後藤杏奈 Anna Goto

2023年に歌い手として「後藤杏奈/Anna Goto」でデビューしました。ここでは音…

後藤杏奈 Anna Goto

2023年に歌い手として「後藤杏奈/Anna Goto」でデビューしました。ここでは音楽のことや、日々想う海のこと、存在することの不思議について、船旅で得た社会問題への視点、自然と人間の関係を捉え直すための考えなど色々書いています。

最近の記事

蓋を開けてみる

パパがいなくなってから3年、当時のパパの声や音楽を聴き返す勇気がありませんでした。 でも年に数回くらい、聴いてみようと思う時があります。 昨夜は、久しぶりに"Sound of Silence"の生演奏を聴いたので、パパと一緒に昔歌ったなあと思い出し、音源を開いてしまいました。 声を聞いた瞬間、わあ〜〜と溢れました。 パパの歌声も、ギターも大好きだった、それを見つめることが今大事でした。 色々なところでギターをやっている人に会うと、パパはこんなんだったな、と思い出して、無

    • 航海を経て想う「存在」と「死」と

      死ということについて書きたい。 最初にお伝えしたいのは、この文が目に留まった皆さんの間に、死に関わる何らかの体験があったり、信条や信仰などによって死というものを避けたいと思う人がいることを想像していて、そういう方にはこの文を見送ってほしいと思う。 さて、わたしは3年ほど前に父を亡くした。 父が死ぬ2年ほど前、ずっと一緒に暮らして影響を受けてきた祖父が死んだ。 その少し前には、小さいときからわたしや家族を見てくれていた、まだ若かった近い親戚のお母さんが、もう一人の祖父が、さ

      • 音楽が正面に来るまでのこと

        音楽の世界を探求してみたいと、一歩踏み出すには、色々あった。考えてみると、諦めたものもいくつかあった。 なんでか、小5くらいの時にJICAの協力隊に憧れ、戦争や貧困などに影響を受けている人たちを助けなければいけないと思っていた。とても漠然としており、どこか遠くの地を想像していたのだと思う。その漠然とした気持ちは高校〜大学に行ってもさほど変わらなかった。大学で職業について考え始めた頃、自分は地域開発や国際関係を学んで、いわゆる国際協力の業界に行くのだと思っていた。 ある程度

        • 南洋を巡る旅のはじまり

          2022年の夏。 当初、奄美大島に行くあては何もなかった。この旅の大きな目的は、九州地方での身内の集まりに参加すること、それから奄美大島のお隣にある喜界島という島で、サンゴ礁に関わる人類学系のフィールドワークに参加することだった。ただ、鹿児島市内から喜界島に向かう頃、市内のビーガンカフェ「ベジタス作楽」に偶然立ち寄り、そこでの出会いが予定を変えることとなった。 「ベジタス作楽」の店内に入ってみると、木と煉瓦でつくられたカウンター、次に温かないくつかの照明が目に入った。店内は

        蓋を開けてみる