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クリスマスの残り香

気温が氷点下となる日も増えて、外の空気はピリッと肌に刺さるような寒さとなってきた。仕事が終わって外に出ると午後5時には日が暮れているので、最近は寄り道もせず足早に自宅へ戻る。

日本では新年早々に災害や事故が続いているが、ニューヨークも新年早々から地下鉄の衝突・脱線事故で怪我人もでるなど、非常に幸先の悪い年明けとなった。

Subway Trains Collide in Manhattan, Causing Derailment, M.T.A. Says - The New York Times (nytimes.com)

アメリカにはお正月という概念は存在しないので、年が明けると1月2日からすぐに仕事初めとなる。ニューヨークで働くサラリーマンたちは過ぎてしまったホリデーシーズンに後ろ髪をひかれつつ、慌ただしく仕事に追われる日
常へと戻っていく。

会社帰り、ふと公園に目をやると、片づけられないままライトアップされたクリスマスツリーが残っていた。ホリデーシーズンから仕事モードに切り替えられない自分と重ねてとても愛着が湧く。

ニューヨークでは厳格に屋内禁煙である一方、屋外での歩きタバコには非常に寛容なので、氷点下近い屋外であっても平然とタバコを吸っている。普通のタバコならまだしも、かなりの割合でマリファナを吸っているので、非喫煙者の身としては独特な匂いが何とも耐え難い。(NYでは数年前にマリファナは合法化され、街の至るところで売られている)むしろ冬の方が歩きタバコ率は高いくらいである。暖かい季節になると、今度はゴミや吐瀉物が腐った匂いが充満するので、それはそれで嫌でもある。

しかし、ニューヨークで一番強烈なのはお金の匂いである。五番街を歩いていると、ずらっとハイブランドの店が軒を連ねていて、格式高いマンションには入口のドアマンが庶民を寄せ付けない威圧的なオーラを放っている。マンハッタンでは息を吸うだけでお金が掛かると言っても過言ではない。まあ、ニューヨークの物価高についての愚痴はまた別の機会に。

家に帰ると玄関のドアから美味しそうな料理の香りが漏れてきた。今日は肉じゃがのようだ。



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