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フロイトの書斎に感動!日本との縁も発見!ロンドンのフロイトミュージアム
フロイトといえば心理学。心理学といえばフロイト。ロンドン旅行に行った際、どうしても訪れたかったのが、フロイトミュージアムです。
ロンドンの観光ガイドブックにも載っているのですが、今までの私だったら他の観光地優先で、ここはスルーでした。正直、フロイトに興味関心をもったのは最近で、INSEADのEMCで組織心理学を学び、現在は他校でシステムサイコダイナミクス(「個人や集団、組織における心理的な力学とシステム全体の相互関係を理解するアプローチ」by chatGPT先生による定義)を学ぶようになってからのことです。ロンドンに行った際には、是非訪れてみたいと何かすごく惹かれるものがあり、今回の旅ではどうしても訪れたい、外せないスポットでした。
美しい住宅地の中にあり、フロイトが元住んでいたお屋敷がそのままミュージアムとなっていて、まるで“フロイト先生の御宅訪問”といった感覚のミュージアムでした。
特に、フロイトの書斎には感動しました。広さといい、調度品といい、匂いも、家具のレイアウトも、そしてあの有名なカウチも。
そして、フロイトミュージアムには、ちょこちょこと「日本」が登場しました。それが何とも言えないポジティブサプライズで、日本人としてとても嬉しくなった出来事だったのです。
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まず、フロイトミュージアムには、各国語のイヤホンガイドがあるのですが、その日本語解説が素晴らしかったです(この素晴らしい日本語解説を作られたのは、中央大学の下司 昌先生と、白梅学園大学の須川 公央先生だとガイド冒頭でご紹介がありました)。思わず、最後の受付のところで「日本語のイヤホンガイド素晴らしく感動したわ!」と興奮気味に受付の女性に伝えたくらい。受付の女性もとても喜んでくれて、それを近くで聞いていた方(日本人の方なのかな)が、「そんなに良いなら、私も日本語で聞いてみようかしら!」と英語ガイドから日本語ガイドに変えていたくらい、観終えた私は興奮していました。
何がそんなに私を興奮させたかといえば、フロイトという人がいたことを随所に感じることができたからだと思います。(あ、結局私は、フロイトの”推し活”をしてる感じで、それが楽しかったということなのかもしれません!)
フロイトの書斎での「持ち物はその人を表す」というイヤホンガイドの解説のまま、フロイト自身の持ち物・調度品に溢れたお部屋が、そのお部屋の「匂い」や「広さ」を含め、フロイトという人はこんな環境の書斎にいた=こういう人だった、というメッセージをダイレクトに伝えているようで、その書斎にまず感動しました。
古美術品が並び、フロイトはコレクター気質なんだなとか、窓側の隅に壁に机をくっつけるのではなく、広いお部屋のあの位置に机があって、それらの自分の好きなものに囲まれながら机に向かってたのかな、とか。自分が好きで勉強している分野の超有名人の存在を感じることができたから、私は興奮し、嬉しくなったのかもしれません。
そしてもう一つの感動ポイントは、前途の通り、度々「日本人」「日本」が登場することでした。日本における心理学の立ち位置、発展の仕方のようなものに最近思うところがあったので、それも影響しているのかもしれませんが、「日本の精神科医が、フロイトに会いにいっていた!」ということに、とても感動しました。
どういうことかというと、ミュージアムの受付を過ぎ初めて入るお部屋がフロイト家のダイニングルームなのですが、お部屋の壁には、1932年に日本人の精神科医であるHeisaku Kisawaから贈られたという富士山の画が飾ってあったのです。
フロイトと交流して、プレゼントした画が飾られるほどフロイトに印象を残した日本人が当時いたのか?!と、そこに感動しました。
これはあとから調べたことですが、このHeisaku Kosawaとは、「古澤(古沢)平作」先生という”日本精神分析界の父”と呼ばれる方でした。下記の文献には、古澤先生がフロイトに富士山の絵を送ったことが書かれており、あのフロイトミュージアムで掛けられていた絵がまさにそのものなのでしょう。
古澤は1932年1月26日から同年12月29日までウィー ンに滞在し2月11日にフロイトを訪問した。2月13日 付けのフロイトへの書簡で,古澤はフェダーンと話し 合い,精神分析的なセッションに通うことが報告され, フロイトに富士山の絵を贈っている。
これを機に、日本における精神分析の歴史や、フロイトと交流した日本人についてももっと調べてみたいと思っています。
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ちなみに、こちらのダイニングルームを抜けたホールには、フロイト先生ご愛用のお品や所持品が展示されていました。結婚指輪や眼鏡まで。私がもっているイメージそのものだったので、キュンとしました。ただ、義顎(Prosthetic jaw)を見たときは、「そこまで展示しちゃうかー」と思いつつ、顎のがんを患い30回以上もの手術を受けたという事前の知識と目の前の義顎が重なり、フロイトの存在を強烈に感じた展示でした。
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そして、何よりのハイライト。フロイトの書斎には本当に感動しました。広さといい、有名なカウチといい。個人的な感動ポイントは「匂い」です。
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書斎を後にし、フロイト家の階段を登って中二階に進むと、そこにはフロイトの妻マルタと、妻の妹のミンナが、そこで通りを眺めながら縫物をするのが好きだったという、日当たりのよい素敵な空間がありました。窓際にはフロイトの写真が飾られてあったりして、じっくり見て回っていたのですが、その写真の下の本棚に、なんと日本語の本を何冊も発見しました!
「なぜここに日本語の本が?!しかも古めかしい!」ダイニングルームテーブルに続いて、想定外の”日本”の登場に、私はとても興奮しました。あとから調べてみると、フロイトミュージアムで私がみた本たちは、『フロイド精神分析学全集』10巻というものだと思います。こちらは、フロイトの精神分析学の日本での広がり方に関係ありそうですので、これからもっと調べてみたいと思っています。
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階段を登った二階にも展示は続くのですが、私が楽しかったのは、「あの有名なカウチのレプリカに寝そべって写真を撮ろう!」のコーナーがあったことです。娘と交代で、それぞれしっかり寝そべって写真を撮り、満喫しました。
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最後の感動ポイントは、ギフトショップの趣味の良さです。こじんまりしていましたが、グッズはそれぞれクスッと笑みがこぼれるセンスの良さで、みていてとっても楽しかったです。私は、フロイトの好きだった葉巻、の形のチョコレート(いわゆるシガーチョコ)と、Id, Ego, Superegoの概念図が描かれたコースターを自分のお土産に買いました。旅が終わって帰国してから授業のときに、「みてみてー、フロイトミュージアムに行ってきたのー!」とクラスメイトと教授にシガーチョコを見せたら、皆大笑いして「いいなー!」「次ロンドン行ったら自分も行ってみるよ!」と盛り上がり、良いアイスブレイクができました。
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ちなみに、12歳の娘と一緒にこちらのフロイトミュージアムを訪れたのですが、娘に子供用のパンフレットをいただきました。その内容はわかりやすくて、「フロイトはこんな人だったんだよ」、「フロイト先生はなんでロンドンにきたのかな」、「精神分析ってなに?」「有名なカウチに寝そべってみよう!」などという内容が書かれていて、こういうところもいいなと思ったところでした。
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お土産の買い物が終わり、受付の女性に、「この近くにTavistockがあると聞いたのですが」と聞くと、丁寧に行き方を教えてくれ、「そこにフロイト像もあるわよ!」と教えてくれました。フロイト像の前でしっかり記念写真を撮り、いつかTavistockのLeicester Conferenceに行きたいなぁと想いを馳せ、フロイトミュージアムと、Tavistockを後にしました。
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フロイトミュージアムにTavistock前のフロイト像訪問。とっても楽しく、組織心理学を学ぶ者として勇気とエールをいただけたような、そんな楽しい”推し活”でした!なんといっても、フロイトと会った日本人がいたんだもの。
ご興味のある方は、ロンドンに行かれた際に、是非訪れて頂きたいです。
お読み頂いてありがとうございました!
休館日にご注意を。