「No.1」レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》のミステリアスな微笑み(前編)

こんにちは!かずさです!

記念すべき第1回目に紹介するのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)》(1503-1519、油彩、77×53㎝)です!やっぱり1回目ですから、ビッグネームに頼ろう!と思ったのですが、実は…ダ・ヴィンチの絵は難解でちょっと苦手だったりもします。因みに、私の大学では、あまりの有名さに取り上げる気も失せるのか演習発表では3年間の内にダ・ヴィンチ作品を取り上げている人はみませんでした。(もしかしたら、私の大学だけ?)

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この絵を見るために毎年何千万の人がパリを目指すわけですが、そもそも、なぜこの《モナ・リザ》はここまで有名なのでしょうか?映画の影響?ミステリアスな雰囲気?色々な理由はあると思いますが、理由の1つだと思われるミステリアスな雰囲気と、この作品が与えた影響について前編と後編に分けてちょっと考えてみたいと思います!

まずこの絵の人って何歳に見えます??肌は若そうに見えるけど、雰囲気が落ち着いているし、ちょっと年いった人でしょうか?この絵のモデルとされるリザ・デル・ジョコンドは妊娠中だったのではとされる説もあったりするのでそんなに年いった人ではないと思います。でも…ちょっと納得しにくいですよね。

では、ダ・ヴィンチの描く女性って他の作品ではどんな感じなんでしょうか?

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1枚目は《糸車の聖母》(1501-1507頃、スコットランド国立美術館蔵)、2枚目は《ほつれ髪の女性》(1508、パルマ国立美術館蔵)です。

え…普通に若そうじゃん…。ってなりませんか?この2作品は普通に若そうな女性が描かれているので、《モナ・リザ》の顔の雰囲気がダ・ヴィンチの女性像のデフォルトではなさそうに見えます。

プラド美術館には弟子が模写した《モナ・リザ》もあります。

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ポーズや背景は模写なので、とても似ていますが服の色や女性の表情に少し違いがありますよね。弟子が描いたとされる方は頬がピンクで生き生きとしていて若い女性の雰囲気がよく描かれていると思います。普通に肖像画として描いてもらうなら弟子の模写の方が喜ばれそうです。

どうでしょうか?この4作品を比べてみるとダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が元のモデルから離れた不思議な表情を持つ人物に見えませんか?
ダ・ヴィンチはイタリアのフィレンツェ近郊生まれの画家ですが、1516年にフランス王のフランソワ1世に招かれて、アンボワーズ城の近くに邸宅を与えられて移り住んでいます。その時に、イタリアからこの《モナ・リザ》をもっていったそうです。ダ・ヴィンチはその後、1519年にフランスで客死するので、最晩年までこの作品に手を加えていたことになります。

もしかしたらこの絵は未完だったのかも…そんな想像が掻き立てられます。ダ・ヴィンチがそこまで手を加えて表現したかったものって何だったのでしょうか。そう考えると、この表情ももっとミステリアスなものに感じられるかもしれませんね!

次回は《モナ・リザ》後編、この作品の影響について考えてみたいと思います(o^―^o)!

画像出典:レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》、《糸車の聖母》、《ほつれ髪の女性》、レオナル・ド・ダヴィンチの弟子による模写《モナ・リザ》

※画像は全てパブリック・ドメインのものを使用しています。

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