【映画感想】知りすぎた少女

画像1

1963年製作/86分/イタリア
原題:La Ragazza che sapeva troppo

U-NEXTのマリオバーヴァ作品が9月末で配信終わるとのことで見た(けど結局延長されて終わらなかった)。ジャーロ映画の元祖とも言われる名作。

当たり前だけどこれぞジャーロという感じでめちゃくちゃ面白いミステリーホラー映画だった。冒頭次々に主人公に起きる悲劇とそこから始まる殺人事件の謎解き、それと段々と真実に近づいて行く展開がもう怒涛のごとく進んでいく全く飽きないストーリーが秀逸すぎる。もう普通にめちゃくちゃ楽しい映画。
冒頭に物語の核心に迫る内容が示される点とかもまさにジャーロという感じで素晴らしい。

白黒の画面で初めから何か物々しい雰囲気満載で最高なんだけど、特に何が素晴らしいかというと照明の美しさ。光と影の使い方がもう抜群にウマすぎる。どこを見せてどこを隠すか、どこにどう光を当てて、どこを影にすべきかがもう完璧と言っていいレベルでカメラワークも含めてとにかく全てが美しい。
白黒映画で色がないのにもかかわらずここまで表現力豊かなの凄すぎる、というかむしろ白黒映画だからこそここまで美しい映像作品になっているのかとすら思う。
カラーになってからも緑の照明とかを効果的に使うマリオバーヴァ、やはり光の使い方がこの時代から上手すぎる。今回結構良い画質で見たから余計に画の美しさが際立って感じた。

あとオチも完璧でしたね、スタートのマリファナがここで効いてくるとは。
もしかしたら全部幻想だったのではと思わせるラストが完璧に決まってました。どこまでが本当に起きたことでどこまでが幻想だったのかわからないっていうユーモアも含めた感じが大変素晴らしかった。
あと医者役の人エルム街の悪夢のお父さんにめっちゃ似てるなと思ったら、やっぱりエルム街の悪夢のお父さんでした。あの人燃えよドラゴンとかの影響もあるけどめちゃくちゃアメリカ人っていう印象だったから本人とは気づかなかった。

まぁそんなところで、非常に楽しい映画でした。素晴らしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?