカバに紫スーツ(男)はさらに驚くような言葉を浴びせた。

注釈
(※1)紫のスーツ:ファッションセンスは人それぞれです。決してぺこぱのノリ突っ込まない方をディスっているわけではありません。

(※2)半沢:皆さんご存知の高視聴率を叩き出すあの国民的ドラマ。現在続編が放送されていますが、番組終了後に会計士の方や元銀行員の方がユーチューブで解説している動画が生々しくてお気に入りです。

プロローグ「突然の出会い(3)」

「おい、貴様、謝れ」
紫スーツ(男)がそう言い放つと会場に張り詰めた空気が漂った。今回のイラスト展に参加している若手のアーティストとその作品を見に来てくれているお客さんの視線が一斉にワカバと紫スーツ(男)に注がれた。

「いきなり謝れって言われても・・・どうして私が謝らないといけないんですか?」
「会場にいる皆さんに迷惑をかけたろう」
「迷惑ってなんですか?!」
ワカバは紫スーツ(男)の理不尽な応対に怒りを感じてそう言い放った。
「一人で勝手に騒いで入ってきたんだろうが」
「それが何だって言うんですか!」
「ヨツモトさんの話していた相手がもし画商だったらどうしてた?そのせっかくのチャンスを貴様のせいで不意にしていたかもしれんのだぞ!」
「いや、まさか、だってそんな格好しているから、お笑い芸人か売れないホストかと」
会場からクスクスという笑い声がうっすら聞こえる。
「くっ・・質問の答えになってねえな。ヨツモトさんだけじゃなく他のアーティストの皆さんにも同じことがいえたと想像できなかったのか?」
「そんな事言われたって私には・・・」
「関係ないってか。貴様は初めてこのイラスト展に来たから分からんだろうが、アーティストの皆さんは今回のイラスト展に並々ならぬ努力を重ねてきている。今日までみんな必死になって作品作り上げるために命を削って挑んでんだよ!だから貴様、ここにいる全員に謝れー!」

理不尽とは分かっていながらもそんな事情とは知らずに申し訳なく思うワカバ。
(でもまたこれって土下座の流れだよね。一日に2回ってある意味奇跡なんですけど)
しかし、そんな状況を見かねてヨツモトが紫スーツ(男)に声をかけた。
「あの、イチジョウさん」
「ヨツモトさん、みんなの分まで言ってやったよ」
「あの、ちょっと言いにくいんですけど、今回のイラスト展はみんな過去の作品を持ち寄って、慰労も兼ねて気軽に楽しくやろうってのがコンセプト(※1)でして・・・」
「んん、どういうこと?」
「ええとですね、簡単に言うと今回は誰ひとり命も削ってないし、来てる人たちもみんな家族とか友人なんで!」
「ええ、それはつまり」
「主旨を理解してなかったイチジョウさんの方が悪いですね」
「あっ、そう。へえ、そうなんだ。ふーん、じゃあゴメン」
紫スーツの男はワカバに軽い会釈程度の謝罪をした。
「なになにそれで謝ったつもりですかー!さっき貴様は初めてだから知らんだろうがっていってましたよね。初めてだからって!私また土下座させられるのかって思ってドキドキしたんですけど!・・・って1回もやってないわ!」
ワカバは不器用ながらも普段取らない揚げ足を取りイチジョウへ一矢報いた。
「まあ、そんなことも言ってたかな、ははは」
形勢はこれで完全に逆転したようだ。

注釈
(※1)コンセプト:イラスト展といってもコンセプトによって内容は大きく変わります。アーティストにとってそれぐらい重要な確認を怠った罰を紫スーツ(男)は受けました。

プロローグ「突然の出会い(4)」

「そういえばワカバは初めてだってよね。改めて紹介します。こちらイチジョウさん」
「はい、どうもイチジョウ リュウノスケです」
下の名前までは聞いてねえよと思いつつもワカバはペコリと軽く会釈してヨツモトに耳打ちした。
「あのさ、あの無礼な紫スーツ超怪しいんだけど、どういう関係なの?」
「お母さんの友達?知り合いだったかな」
「なんか曖昧。でもさ、何してる人?下積み中のマジシャンとか」
「そんなわけないじゃん。確かコンサルタントだったかな」
「えっ、コンサルタント?」
「そうだ、ワカバってキャリアコンサルタント目指してるよね。だったらイチジョウさんに相談してみたら」
そういうとヨツモトは再び放置されているイチジョウへ声をかけた。
「確かイチジョウさんってコンサルタントでしたよね?」
「おう、そうだけど」
ワカバは疑いの眼差しでイチジョウへ確認してみた。
「コンサルタントって、キャリアコンサルタントですか?」
「俺はコンサルだよ」
「えっ、コンサルって、キャリアコンサルタント?」
「だからコンサルだって」
「キャリアコンサルタント?!」
「何度も言わせるな。俺はコンサルだ!」
(このやり取り何度目。こんな会話にならない人いる?)
「しつこいな、俺は『企業』コンサルタントだよ」
「んん?キャリコンじゃないの?!」
「だから最初からそう言ってるだろ」
(ええー、企業コンサル(※1)って怪しさ満点の職業?捕まった人の肩書きでよく出てくるやつだよね。うわあ、この人大丈夫~?)
「俺は大丈夫なやつだ。ヤツラ(※1)と一緒にするな」
(えっ、どういうこと?)
「だから大丈夫なんだって」
(どういうこと?まさか、心の声聞こえてる?)
「ああ、聞こえてるよ」
(えっ、もしかして超能力使えんのコイツ?)
「コイツっていうな。ていうか顔に出過ぎだぞ、お前」
(なんか私の得意な心の声システム崩壊してるんですけど)
「昔から話してる相手の顔見ると言いたいことが何となく分かっちまうんだ。よくいうだろ目は口ほどに物を言うって」
(へぇ、そうなんだ・・・って感心してる場合じゃないわ!心の声で会話してる場合じゃないわ!)

「一応、俺は中小企業診断士だ。企業コンサルタントで唯一国から認められてる資格だよ。だから捕まるようなヤツラと一緒にすんな。まあ、お前ごときは聞いたこともねえ資格だろうがよ」
「ああ、あの『足の裏の米粒』って揶揄されてる資格ね」
「そうそう、取っても食えない、っておいっ!それは知ってんのかよ。つうか一番声に出して欲しくないこと言葉にしやがったな」
何故かマニアックなこの資格だけは知っていたワカバだった。

注釈
(※1)企業コンサル:本来は周囲から尊敬されるとても誇らしい職業。あくまで本人の主観に基づく完全な偏見です。ココノエの半分は猜疑心で出来ています。

(※2)ヤツラ:自分の利得だけしか考えず、それ以外の人たちはどうなっても良いという超自己中心的な思考の持ち主を指す。本作品の読者にヤツラ側の人間はいないという前提で書いています。

プロローグ「突然の出会い(5)」

再び淀みそうになった空気を察して、ヨツモトが二人に声をかけた。
「そういえば、ワカバが今日参加した勉強会で随分ヒドイこと言われてたけど、キャリアコンサルタントって困ってる人の話を聞く仕事なんだよね?それなのにそんなヒドイこと言う人いるんだ」
誰もが思うであろう自然な疑問にイチジョウが答えた。
「残念だけど、一定数(※1)いるんだよ。まあ、そこまでヒドイやつはごく一部だけどな」
(お前が言うな!あんたもそのごく一部に入ってるでしょ!)
ワカバはイチジョウの死角へ移動し心の声システムを発動した。
「ん?何か言ったか?」
振り返り声をかけるイチジョウ。すかさず目をそらすワカバ。
(危ない!背中に目でもついてるの?)
「まあ、でもさーワカバ、これも何かの縁なんだからイチジョウさんに教えてもらったら」
『絶対嫌だよ!』
二人の声がキレイに揃った。
「何で俺がこんな無礼なヤツの面倒見なきゃいけないだ」
「私だってこんな無礼な人に教えを乞うなんて嫌」
『ふんっ!』
またリアクションが揃った二人を見て(現実に「ふんっ!」って言う人いるんだ)と思うヨツモトであった。
「だってさっきも言ったけど、この人キャリコンじゃないじゃん」
「その件については大丈夫ですよね?イチジョウさん」
「それは・・・とにかく俺は嫌だよ。いくらヨツモトさんのお願いでもこれだけは受けられねえな」
「私だってこんな高圧的で理不尽で非常識で無礼な人に教わりたくない」
「おいおい、黙って聞いてりゃあ、どさくさに紛れていろいろ付け足しやがって」
全く噛み合わない二人を見兼ねたヨツモトは強硬手段に出た。
「イチジョウさーん!やってくれますよねー。じゃないとさっきの出来事お母さんに言っちゃいますよー」
「何っ!それは、それだけはやめてくれ。アイツに弱みを握られたくない」
「じゃあ、OKってことですよね」
「くっ、土下座するより嫌だけど、仕方ねえなあ。そのかわりアイツには黙っといてくれよ」
「はい、ありがとうございます!良かったわねー、ワカバ」

「えっ、何か二人で勝手に決めてるけど、私は嫌よ。だって人間性以前にそもそもキャリコンじゃない人から教わることないもん」
「それならたぶん大丈夫よ」
「えっ、何で?」
「だってイチジョウさんとお母さん同じ養成講座(※2)だったんだよ」
「同じ養成講座って、まさかキャリアコンサルタントの養成講座?」
「ですよねーイチジョウさん」
「おう、まあ、そうだけどな」
「じゃあ、なんでキャリコンじゃないの?ああ、分かった。どうせ途中で受験するの諦めちゃったんでしょ」
「違うわ!・・・今ここで説明すんの面倒だから今度話す」
「なにそれ、意味分かんない!」
またひと悶着おきそうな二人にヨツモトが割って入った。
「ねえ、ワカバ、キャリアコンサルタントなりたいってずっと言ってるよね」
「うーん、そうだけど・・・」
「さっきもこれまでのやり方でいいのかなあって言ってたじゃん。もしかしたら今回の出会いで何か変わるかもしれないよ」
「うーん、でもなあ」
「イチジョウさんそんな悪い人じゃないよ。正義感が人一倍強くて空気読めない時あって、ちょっと口は悪い人だけどね」
(悪い人じゃないってだけで良い人だとは言わないのね)
「もし、また何か嫌なこと言われたら、その時はお母さんに言いつけるから、ねっ」
「ヨッチャンにそこまで迷惑かけられないよ。でも確かに変わるチャンスかもしれない。よし、分かった。しょうがないから私、アイツにお願いしてみる」
「良かったあ、ファッションセンスはちょっとアレだけど、本当に悪い人ではないから」
ワカバはようやく腹をくくってイチジョウへ頭を下げた。
「ということで若輩者ですが、ご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします」

「おい、今までのやり取り全部聞こえてたぞ」

というわけでワカバとイチジョウの不思議な師弟関係が始まりました。
ここまで予想以上に長くなってしまいましたが、次回からようやく本編に入ります!

注釈
(※1)一定数:一般の方にはキャリアコンサルタントが聖人君子のような存在だと思われてますが、実際は「ザ・人間」なのです。3流キャリアコンサルタントの私が言うので間違いありません。

(※2)養成学校:キャリアコンサルタントの受験条件のひとつで厚生労働省に認定されている学校で150時間の受講が必要(2020年度以降)。もうひとつの条件は3年以上の実務経験が必要。詳しい話は本編で改めてお伝えします。最後にしてようやく注釈の正しい使い方が理解できました。

次回の更新は8/22です(内容は未定)


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