21/2/13 「"らしさ"と"らしくなさ"」レスター対リヴァプール PL第24節マッチレビュー~元野球人のサッカー観戦記第13試合目~

こんにちは。久々の大きな地震に、ちょいと動揺した元野球人です。

本日は、その地震が起きた時に行われていた勝ち点43で3位のレスターと、勝ち点40で4位のリヴァプールの「シックスポインター」です。

まるで、地震が日本の大地だけではなくイギリスのこの試合も動かしたかのように、タイミングよく展開が一変しました。

会場はレスターのホーム、キングパワースタジアム

主審はアンソニー・テイラー

〇スタメン

 レスターは、前節引き分けたウルブズとのリーグ戦から4人のスタメン変更。ジャスティンが怪我で離脱。一方で、ヴァーディーとエンディディがリーグ戦スタメン復帰。

OUT:ジャスティン、チョーダリ―、ペレス、イヘアナチョ

IN:アマ―ティ―、エンディディ、オルブライトン、ヴァーディー

 シティに敗れ、クロップ体制で初のリーグ戦連敗を喫してしまったリヴァプールは、前節から2人の変更。ファビーニョが怪我でベンチ外ということもあり、カバクがリヴァプールで初出場初スタメン。

OUT:ファビーニョ、チアゴ

IN:カバク、ミルナー

〇マッチレビュー

 3-1でレスターの勝利となったこの試合。2失点目以降と、ある時間帯を除いては、試合を優位に進めていたのはリヴァプールであった。

・"プレス"という風が吹けばリヴァプール、止めばレスター

 レスターのスタメンSBの配置から、彼らはリヴァプール相手にボールをある程度は保持するという算段だったのだろう。そうでなければ、ペレイラを右にし、アマ―ティ―を形式上のLSBといった、実質3CBという選択肢を取っていたと思う。

 その目論見を壊したリヴァプール。チアゴではなくミルナーを選んだ彼らは、試合開始からフルスロットル。より素早く連動してレスターに襲い掛かり、レスターにボールを落ち着かせることを許さなかった。

 攻撃にも素早さがあったリヴァプール。確実性は二の次のようであった。中盤を省略し、最終ラインから前線へボールを送るシーンが目立つ。特に、ヘンダーソンがサラーに蹴る対角線のフィードは、まるでファン・ダイクのよう。やや高めに設定されていたレスター最終ラインの裏を突いていた。

 17分にミルナーがハムストリングの違和感でチアゴと交代。チアゴが投入されてもリヴァプールのリズムはほとんど変わらず。相変わらずトランジション合戦が続いた。

 そんな展開が変わったのが35分。リヴァプールの足が止まり、エヴァンズが落ち着いてボールを保持。レスターはそこからすんなりと決定機を作る。これが彼らの当初のプランであっただろう。

 前半は互いに決めきれず、スコアレスで終える。

 開始からフルスロットルで試合のペースを握っていたリヴァプールは、先制したかった前半であった。それを阻んだのが、再三のビッグセーブをしたシュマイケルと、ボールを奪いまくったエンディディ。両者は圧巻の出来であった。

 レスターにも、ノリに乗っているヴァーディーであれば決めていたであろうシーンは複数あった。そんなシーンで決めれていないのが最近のヴァーディー。

・リヴァプール”らしさ”と”らしくなさ”

 前半のフルスロットルとは言わずとも、後半開始からもリヴァプールはハイプレスを実行する。その差の分、レスターがボールを段階的に運ぶシーンは、早い時間帯からみられた。それでも、リヴァプールが主にボールを保持するという前半からの構図は変わらない。

 スコアが動いたのは67分。レスターのカウンターの芽を早い段階で繰り返し摘んでいたリヴァプール。そんな彼らがショートカウンターから先制する。

 アシストしたフィルミーノも、ほぼノーステップでの正確なシュートを放ったサラーも、見事であった。これぞリヴァプール。待望の先制点を手にした。

 先制した直後も、構図は大きく変わらずレスターゴールに迫るリヴァプール。しかし、69分のように足が止まるシーンがみえてくると、レスターがリヴァプール陣内でプレーする場面が増えてきた。

 そこで目立ったのがバーンズ。鋭いドリブルで71分に左サイドボックス付近でFKを獲得。その数分後にも同じような位置でFKを獲得。そのFKをマディソンが直接決めてレスターが78分に同点に追いつく。

 リヴァプールのキックオフで試合再開というところで揺れ始め、地震の対応をしているうちに、アリソンとカバクの連係ミスでレスターが追加点をあげる。

  シャルケでプレーしていたカバクは、このアリソンの飛び出しにはとても驚いたに違いない。なんせシャルケはブンデスリーガでポゼッション率が一番低いチームである。(transfermarkt参照)

 逆転され、動揺が隠し切れないリヴァプールはボールロストを連発する。アリソンが立て続けにビッグセーブをみせるも、防ぎきれず。3失点目を許してしまい、ゲームセット。

〇終わりの一言

 シックスポインターに勝利したレスター。気になるのはヴァーディーのコンディション。得点をあげたものの、その前後の決定機を決めきれなかったのは気がかり。来週からはELのトーナメント戦が始まり、リーグ戦、FA杯の3つを同時にこなしていくことになる。厳しい日程を勝ち抜くにはヴァーディーの復調は必要不可欠だ。

 3連敗となってしまったリヴァプール。VARの判定は手厳しいものであったが、仮にオフサイドの判定でも、フルスロットルでプレスが出来ない状態で守りきれたかと考えれば微妙である。今節、チェルシーが勝利すれば5位に。加えてハマーズも勝利すれば6位まで落ちてしまう。クロップが発言していた通り、メインターゲットはCL出場権の獲得だろう。

今回はここまで。あざした!

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