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【番外編】日本語教師の仮想敵

 何というか、文化/政治/経済といったような大きめの話をするつもりはありません。また、例えば《入管(法)》のように具体的なターゲットの話は含めません。でもまあ、日本語教師に限らず広く一般論ですが、そのへんのレイヤー上での発言含め、怒ってるあるいは一所懸命なんはわかるがこの人の言ってることはおかしい。と感じるとき、何がおかしいのかチョット立ち止まって考えてみると、たぶん《仮想敵》の設定に失敗したはるんやわ、みたいなんが多い。いわゆる
「何/誰と戦ってるの?」
状態というか。
 で、日本語教師の場合。という話に進む前に、前回書いた話と被るが、戯画的に描写した日本語教師の典型2タイプをこの話題用にリライトすると・・・
1)タイプA:言語警察/《正しい日本語》にこだわるあまり《重箱の隅をつつくような》細かいダメ出しを繰り返し、学習者を萎えさせる。
2)タイプB:言語アナキスト/全ての発話は言語が変化する過程で現れたものという考えから何でもOKとし、学習者を混乱させる。
3)現実の生身の日本語教師/典型的なタイプAもタイプBもどちらも現実には存在せず、そのどちらにも属さない中間領域で、ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返している。という感じの人が多い。んじゃないかな。
 以下は、某所で私が実際に聴いた日本語教師の発話。

A先生 「この例文、伝統遵守派(※その派閥自体がA先生の想像の産物に違いないんやけど)は認めないと思うけど・・・うんぬん」

B先生「素敵に進歩的なお考えの先生方は、きっとこんなのどうでも良いと仰るんでしょうけど・・・うんぬん」

 二人とも、リアルワールドには存在しない典型的なタイプAまたはBに向かって毒づいている。私は苦笑を禁じ得なかったが、そもそも仮想敵って必要なんだろうか。それがあるとモチベーションが上がるという言い分も、ある程度わかるつもりではいる訳ですが・・・。
 シャドーボクシングを禁止する必要はないと思いますが、日本語教育界隈を離れると、たまたま通りかかった人が誤ってボコられてしまうケースも、多発しているように思えるんですよ。

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