見出し画像

キミならば、この困難もきっと乗り越えてくれる。“私たち”はそう信じているよ。『ジャストワン』

こんばんは、きゃらべのワタルです。

「船頭多くして船山に登る」という言葉があります。「どんな困難なこともみんなで力を合わせれば乗り越えられる」という解釈の誤用があるらしいですが、実際には「指図する人が多いと統率が取れずとんでもない方向に物事が進む」という意味を持つ言葉です。

確かにみんなで協力して困難なことに立ち向かうというのはすばらしいことです。ですがたとえどれだけたくさん頭数をそろえても全員がバラバラの方向を向いていたとしたら、それはまさしく烏合の衆、人数の多さが却って仇となってしまうことでしょう。無秩序に集まった集団で何かをなさんとするのはとても難しいことなのです。

では逆に、「全員の向いている方向、進むスピードまで寸分違わずぴたりと合っていたら」どうでしょう?普通に考えれば集団行動においてはこの上なく理想的な状態なのでしょうが、どんなことも度合いとTPOが大事というもの。今回紹介する『ジャストワン』「ぴたりと合うことでとんでもないことになることもある」ということを我々に教えてくれるゲームです。一筋縄ではいかない状況であなたはどれだけ隣人たちを理解しているのか?どれだけ隣人たちを愛せるのか?

それでは本日もレッツトライ。

どんなゲーム?

画像1

『ジャストワン』は協力型の連想ゲームです。ざっくりとルールを説明すると「みんなが出してくれたヒントから答えを連想する」「ただしヒントがダブったときにはそれを見せることができない」というもの。

なんとこのたった3行の説明でこのゲームの9割は理解できたと言っても過言ではないので、驚きのお手軽さですね。最近長めの記事ばかりを書いていたワタシが一番驚いている次第です。

しかし、やること自体は単純ながら、「ヒントがダブったときにはそれを見せることができない」という制約によって決して侮ることのできないゲームになっております。そんな手軽さと奥深さを兼ね備えたゲーム性が高く評価され、『ジャストワン』「ドイツ年間ゲーム大賞2019」の栄えある大賞を受賞しました。

Just now ! ヒントはこれだ!

画像2

ゲームを始める準備として、各プレイヤーにマジックとイーゼルを配っておきます。このイーゼルは後から説明しますが、お題を答える時にもヒントを出す時にも使える優れモノです。
そして「お題カード」を13枚抜き取りそれを山札にしておきます。この「お題カード」には1から5までの数字が割り振られた5種類のモノの名前が書かれています。なんとたったこれだけで準備完了です。セッティングのお手軽さもピカイチですね。

画像3

それではゲームスタートです。まず適当な方法で「答える人」となる誰かを選びます。この人が「頑張ってお題を当てにいく人」ということですね。残りの人は「当ててもらうためにヒントを出す人たち」となります。「答える人」になったプレイヤーは山札からカードを1枚抜き取り、他の人に見えやすいようにイーゼルの上に配置します。このときに「答える人はカードに書いてあるモノの名前が見えないように」気をつけながらイーゼルに置いてくださいね。そして1から5の好きな番号を声高らかに宣言して、「今回のお題となるモノの名前」を決めます。今回は「5番の夏」をお題に選びました。「答える人」はこれ以降はしばらく目を瞑るなどしておくとスムーズにゲームが進むことでしょう。

画像4

次に「ヒントを出す人たち」「今回のお題」を確認次第、イーゼルに「お題に到達できそうなヒント」となる単語を1つ記入します。今回は「夏」がお題になるのでこれにまつわるヒントを何か1つマジックで書いてください。この時には「答える人」にはもちろんのこと「自分以外のヒントを出す人たち」にも見えることがないようにこっそりと記入するようにしてくださいね。もちろん、他の人と話し合ってヒントを書いたりするのもご法度ですよ。

この「ヒント」となる単語なのですがいくつか制限が設けられいてます。まず「外来語を日本語に、日本語を外来語に直接翻訳した単語」は禁止です。例えばもし「海」というお題だったときには「シー」「オーシャン」「ラ メール(仏)」「マーレ(伊)」「ハイ(中)」「モーリエ(露)」「バハロン(アラビア)」・・・などを書いてはいけません。逆もまた然りです。さすがに「モーリエ」「バハロン」というお題はゲーム中に見たことありませんが・・・。

また、「同音異義語」もヒントにすることはできません。「海」に対して「産み」とか「膿」とかですね。そして「お題の言葉が含まれている単語」もヒントにすることはできません。「海」に対して「海水」とか「熱海」とかです。

以上の制約に触れない単語を考えることになります。書いてる途中で「このヒントってどうなのかしらん?」と不安に思ったら、説明書で確認したりなんだったら他のプレイヤーにそれとなく聞いてみたりするのもいいでしょう。『ジャストワン』の半分他者を思いやる「仕方ないね」という心で出来ています。優しく質問をすれば優しく答えてくれることでしょう、たぶん。

画像5

「で、いろいろ聞いたけど結局どんなヒントを書いたらいいんだ?」と思うかもしれませんが、あまり難しく考える必要はありません。割とストレートなヒントを書けばいいのです、今回の「夏」というお題に対して「季節」や「暑い」というような形で。『ジャストワン』は「協力型ゲーム」、自分以外にも「ヒントを出す人たち」はたくさんいます。一つ一つだけでは意味がわからないヒントでも数が集まればお題を辿り着くことも十分可能。むしろ「答える人」にとってはそういうわかりやすいヒントの方がとてもありがたいものなので、こういうストレートなヒントを出すという姿勢はこのゲームにおいてはとても重要です。

ただし、このゲームのキモとなっている「他とヒントがダブったときにはそれを見せることができない」というルールも同時にお忘れなく。いくらわかりやすいのが大事とは言え、あまりにも大きく振りかぶったド真ん中火の玉ストレートなヒントだとその分他の人ともダブってしまう可能性が高まってしまいます。もしかするとさっきの「季節」や「暑い」も他に書いている人がいるかもしれませんね?

「どのぐらいのわかりやすさまでを攻めるのか?」は自分たち次第。バランスのとれた最適なヒントをひねり出しましょう!

Just a Moment ! お題は何だ!?

画像6

こうしてヒントを全員書き終えたら、いよいよ「答える人」にオープン!・・・の前に一度「ヒントを出す人たち」だけでチェックします。もし全員が違うヒントを出していた場合は、全てのヒントを「答える人」に見せることができるのですが、写真だと「季節」がダブっておりますね。こういう場合はダブった両方ともヒントとして出すことができなくなり、イーゼルをパタンと倒しておかなくてはならなくなります。倒れたイーゼルを見てるとなんかちょっと切ない気持ちになってしまいますね。せっかく悩んでヒントを決めたのに・・・。

誰ともダブらずに残ったイーゼルは「答える人」の方へ向けておいてください。ここまでの作業で「ヒントを出す人たち」のお仕事は終了になります。あとは自分たちのヒントから無事に正解にたどり着いてくれるのをただひたすらに祈るのみ!

画像7

そしてお待たせしました、「答える人」はこのタイミングでようやく出揃ったヒントを確認することができることになります。目の前に並んだヒントから今回のお題を推測して、答えがわかったら「お題は〇〇ですね!」と宣言しましょう!答えるチャンスは1度しかありませんので、よ〜く考えてくださいね。

画像8

こうして見事正解した時には「今回使ったお題カード1枚」を得点として獲得できます。逆にハズレてしまった場合は、「今回使ったお題カード1枚」と合わせて「新たに山札から抜き取った別のお題カード1枚」を捨て札として処分してしまうことになります。このゲームは最終的に「山札の13枚中いくつのお題に正解することができるか?何枚のお題カードを獲得することができるか?」というスコアアタックにみんなで挑む形になっており、正解すれば1ポイント獲得できます失敗すると2ポイント分を失うという設計になっています。13枚しかない中での2枚ロスなので、ペナルティはなかなか重ための配分となってるということがご理解いただけることでしょう。
ちなみに「パス」の宣言をすることも可能です。その時は「今回使ったお題カード1枚」だけを失うことになるので、下手に当てずっぽうで戦うよりはダメージを抑えることができます。どうしてもわからない場合や、ヒントの被りがたくさんあってほとんどヒントをもらえなかった場合などには思い切って「パス」してしまうのもアリでしょう。

画像9

このゲームの特徴上、正解に辿り着けるかどうかはやはり「ヒントの多さ」と「ヒントのわかりやすさ」のバランスにかかっています。「全員ダブってヒントが1つもないよぉ・・・」というのは考え得る限り最悪な(そして最高に笑える)展開ではありますが、逆にダブりを恐れて全員が「ちょっとわかりにくいヒント」を書いていても「答える人」にとってはかなり難しい状況となってしまいます。「正解してもらえることが何より大事」という視点を忘れずに「ヒントを出す人たち」はヒントを考えてみてくださいね。(ちなみに写真の答えはベルトです。いかがでしょう?)

画像10

こうして答え合わせまで終わったら次のプレイヤーに「答える人」を回していき、13枚あった山札が全部なくなった時点でゲーム終了。何問のお題に正解することができたかをチェックします。ちなみに説明書によると全体の評価はこんな感じ、なかなか辛口の評価ですね・・・ですが紙っぺら1枚に煽られて逃げ出すようではゲーマーの名折れ、ぜひとも13点パーフェクト目指して頑張ってみてください!

その「言葉」は「導き」をもたらすのか?

その「言葉」は「破滅」をもたらすのか?

「栄光」はその問答の先に・・・

さいごに

『ジャストワン』、いかがだったでしょうか。悩む局面こそたくさんあるかもしれませんが肩ひじを張らずにプレイすることができる「協力ゲーム」となっております。きちんと正解までたどり着けたときはもちろん、苦労して出したヒントがかぶってしまった時にも思わず「なぜだぁあああ!」という怨嗟の笑い(?)で盛り上がること間違いナシ。仲の良い面々で集まった際にはぜひ一度遊ばれてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、このボドゲ界隈の期待のニューフェイスをきゃらべ隊員一同でプレイした動画もありますので、こちらの雄姿も是非にご覧ください。​


それでは今宵はこの辺で、失礼。

最後まで読んでいただきありがとうございます!面白かった、これからも期待したいと思ってくださった方は、よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは、きゃらべの活動のために大切に使わせていただきます!