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すべては海になる(2010)

本が好きなので、
本で埋め尽くされている光景が好きで、
サムネに惹かれて観ることにした。

冒頭から、
私が思春期の頃に強く影響を受けた2冊が並んでいる映像が映し出され、興奮した。

岡崎京子の横に鈴木いづみを並べてるとか、
あの頃の私の本棚じゃないか、まるで。

岡崎京子は、手に入る限り読み漁ったし(すごくヒットするものとそうでないものの差が大きかった記憶)引用されている元ネタもしっかりとチェックしたし、登場人物のファッションが当時ハマっていた50sファッションや、フレンチファッションだったからすごく好きだった。

岡崎京子作品が映画化されるようになった頃には、もうあまり愛読はしていない時期だったけど、もちろん映画化作品も全て見た。

ちなみに好きなのは
「チワワちゃん」(2019)がダントツ。

見たのが2019年の夏で、すごく病んでいた時期だったから、この救いのなさや閉塞感に救われたし、この映画からハバナイにハマった!

ちなみに私が過食嘔吐を始めたのは、
「ヘルタースケルター」のこずえちゃんの行為を見たから。

すごく気軽に、
「あっ、こんな方法があるんだ!」って感じで真似し始めた。
その後、10年間も断続的にやめられず行為に依存して悩むことなど予想もせずにすごく気軽にに始めたなぁ。
そして、軽くその行為をしてる自分に酔ってた部分もある。こんなにも私は辛いのよ、って。

(過食嘔吐のメカニズム、調べたときに「復讐型」というのもあったのだけど、それもある)

とにかくヘルタースケルターは、
物凄い影響を受けた作品だった。

岡崎京子については、また別でたくさん語れそう。


鈴木いづみは、町田町蔵さん(17歳くらいの頃ハマっていた)が自伝映画に出ていたことから、知って、図書館で探して読んでみたら、その世界観にドンズバ、ハマった。

ファッション、倦怠感、閉塞感、病的な感じ、退廃的な感じ、1960年代の空気感。。。
全てが好きで、これも古書として高値の物以外はかなり集めた。
古書として手に入りにくいものは、図書館の書庫から出して貰ったりして、可能な限り読み漁った。

この写真を見て、
なにこの人!うわ!氣になる!
と図書館に走った。

彼女についても、また別で語りたい。





というわけで、
私が今よりも多感な時期に強く影響を受けた作品を並べられていたことですごく興奮したのが、この映画のハイライトだった。

(それ以降、この本が劇中に登場することは、ない)

それ以外は、あぁー、このビッチ感、
見に覚えがある。。。
私もこの手の女だったかも。。。
いや、ここまでじゃないかな???
なんてことを思いながら、観た。

2010年の映画だけど、ファッションやメイクの感じから、もっと古く感じた。

ちなみに原作者が脚本・監督を担当した作品のよう。

個人的に、柳楽 優弥のちょっとぷよっとした感じとか、粘着質で急に切れたりストーカー化しかねない不気味さは、名演だったと思う。

あと、安藤サクラが元々好きなのだけど、
援交に失敗する不細工な女子高生役で出ていて軽くツボった。
最初のギャルメイクのときは、全然気付かなくて、声で途中でわかったの!
声と喋り方が、特徴的だから。
あのキャラクターは結構好みなキャラクターだった。

ストーリーや内容自体の感想としては、
敏腕営業マンのやっている行為、胸糞ではあったのだけれど、これが現実なんだろうなぁ、っていう感想を持った。

でも、人の文章をたった1センテンスでも、
勝手にいじるのはかなり罪深い行為。

その行為のせいで、印象や主張、伝えたいことを捻じ曲げられて、苦しんだり悲しんだりしている人がいるのだから。




本屋が舞台の映画は、それだけで楽しんで観ることができる気がする。

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