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サブスクリプション vs 定額サービスのとっても大きな違い

こんにちは。からだケアです。

あるリラクゼーションサロンを営んでいる方から「サブスクって、定額サービスことでしょうか?」という質問を受けました。

確かにサブスクリプションを略してサブスクと呼ばれ、定額サービスの意味で使われるシーンを良く見かけますよね。ただ一方で、サブスクリプションの本質はそこではないハズ!・・・というわけで、サブスクリプションについてあらためて整理しました。

サブスクリプションの背景

もしサブスクリプション=定額制サービスであれば、たとえば、従来の新聞配達サービスも「毎月3,000円で新聞を届ける」定額サービス、つまり、サブスクリプションってことになります。これだと単に表現を、横文字にしただけになってしまいます。

「モノを所有する時代」から「利用する時代」へといわれて久しいです。車を購入し所有しておく価値観は薄れていき、カーシェアリングのように使いたいときに車を利用できるサービスが多くなってきました。

音楽もよく出される例ですね。「CDを購入」から「音楽を聞く」へ。CDを買いにCDショップへ行くことはせず、spotifyやApple Musicで配信された音楽を聞く人が多い。

「モノを買う」から「サービスを利用する」へシフトし、その中でサブスクリプションという概念が生まれました。

お客さんを理解すること

サブスクリプションは確かに定額サービスで展開されていますが、それだけだと先ほどお伝えした通り、単に横文字に置き換えただけになってしまいます。サブスクリプションで大切なことは「お客さんを理解する」こと。

もちろん完ぺきな理解などできないので、正しくは「理解するようつとめていく」ことだと思いますが、ここでは「お客さんを理解する」という表現で、すすめますね。

もちろんこれまでの定額サービスもお客さんのことを知っている部分はあるかと思いますが、サブスクリプションで使う「お客さんを理解する」とは根本的な違いがあります。

再び新聞配達を例にしてみます。

新聞配達サービス提供者も、お客さんの名前や住所、家族構成、住まいがマンションか一軒家か、いつ契約してくれたのか等は知っているでしょう。お客さんの特徴も知っているかもしれません。

けれどお客さんと「新聞を読む」ことの関係性までは把握していないですよね。たとえば、

・新聞はいつ読んでいるのか
朝、夜?日によって?実は読んでない?

・よく読む紙面はどこか
経済面?政治面?スポーツ?テレビ番組表だけ?

・読み終わったあとの新聞はどうなるのか
最後に読んだ人が捨てる?捨てずに野菜や果物を包むためにとっておく?

ここまでは把握できないですよね。

もしもサブスクリプションになったら

従来の新聞配達サービスが、サブスクリプション化したらどうなるのでしょうか。まずは「お客さんを理解する」ことからスタートします。お客さんが新聞とどう関わっているのか。

たとえば、

1.最初にスポーツ面を読んで、そのあと政治→経済面の順で読む
2.子供は、テレビ番組表だけチェックしている。
3.読み終わった新聞はとっておいて、野菜や果物の包み紙として利用する

こんな風に新聞を使っているある家族に、どのようなサービスを提供できるでしょう。

たとえば↓↓↓こんな感じでしょうか。

1.紙面の順番をスポーツ→ 政治 → 経済の順番に変更する
2.テレビ番組表は、子供向け番組をピックアップしてみる
3.新聞本体とは別で、野菜や果物の包み紙をサービスする

3番目はちょっと極端ですが(笑)いずれにしても、これまでにない視点からサービスを提供できます。

考える視点がかわる

そう、視点がかわるのです。サービスを考える視座はぐっとあがります。

インターネットやスマホの普及によって、本当の意味で「お客さんを理解する」ことができるようになってきました。

音楽配信サービスでは、聞く人の好みに応じて曲をセレクトしてくれます。従来の「CDを購入して聞く」の場合は、普段どのような曲を聴いているのかまで理解することはできませんでしたが、オンラインの場合はデータを活かすことができるため、お客さんへの理解がすすみます。

リアルな場で価値を提供する治療院やリラクゼーションサロンには、関係ない話かな?と思う人もいるかもしれませんが、「お客さんを理解する」手段はもちろんオンラインだけではありません。

お客さんとの接点では、リアルな場は最大にフォーカスされるべき瞬間でもあります。オンラインのみで展開しているサービスは、逆に、このリアルな場で接点を設けようと工夫しています。

つまり、サブスクリプションの本質は「お客さんを理解する」にあり、その手段として、オンラインとオフラインがあります。さらにいえば、オンラインとかオフラインとかはどちらでもよく、大切なことは「お客さんを理解する」ことです。

お客さんを理解する→定額サービスへ

お客さんを理解し、お客さんのためのサービスを考えたその先に、定額サービスがあります。この順番が大切です。決してその逆ではないからです。

つまり「お客さんを理解する」ことなしに「定額で通いたい放題」や「定額支払えば毎回○○円割引」をはじめることは、定額サービスをスタートであって、サブスクリプションのスタートとはいえないということです。

どんなに素晴らしいビジネスモデルも、表面を真似てただけでは良いサービスは生み出すことは難しい。お客さんを理解せず、サブスクリプションを成立させることはできません。なぜなら定額で「利用し続ける」状態は、お客さんとずっとつながっている状態だからです。自分にとって必要がないものは、利用し続けないからです。

サブスクリプションは、究極の顧客第一主義ともいえますね。

治療院・サロンでサブスクリプションを考えてみる

治療院・サロンにおいて、どのようにサブスクリプションの要素を取り入れていけば良いでしょうか。

お客さんの主訴は大きな点をしめるでしょう。その痛みや違和感を改善したいために治療院やサロンへ来院したからです。一方、お客さんが真に望んでいることは、その奥にあるかもしれませんね。明確に言語化できない真なるものを探ります。

もちろん言葉でいうほどこの「真なるもの」の探求は簡単ではありませんが、それを理解することなしにサブスクリプションは成立しません。

ほかにも予約日や時間の傾向、予約手段、来店頻度、メニューなどの予約を通じた行動から読み解けるものがあるかもしれません。

そういったトータルで考えた結果として「定額で提供できるサービス」はないかを検討することがサブスクリプションを取り入れる第一歩になります。

お客さんが真に望んでいること × 定額だからできること

一方で、定額だから提供できることもありますよね。たとえば「定額で月2回、からだのメンテナンスが受けられる」というサブスクリプションを考案したとします。これはお客さんが実際に月2回はメンテナンスを受けたいと真に思っていることがわかってからの発想です。

思ってはいるけれど、忘れてしまったり、ついついあとまわしになってしまう。なので、忘れないようリマインドしてあげたり、2回分の予約を前月の段階でとっておくとったことも含めて提供が必要かもしれません。

さらに月2回の来院が決まっているからこそできる施術自体も、サブスクリプションならでは価値提供になります。

このように【お客さんが真に望んでいること × 定額だからできること】この組み合わせが治療院やサロンにとってスペシャルなサブスクリプションになりますね。

お店を経営していく上でなにかのヒントになればうれしいです!
それではまた!

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