【映画感想】サタンタンゴ

画像1

1994年製作/438分/ハンガリー・ドイツ・スイス合作
原題:Satantango

とうとう見ました。7時間18分の超長尺変態映画サタンタンゴ。
ずっと気になってたけど劇場で見逃したので、家で見た。

結論、もうとにかく長い。死ぬほど長い。気が遠くなるほど長すぎる。それしか出ないくらい兎にも角にも長い。
しかもこれがなぜ長いのかって言ったら話にボリュームがあるわけじゃなくて、全シーン全カットが全部長いから全体としてバカ長くなってるっていう、カットが長いって少し長いとかじゃなくて、気が狂うほど長いのよ。画面奥に歩き出して移動をすれば人の影が遠く見えなくなるまでずっとカット変わらないし、酒屋で歌い出したらエンドレスの曲を10分以上永遠に流し続けるしで、もう頭がおかしくなるかと思った。
もう映画的なリズムはガン無視だからもうイライラが募るシーンも多々あったりなかったり。マジで気が狂う。いやもう少し狂ってた。

話のボリューム的には長くても3時間程度でまとめられそうな内容ではあった。12章からなる3部構成のストーリーで、ある街の嫌な閉塞感と甘い言葉で人を惑わす悪魔のような男の手で段々と悪い方向に全体がジトッと流れていく様子を描いてるって感じ。芸術っぽいストーリーなので、私にはそんなに詳しいことは読み取れませんでした。
しかも7時間18分も使っているのにも関わらず、あまり詳しいことが説明されないところや、全く回収されない伏線があったりする気狂いぶり。結局あの買った爆弾はなんだったんだろうか。7時間も見たのにわからない。
個人的に女の子と猫の話はこのストーリーの中では展開がしっかりあって印象深く、良かったとは思うけど、猫を虐待するシーンが辛くて見てられなかった。本当には虐待してはいないらしいけど辛かった。虐待のシーンも例のごとく普通思う映画の尺の10倍くらい長いからね。困ったものです。

これは個人的な解釈になるけど、もしかしてこれ芸術映画っぽい見た目をしたバカ映画なのでは。ただただボーッとしてるだけのシーンが長いこと映ったりしててもうツッコミ待ちとして思えなかったし、実際口に出して、「いや長い!」「終われ!」と口に出していたような気がしないでもない。
何より辛いのが基本的には面白いことが起きないという点。もう修行のような時間がひたすら続く。
ただそれもこれはそういうバカ映画なのだと思うと納得するというか。全てが壮大なボケだと思うとレベルが高すぎて素晴らしい。
見てて思い出したのはジャルジャルの長すぎる落語家のネタ。見返してみたらジャルジャルの方も7時間落語をやってるっていう設定だったので、まさにって感じだった。後藤の反応がまさにサタンタンゴを見てた自分と同じ。
⬇︎この感覚を実際に味わえる。

まぁそんな感じで丸一日かけてサタンタンゴを見たけど、見終わった時の達成感は凄かったと同時に貴重な休みを、いや貴重な人生の1日をこの映画にかけたということは果たして正解だったのかという疑問が生まれた。
人生における時間の尊さというものを改めて考えさせられるいい機会になりました。
いずれにしても7時間18分の映画を見たのです。見てない人には7時間18分の映画を見た感覚は味わえないわけで、その経験だけは何にしても価値がある。と、思うしかない。
長かった。とにかく長かった。映画館で見ようとしてたけど見れなかったのはよかったと心から思う。

「サタンタンゴを見たことがある」というのがいつか大きな財産になる。
そう思いながら強く生きていこうと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?