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Noitaというゲームの面白さ(一層目編)

Noitaというゲームにハマっている。
だいぶ前からウィッシュリストにはいれていたのだが、3月ごろに行われていたセールで購入してやりだしたら、ほぼ毎晩このゲームに時間を喰われるようになってしまったのだ。
ゲームの紹介なんてするつもりはない。これはあくまで俺の日記なので、思うことをどんどん書いていこう。

あらまし

まず、このゲームに対する購入前の印象だが、ピクセル単位で物理演算が走る2Dゲームという点だけ知っていて、プロモーション動画からはやたらとキラキラした映像が印象的だったので、テラリアに近いようなピクセル2Dアクションで、ドット単位で動くあれこれが楽しいんだろうなーというくらいだったので、セールがあっても購入にまでは至らない、触手が伸びずにいたのだが、この印象は全く間違っていた事が、購入後にすぐわかる。

こいつは表現としては2Dピクセルアクションを使って入るが、その中身は大変硬派なローグライクアクションだったのだ。
このゲームが硬派たる所以として、一回一回のトライから持ち帰られるのは己の経験のみ、鍛えた杖や、レアな回復ポーションも、決して持ち帰ることはできない。一回の命はそれっきりなのだ。
このゲームによって俺の無職期間でやりたかった他のゲーム(ブレワイとか、STALKER GAMMAとか)は完全に脇に追いやられ、可処分所得時間はもりもりと減っていった。
まだ4回ほどしかノーマルをクリアしておらず、ナイトメアでは2階層程度しか進めないぬるい魔法使いだが、このゲームに対するいいなと思うこと。恥ずかしげもなく表現するなら『愛』を記しておきたいと思う。

知識と経験を与えるゲーム設計がすごい

前文に書いたとおり、Noitaは大変硬派なゲームだ。
雑なアクションをすれば1階層目で死ぬのはざらで、最初の頃は3階層目まで辿りつければ上出来、偶然で4階層目を突破できても5階層目は絶対突破できない。という具合だった。
そして持ち帰られるのは、死により得られる知識と経験のみ。だが、この知識と経験を与える設計がすごく良くできているなと最近になって思ったのだ。

基本を叩き込む一層目がすごい

Noitaをやりこんでいくとまず学ぶのは、焦ってはいけないという事だ。
このゲームの敵は一撃が大きく、また射撃系の敵の狙いはかなり正確だ。
故に視界の外から敵を先に倒すクリアリングと、囲まれないように慎重に降りていくルート取りが重要になってくる。これを学ぶための要素が一層目にしっかり作られている事がわかってきたのだ。

学び1:しっかりクリアリング

Noita一層目は基本的には水平に伸びた坑道が、ところどころ縦につながる階層型の構造をしている。なので、自分がどこを通ってきたか、遠くに見える杖やアイテムもどう通ればたどり着けるか把握しやすい。空間把握のストレスが少ない作りになっている。
この中で現れる敵として、毒の液を撒き散らす浮遊する敵がいる。
この敵は単純に遠距離攻撃をしてくるので、それを避けながら戦う訓練にもなるのだが、これに攻撃を加えたり倒すと、毒の液を下方に撒き散らす性質がある。
下方に撒き散らすので、こいつを下から倒そうとすると当然余計な毒ダメージを食うのだ。これを避けるにはできるだけ水平か、上から戦うことになる。この戦術はNoitaの基本であり後半まで終始使う事になるのだ。これを一層目からやらせるのが、すごい。本当によくできている。

学び2:水の活用

そして、こいつが出す毒。この毒も一層目によく出てくる。
この毒は水によって中和できるし、毒を浴びても水を被ることで比較的すぐにどかすことができるのだが、これがわかるまでは、かなりこの毒の継続ダメージで体力を持っていかれる。
また、一層目は爆発物、ランタンが多く設置されており、マップの多くを構成する木の床、砂を燃やしてどんどんとエリアを燃やしていく。体に火がつくと継続ダメージが入ってくるため、これも慣れないうちは体力をゴリゴリ削っていく。
しかし、服が濡れている状態だとこの火はほとんど引火しない。この性質がわかると燃え盛る炎の中に大量に出てくる敵の落とした黄金も悠々と取りに行くことができ、金策も体力も安定する。
毒も火も共通して対抗できる水。これを駆使できないとNoitaをクリアすることはできない。これを練習する要素をうまいぐあいに一層目に配置している。
何度も死んではやり直しが発生し、更に操作の習熟や法則の理解を求める2DアクションローグライクのNoitaが、ここまで面白いのは、この一層目の設計が良くできていることに起因しているように思う。

ここまでクリアリングと上層から徐々に降りていくこと、水の活用という2点をいかに一層目の設計でレクチャーしてくれているかということを記したが、一層目での学びはこれだけに尽きない。

学び3:敵に囲まれるな

一層目にはどんな弱い放射物でも一撃で倒せる敵がいる。金塊程度のサイズで見るからに弱そうだし、実際耐久力の無いこの敵だが、これが複数集まっているところに迂闊に飛び込むと、体力の15%ほどを持っていく体当たりを、同時に食らって瞬殺される。
迂闊な行動をするなという基本的な学びもこの敵からは得られるのだが、もう一つNoitaを遊ぶ上で必ず避けるべき『敵に囲まれるな』という要素を、この一層目の敵は教えてくれる。
Noitaは進めれば進めるほど、ルートの自由度が下がり、深い穴や見えない先に進む事が出てくるが、そこで発生する死因の多くは複数の的に囲まれて袋叩きに合うケースだ。なので、できる限り一対一の状態を作り出して、一体ずつ敵を処理するのが定石である。という事を一層目の柔らかい敵でレクチャーしている。敵には決して囲まれるな。これが一層目で得られる3つ目の学びだ。

学び4:無理な戦いは避ける

一層目で得られる学びはまだある。
Noitaでは各階層にかなり強力な敵が配置されている場合があり、一層目でも同様だ。頑張れば倒せなくも無いが、正面から戦えば辛く勝利できたとしても体力の多くを失うことは避けられない。
では、どうすればよいのか?
答えは単純、気づかれてなければ下手に戦わず逃げる。戦わないのだ。

Noitaには様々な呪文が存在し、それらを組み合わせることで、上位の敵を瞬殺する一撃杖ができたりする。
ただ、これはあくまで運であり、うまい杖ができなければ敵を倒すにも苦労する局面がありうる。Noitaに限らずローグライクはいかにリスクを取らずに進むかを突き詰めていく遊びであり、敵と相対したときに戦って処理する事は必須ではない。戦うことより逃げることのほうがリスクが低ければそれを選択しても良い。それも一層目で学ぶことができる。4つ目の学び。無理な戦いは避ける。

まとめ:Noitaはの一層目はすごい

さて、他にも一層目では火の動きであったり、爆発物で壊せる範囲などNoitaの基本が学べるように作られている要素が他にもあるが、もう書くのが疲れてきたのでこれくらいにする。

とにかく、経験しか持ち帰れない硬派なローグライクゲームで一層目の難易度というのは、結構シビアなところがあるんだろうなと容易に想像がつくが、これに対してNoitaは大変絶妙な設計になっていると感心する。
これが難しすぎれば何度もトライする事ができなくなるし、逆に簡単すぎると、その後時間を使った深い層でやられてしまい、もう一回やろうに繋ぐことができない。(それか全然骨の無いただの2Dアクションになるだけだ。)

冒頭に記載したとおり、Noitaは慣れないうちは一層目でも全然死ぬ。だが、ちゃんと技術を身に着けて、法則を理解すればまったく危なげなく探索ができる。そして、しっかり探索できるようになると、敵を倒すことで金塊も多く得られるし、何よりもフィールドに散らばるランダムに生成される杖を獲得できる可能性があがり、さらに下へ進める可能性が上がっていく。

更に一層目で得た杖とスペルの組み合わせによって、難易度やリターンが大きく変わる二層目の作りも大変良くできているのだが、これはちょっとまたの機会に書こうと思う。

とにかく、Noitaは技術と経験しか引き継げない設計になっているにもかかわらず、その引き継いだ技術と経験によるリターンを下層でしっかり得られるようになっていることが、何度でもやりたくなる中毒性が高いものになっている一つの要因になっていると思う。

そして、これだけだとNoitaはすげー操作性に寄せた硬派なだけのゲームに見えるかもしれないけど、杖とスペルの理解が進むと、下層ではかなりヒャッハーなプレイもできるようになり、この経験(と事故死の悔しさ)がまたリプレイ性、中毒性を高めている。(また今度書きたい)

はー、面白いゲームってのは考えてみるとしっかり理由があって、本当すごいし、ここに至る人間の凄さみたいなものも感じられて、学びがある。

さて、Noitaやってきますね。

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