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#1 フィールドワーカーのカポエイラ修行録 -まえがき-

人間科学部でカポエイラに関する社会学研究を行っている修士学生の私は、なんやかんやあって大学を休学し4か月間ブラジルでカポエイラフィールドワークを送ることにした。

フィールドワークと言ってもがっつり調査というものではなく、8割趣味2割研究のため、くらいのものだった。
ただ、折角ブラジルまで行くのだから、「カポエリスタとしても、フィールドワーカーとしてもしっかり成長したい」ということで、毎日フィールドノート(兼 日記)を書いていた。

2023年10月19日から2024年1月31日の105日間。
ほぼ毎日書いていたのでノートは、ページ数にして160ページ、文字数にして12万字超えと、相当分厚く、面白い資料になった。

(ちなみに、この面白さというのは、「これを読めばブラジルの生活がわかる!」というものではなく、どちらかというと、「いっぱい吸収して成長するぞ!」と意気揚々とブラジルへ向かった若年フィールドワーカーが、「もう早よ帰りたい」と心を折られるまでの過程が書かれたものだ。)

しかし、分量が多いためどこから手をつけていいかわからず、半年近く過ぎようとしている。これではいかんということで不完全でもとにかく着手することにした。

このnoteを通して伝えたいことはいくつかあるが、
ひとつとして、文化人類学や質的調査研究を行っている学生のために、「フィールドノートってこんなんなんだ」というサンプルを提供したい。

個人的な所感として、この世にはフィールドノート例というものがあまりに少ない。
フィールドワーク方法論についての書籍にはいくつか例が載っているが、加工されていることが多く学生のフィールドノートとしては参考になりにくい。研究論文になるとさらに加工されていて、そのプロトタイプを拝むことは叶わない。(もちろん、倫理的配慮等によるものだろうが。)

自分のフィールドノートが由緒正しいアカデミック100%のフィールドワークだとは思わないが、学生のフィールドノート例として参考になればと思う。

色々と考えたが、記事の書き方は、
1.フィールドノート(できるだけ)そのまま転記
2.それについてあーだこーだコメント
という構成にしようと思う。
上述したフィールドノート無加工版を載せたいというのもあるが、
できるだけ投稿しやすいスタイルにしないと続く気がしない。

1記事1日分として書くつもりなので、毎日1記事書いても105日かかる計算だが、まぁ気長に読んでもらえたら幸いだ。