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店は飽きないことが大事

この記事は投げ銭制です。
③の出だしまでは無料で読めます。

① 店は飽きないことが大事
② 今月のおすすめブランド
③ 19春夏 WORKERS 展示会レポートについて 
  裏テーマは何?
  表では書けない服にまつわる話し

1996年に右も左も分からずに洋服屋を始めて22年が経ちました。
BARは早いもので3年です。
納品書に対して返品する際の「赤伝票」の書き方さえ知らない素人でした。「BAR」にいたってはお酒に関する基礎知識・技術を学ぶこともなく移転先のテナントを借りるときに、この場所でBAR始めようと思いついた次第です。

例えば時計の針が天辺を過ぎる頃に、身なりの良い紳士がBARのドアを開け、カウンターに座わり、差し出したジントニックのグラスに口をつけ、おもむろに口を開く。

「マスターはどちらのバーで修行を?」
「YOUTUBEで学びました」

その後二人の間に訪れる「気まずさ」といったら、なかなかの重さだったりします。

移転し「洋服屋」+「BAR」というスタイルで営業した際に、長年飲食店を経営している方から「いよいよ貴方、気が狂いましたね?」と失笑されたことがあります。
繁華街から離れた辺鄙な場所で「酒場」を回した経験もなくBARを構えるというのは確かに無謀であると思わざるえないでしょう。

ただその一方で、「知識」と「経験」があったことに、こしたことはないと思いつつも、必要最低限なことは、ひょっとすると「飽きない」ことではないかと思います。

人はおおむね自分で思うほどには幸福でも不幸でもない。肝心なのは望んだり生きたりすることに飽きないことだ。」は私の好きな映画のセリフです。

お店を構えるということは「ただひたすらお客さんを待つこと」です。
オープン当初の興奮も冷め、残された日々は単調で大した変化はありません。ただ日々が流れていきます。
そして店を保つということは「単調」の積み重ねで仕上がります。

ウィンドウを拭く、床を掃く、服を畳む、靴の埃を払う。
ディスプレイのマネキンの服を変える、ハンガーに掛かった服を並べ替える。
トイレの掃除を済ませ、グラスや酒のボトルを磨き上げる。
ソーダ・ビールを補充し冷やす、業者に空き瓶を回収してもらいます。
そして釣り銭の両替を済ませ、カウンターの上を丹念に拭く。
といったルーティンがずっと店を構えてる間は続きます。

ふと見渡すと、単調な日々に疲れ飽きた店が多くあります。
そこにはいろいろな理由があるのでしょう。
でも飽きてしまうと、営業後にグラスを洗い残したまま帰り、グラスは水垢で覆われ、棚の上はうっすらと埃が積り、客が注文した際にビールは冷えてなく、釣り銭の用意すら満足にしていない状況に陥ります。

あげくに店は店主の「美意識の集積」でありつつも、お客さんの目の届く位置に「店主のが伺いしれるモノ」が怠惰に置かれることになります。

店は「整え・保つ」必要があります。
ちゃんと目をかけてあげないと店はあっという間にくたびれていきます。
だからこそ幸福でもなく、不幸でもない単調な日々を過ごし、それでも飽きないことが大事だと私は思います。

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今月のおすすめの取扱いブランド

ソニア・パーク著書「ソニアのショッピングマニュアル」における<MONT-BELL/モンベル>のピックアップは、価格に対してのクオリティの高さと色目の発色の良さを広めたことが大きい。 そしてインナーダウンを、ファッションというフィルターを通して、初めて紹介し世に知らしめたのは、「ネペンテス」によるものだと思う。 

丸首、スナップボタンカーディガンといった「仕様」も含めて。 僕は「ネペンテス」が<MONT-BELL/モンベル>を仕入れた商材として、自社の服にコーディネイトした記事を読んでかなり感銘と影響を受けた。 

そんなわけで、早速モンベルのインナーダウンを購入して着てみたのだが、アウターの袖の長さによってはインナーダウンの袖がはみ出てしまうのと、袖裏の滑りによっては、引っかかりがあり着用をやや面倒なものにする。 

そこで、当時見た目的にはまったくイケていない「半袖インナーダウン」を購入し、今に至ってはなくてはならないアイテムとなっている。 雑誌「Begin」で半袖ダウンを広めたのは<ROCKY MOUNTAIN FEATHERBED/ロッキーマウンテンフェザーベッド。>を手がける35サマーズというインポーターであったという記事があったが、たしかにそうであったように記憶している。

10数年前に35サマーズの展示会に足を運んで、モンベルの半袖ダウンがあった。洋服屋に半袖ダウンをファッションとして紹介していたのは間違いない。 当時の僕にとっては、なんだこのけったいな代物はという認識だった。 

もちろん、仕入れなかった。 当時仕入れた同業者は「いや〜仕入れたものの全く売れなくて。セールでなんとか売り切ったわぁ〜」と半分自虐的に笑っていた。90年代後半だったかな。 着てみるとかなり便利なアイテムなのだけど、着こなしのイメージが湧きにくいアイテムであった。まあ早かったのだろう。 そして、2018年の今も、やはり「半袖インナーダウン」はまたまだ認知されているとは言い難い。

今年の1月に自腹で購入した「NANGA」の半袖ダウンT。
日々使ってみて道具としてのクオリティーを実感する。
そして念願かなって、取引スタート。もちろんこの1品番のみ。
初回入荷分は、店頭ですべて完売。ようやく追加分が入荷ました。
半袖ダウンTの良さを広めるための「布教活動」を今後も続けていきたいと思います。

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メンズ洋品店「Cape Cod Clothing Store」はこんな感じのお店です。https://note.mu/capecodstore/n/nc35ddf788b89

「Cape Cod Backyard Bar」はこんな感じのお店です。https://note.mu/capecodstore/n/n987b2ef53f98

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この後、19SSのWORKERS展示会レポートについて書いています。

9/19(水)PM17:00中目黒
恵比寿で「JACKMAN」の展示会場を後にしてマイナーな路線バスに乗り込み、2つ目の停留所でバスを降りる。僕の住む街と比較すると日が落ちるのが早い。川沿いに沿って歩くと少し肌寒くなってきた。

いつもの同じ会場で開催される<WORKERS>の展示会に着く。
事前に公開されていたラインナップなので頭に入りやすい。サンプルに袖を通してフイットの変化を確認するが先シーズンと変わりない。

回を重ねるごとにより「オーセンティック」に傾倒しているように思う。
より「ベタ」に、より「手堅く」
その一方で、今回はいつもにまして「アメトラ」なのである。

なぜなら「裏テーマ」が、

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店は飽きないことが大事

榊 孝(TAKASHI SAKAKI)

100円

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昼はメンズクロージングショップ「Cape Cod Clothing Store」の店主 夜は酒場「Cape Cod Backyard Bar」のマスター。 https://capecodstore.shop-pro.jp/
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