あの短歌ってね 1
X(@carda_mm)で短歌を詠んでいるのですが、noteでは短歌の続きの話や裏話をしながら人生についてぼやくコーナー、題して「あの短歌ってね」をやっていこうと思います。
わたしにとって短歌はまっすぐな本心を照らすものなので、このコーナーでもまっすぐ背筋を伸ばして文字を紡ぎます。
第1回はこちら(画像をタップするとXの該当ポストに飛べます)。
あの子とはたまたま同じ色だった
だから想いは実ることなく
わたし、そこそこ恋愛短歌詠んでるんですけども、𝐡𝐚𝐩𝐩𝐲なものは少なくてほとんどが片思いか失恋なんです。これはわたしの恋愛経験のなかで𝐮𝐧𝐡𝐚𝐩𝐩𝐲なものが多いからだと思う。この短歌を紹介することで、わたしの恋愛短歌の基本的なスタンスが伝えられるかなと思ったので今回選びました。
いきなりですが、なぜわたしには𝐮𝐧𝐡𝐚𝐩𝐩𝐲な恋愛経験が多いかしゃべりますね。
女性として生まれたわたしは、自然と男性のことを好きになってお付き合いして結婚とかするのかな〜とかぼんやりあぐらかきながら考えてたけど、22年生きてきて自分から男性のことを好きになったことがないんですね。これは親しい友達にもほぼ言っていない初出情報。
男性の方とお付き合いした経験は何回かあるのですが、「いい友達だけど、『𝐥𝐨𝐯𝐞』の感情かと言われると…までも、付き合ったら好きになるかもだし」という不誠実な思考を巡らすために、告白されてから返事をする前に毎回「ほ〜〜う」という相槌を打つようになりました。意志が弱いわたしがどんな解答をするかなんて、わたし自身が一番わかってるのにね。
「いやいさなさん、男性のこと好きになったことないのに『𝐥𝐨𝐯𝐞』の感情が何かなんてわかるんすかww」みたいなツッコミが来そうなので本題に戻りますけど、わたしの恋愛対象って多分女性なんですよね。そしてこれが、「なぜ𝐮𝐧𝐡𝐚𝐩𝐩𝐲な恋愛経験が多いか」に対する答えです。「多分」ってつけたのは、わたし自身よくわかってないからというのと、それを正面から認めたくないわたしがいるから。LGBTQのあれでいうとLになるんかな?ただわたし自身がそのカテゴライズで括られるのが好きではないので、セクシュアリティについては「これ!」って決めないようにしてます。🏳️🌈のマーク見ると指差しされてるような感覚になって目眩と吐き気がするんですよね、このマークはかなり苦手です。こんな当事者もいるもんですね。
「わたし自身よくわかってない」、「認めたくない」と言いつつも、一目惚れの相手は習い事が同じ女の子だったし、初めてわたしから告白して見事振られた相手も女の子で、今好き(かもしれない)人も女の子だから、「よくわかってない」は嘘なんですよね。もうこれだけ統計出てれば答えは明確です。だけど、「両性の合意」と表現されるくらい異性愛が当然とされている世間で、自身が同性愛者(かもしれない)ということを認めてあげる心のスペースはわたしにはなかったです(同性愛がどうだ異性愛がああだ憲法24条が〜ってやいのやいの言うつもりはないです)。
こんな感じの背景だから、わたしの詠む恋愛短歌は基本的に片思いか失恋の寂しいものになりがちなんですよね。
「あの子とはたまたま同じ色だった」
ここでの色は性別を表してます。例えば「お揃いのキーホルダー」、「好きなアーティストが同じ」、「味覚の好みが合う」みたいに、好きな人との「同じ」が増えることって嬉しいことのはずなのに、どうしてか「色」が同じだったら全く嬉しくなくて、むしろ絶望なんですよね。
よく、「好きになった人がたまたま女の子だったんだよ」って同情?慰め?てくれる友達がいますが、その度にわたしも「たまたま」でこの色の一致を片付けられるほど楽観的になりたいなぁ…と思います。ネイルの色変えよ〜ってノリで変えられないですからね(でも今思うと、その友達はあえて楽観的な態度で相談に乗ってくれたんだと思います。ほんとうに深刻に考える必要ないよ!って意味かもしれないし、死が迫っている人に与えるやさしさの類と同じかもしれません)。
「だから想いは実ることなく」
想いが実らないのはわたしとあなたが同じ色だったから。一見、「まぁそうだよね」って納得しそうになりますが、想いが実るか実らないかなんて、伝えなきゃわからない。なのに勝手に想いが実らないと決めつけていて、わたしとあなたの色がたまたま同じ色だったことを免罪符にすることで、単に伝える勇気がないことを誤魔化している、とも読めちゃうんですね〜。
また、「実ることなく」って中途半端に終わらせていて、その先のストーリーがありそうな雰囲気にしてみました。この先はリアル世界を生きるわたしの片思いに繋がってくんですかね〜。
う〜む、三十一音、奥深い…。
長々となってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。こんな感じで、わたしが詠んだ短歌を通じてとある22歳大学生(2024年12月現在)の世界を楽しんでいただけたら幸いです。
最後に該当ポストのリンク貼っときますね。