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デンジの夢を低俗と嗤えるか?

仕事に支障を来すくらいチェンソーマンが頭から離れない。
会社休んでチェンソーマンを読んでいたい、まじで。


いろんな感情が錯綜していて頭のなかがごちゃごちゃだけど今回も11巻までのチェンソーマンのまとまっていない雑感です。


*ネタバレしているので注意!



デンジは本当に素直でひたむきだし、めちゃくちゃ純粋な良い子だと思う。
デンジの夢は「普通の暮らしをすること」だ。
普通の暮らしの中には「女を抱くこと」も含まれており、その“夢”は悪魔にすら「低俗」と言われた。

デンジは女の子への欲望に忠実で、その欲望のために足掻いてもがいて自分の命をかけてまで頑張っている。

そして頑張ったあとに「胸を触る」「キス」などの“肉体的な見返り”をもらっている。

しかしデンジは“肉体的な見返り”をもらうたびに裏切られ、絶望しかしていない

(3巻22話)

(一時期、アニメや漫画で描かれる「ラッキースケベ」は性犯罪だ、と話題になったが、
デンジは「相手が“同意”していることを確認する」という当たり前のことをちゃんとやっていて偉いと思う)

女性のなかでマキマだけがデンジの肉体的欲望(そして精神的な支えでもあった)を満たしていたが
デンジがマキマのことを
「俺んことなんか最初から一度も見てくれてなかったんだ」
というように、
デンジがマキマから感じていたものは“自分に向けられたものではなかった”と気づき、最愛のマキマにすら裏切られていたことを悟る。

彼は最初から最後まですべての女の子たちから、
”本当の意味での愛情”を得ることが叶わなかった不憫な少年だったように思う。(パワーちゃんは例外)

デンジが本当に欲しかったのは“肉体的な見返り”ではなく“愛情”だったと思うのだが、
彼の生い立ちのなかに“愛情”が存在しない限り、“愛情”を知る術が無いから、必然的に
知識として得ることが出来る“肉体的な見返り(性欲)”を”愛情”であると勘違いしても不思議ではない。

デンジの性欲が絶望に変わることによってある意味”性欲は悪だ”というメッセージであると捉えることも出来るがどうだろう…?

だけど「肉体的な見返り(性欲)」と「愛情」を、善(愛)と悪(性欲)に分けることなんて出来るだろうか。
そして愛情と性欲を切り離すことは出来るのだろうか。
出来るかもしれないし出来ないかもしれない。


ぼくの勝手な思い込みかもしれないがチェンソーマンは「愛情と性欲」を裏(?)テーマとしたジャンプでは珍しい作品なのではないかと思っている。(恋と性欲をテーマにした作品はたくさんあるが)

色々凄すぎて藤本タツキ氏は年上だと思っていたのだがググったらぼくより年下だと知ってびびった。



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