吉田ヒロフミは何を言いかけたのか？”コケピー”と“デンジドリーム”　について　#103話

こんにちは
なんだかこの間の103話の感想では“デンジの姿”での登場が最高すぎて「デンジ最高」という感想しか書けなかったのでその他いろいろ思っていたことを再度感想を書かせていただきたいなと思います。というか結局今回も前回更新した内容とほとんどカブってしまいました、デンジが最高すぎて。
チェンソーマンに関する更新しかしていなくて本当にうるさいですよね！！！すみません！！！！(反省はしていません)
たぶんチェンソーマンの連載が続く限りはこんな感じが続きます。
よろしくお願いします。

以下、めちゃくちゃ個人的な感想と解釈です。
ネタバレしているのでチェンソーマンを読んでいない人は絶対に読まないでください。

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感想　デンジドリーム #103話

デンジが最高。
もうデンジが最高なんだよ。
はい、、きょうはそれは置いときますね、、。

街頭インタビューしてる女性アナウンサーがぼくの頭の中で平野文さんの声で再生されるのでアニメ化の際は平野文さんでお願いします。

ここまで第二部を読んできて、チェンソーマン否定派は98話のアサだけだったので(ただ100話のアサはチェンソーマンのことは「普通」と言っている)、チェンソーマンはかなりの人気者なんだという認識だったんだけど、飛行船には「チェンソーマンは人喰いアクマ」って書かれていて、
ん？？？ってなった。飛行船って現実的に考えるとかなりお金のかかる事だし、飛行船は広告塔みたいなものだから、マイナスイメージを広めるためにそんな文言で飛行船を飛ばすってことはチェンソーマン否定派も結構強いんだなと思った。
街頭インタビューをあえて否定派肯定派に分けてみると否定８：肯定６でビミョーに否定派の方が多い。テレビはチェンソーマンをもてはやしてはいるけど実際否定派の方が多いみたいだ。

デンジはインタビューで猫を食べることは否定したけど人間を食べることは否定しなかったあたり、デンジはやっぱり嘘がつけないやつなんだなぁと思った。
デンジは確かにマキマさんを食べた(改めて文字にするとすげぇな)。でもマキマさんが生きている限り、マキマさんの死は日本国民の事故や病気に変換されるわけで、デンジが人間を食べなかったらおまいらが事故か病気で死んでるんだぞ！と言いたくなる。

マキマさんが居たときに「実は日本政府が支配の悪魔と契約していて、支配の悪魔の死は日本国民の命に置き換えられます」って情報開示したら日本人は怒るだろうか。『チェンソーマン』の世界の日本国民にはぜひ怒って欲しいけど、リアルの日本人だったら“自分には関係ない”“怒っても変わらない”ってスルーしそうだな…とか考えたりした。…………………………………………………………………………………………………これに関してはもういいや………………………………………。

けどデンジが支配の悪魔を食べたなんて機密事項が外部に漏れることも考えにくいので
「人喰いアクマ」というのは単に悪魔は人間を補食するから、という危機認識なんだと思う。


さて、デンジがとにかく最高。インタビューを最初から最後まで番組スタッフと一緒に聞いてないと答えられないでしょ、これ。半ページ全部デンジの表情で埋まってるの最高じゃないっすか……。今までの読者のデンジ不足を補ってくれる作者の配慮を感じる(感じるか？)しかも表情全部違ってめちゃくちゃ良いよね。良いよねカレ！
チェンソーマンが目の前にいる状態でチェンソーマンコールされるデンジ。まじシュール。

吉田登場。
吉田に「会ったことある」と言われて「ねぇよ」ってめちゃくちゃ怒ってるんだけどなんでだよ？？？(最高)
吉田の「……それが あるんだな」のところは何度読んでも笑う。たしなめ方が影薄いキャラみたいで悲しい。
デンジの「ねぇよ」「オレ 金 ねぇよ」ってリズムが良いし食べ物提示されるとついてっちゃうのも良い。デンジがいちいち良い。

ずっと“偶然”を装っていた吉田がデンジに「アンタ オレんストーカー？」って聞かれてから“偶然”っていう設定を放り投げてストーカーであることを認めていろいろ喋り始めたのが良かった。デンジは建前みたいなものを取っ払う不思議な力があるんだよきっと…。
吉田はデンジに平穏な生活を送って欲しい、そうでないとケーキは食べさせない、とかなんとか言ってナイフとかフォークを取り上げるんだけど、ぼくはこういうこと言ってくる奴が一番嫌いですね。けどデンジが手でケーキを食ってくれたので爽快でした。何にも縛られないデンジ最高。
それに対して怒ることも叱ることもしなかった吉田、なんだかんだ人格者でとても良かった。

吉田と岸辺、吉田とマキマ

「やぁデンジ君　久しぶり」と主人公に声をかける吉田。吉田はもう一人の主人公(主人公って言っても良いよね？)三鷹アサにも声をかけている。
校門の前でうつむいていたアサとは真逆で堂々と天を見ているデンジ。ここすごく良い。
そう、主人公と吉田のファーストコンタクトについてなんですけど、アサとデンジは真逆なんですね。
正体がバレてないアサとバレてるデンジ、
アサと初対面だったのに対してデンジとは再会、
“チェンソーマン”を知らないフリしてた(吉田も探していた)けどチェンソーマンを知ってる(発見した)、
吉田がアサに(ヨルに)口説かれたのに対して吉田はデンジを口説き、
アサは登校時、デンジは下校時、という感じだろうか、、、、。まだまだありそうだな。へぁ～～～～～～～～～～～(感嘆)
たぶん吉田はアサが怪しい人物だとは気づいているけどまだ手を打てない、みたいな感じじゃないでしょうか。これ、第一部で言うと岸辺みたいな立ち位置です。唯一岸辺だけがマキマが怪しいと気づいて接触していた。そしてデンジとも仲が良かったし、マキマ(敵)から匿ってくれたし。まだまだわからないけど吉田が岸辺ポジになるのだろうか。

……とは思いつつ、103話の吉田ヒロフミはめちゃくちゃマキマさんみたいな雰囲気を醸し出していた。デンジがホールケーキに手を入れたときは取り乱したけど、他は常にめっちゃ落ち着いてる。マキマさんの面影が重なるからやめて欲しい。あとデンジを支配しようとするところとか、普通の日常を提案しようとするところとかミステリアスな感じとかその他諸々マキマさんみたいな雰囲気醸し出している。吉田が嫌なんじゃなくて吉田というフィルターを通してマキマさんを思い出してしまうのが嫌だ()

吉田ヒロフミは何を言いかけたのか？

デンジが「バレたらすげーモテちゃう」と言ったあと、吉田が「それは…」と何か言い掛けて口を紡いだ。

ぼくが吉田だったらこの続きはこうだ。

「それはキミじゃなくてチェンソーマンがモテているんだよ」

うわ～ひどいこと言うね～～～。チェンソーマンはデンジであり、デンジはチェンソーマンなのに(吉田は言ってないぞ！)
けど実際、手でケーキを食べてる少年がモテるわけがない。
「バレたいんだったら目の前でチェンソーマンに変身すればいいのに」という意見も目立つが、そんなに簡単なことではないのだと思う。

デンジ自身が、世間では「デンジ」と「チェンソーマン」は別人物だと認識されている、ってことを一番よくわかっているからこそ変身しないのだ。
もしデンジが「自分はチェンソーマンなんだ」と本当に思っているなら、“既にモテている”とデンジが認識していてもおかしくない。しかしデンジはあくまで「モテたい」と言う。デンジは自分が「チェンソーマンではない」ということをわかっている。これは第一部でさんざん「オレが知り合う女が全員オレのこと殺そうとしてくる」という体験をしてきたせいでデンジはいつも、
回りの関心は自分ではなく「チェンソーマン(ポチタ)」に向いていることを嫌というほど味わっている。だからこそデンジは「デンジ」ではなく「チェンソーマン」になろうとしている。

第一部で語った「チェンソーマンになりたい」という夢の続き、「デンジドリーム」がこの第二部なのだ。
デンジの夢は「モテたい」であり、つまりは「チェンソーマンになりたい」ということだ。(“なりたい”と言うと語弊があるのだが、デンジの中では“デンジ=チェンソーマン(同一人物)”なんだけど、世間の認識が“デンジはチェンソーマンではない”になっているから、デンジは世間に認められたいという意味で「なりたい」と表現しているのかもしれない)
このデンジの“認識のされなさ”は第二部の1話(98話)の三鷹アサととてもよく似ている。アサはクラスメイトに名前を覚えてもらえなかった。これまでの感想に書いたが、
“顔のないコケピー”は誰にも認識してもらえなかったアサ、“演技をしないアサ”を象徴するようなキャラである。デンジも世間の風潮に合わせた“演技”とは全く無縁なのでデンジがチェンソーマンだと認識されるためには“演技”が必要なんじゃないだろうか。少しも出来なさそうだけど。しかしコケピーがクラスメイトに“殺さない”と判断してもらった瞬間、死んでしまったことは、デンジが世間に“チェンソーマン”だと認められた瞬間、”死”しかないことを暗示しているようにも思える。…モテた瞬間死ぬなんて不憫すぎる…。
さらにコケピーの死はアサによってもたらされたことからも、デンジがチェンソーマンだと認められた瞬間アサに殺されることも暗示している。(暗示、というかもうすでに言われているが)

話を戻すが、
吉田が「それは…」と言い掛けてやめたのは、
“デンジが「デンジはチェンソーマンだと世間に認められていない」ということをわかっている”
と判断したからそれ以上言わなかったのではないかなぁと思う。

いやもうチェンソーマンは毎回面白くて凄い。
気づいたことがあったら追記します。

読んでいただきありがとうございました。