217 海を観たくなる時ってあるよね。伊勢湾フェリーで伊良湖岬へ。
2月に上長が代わりました。
直属の上司ではなくって、その上の上司。
そいつが強烈なキャラで、かなり理不尽。
いまどきはアンガーマネジメントって言われていて怒ることが得とされない時代なのに、
なんでこんなところで？っていうところでぎゃんぎゃんキレる。
わたしは最近仕事運に恵まれていなくて、今年に入って立て続けに悪いことが起こっているんですが、
それを報告しないといけないのがこの上司。
悪い報告が続いたためとても印象が悪いようで、今日もぎゃんぎゃんキレられました。
いつまでもつかなぁ。１ヶ月ですでにメンタルすり減らしています。
そんな私のストレスコーピングはやはり旅に出ること。
この上司に代わってから異様に業務量が増えてるんですが、これをやらないと完全につぶされる。
という中でやって来たのが鳥羽港でした。気分の落ち込んでいるときはゆっくり船旅がしたい。
海が見たくなるときって、こんなときじゃないですか？
鳥羽港からは、伊勢湾フェリーが愛知県の伊良湖岬まで出ています。季節によって便数は違います。今はもっとも便数が少なく７往復です。
伊勢湾フェリーは平成22年に一度この路線から撤退を発表しましたが、鳥羽市などの支援によって撤退を取りやめて現在に至っています。この鳥羽ー伊良湖航路がなくなると鳥羽市は東京方面からの観光客や物流の最短ルートを失います。対岸の渥美半島と連携した観光事業も行えなくなり大きな打撃を被ることになります。
フェリーは現在も運行されていますが、乗客数のいかんによっては安泰とは言えないかもしれませんね。
フェリーの中はひろびろ。売店なんかもあります。400円払うと上階の特別室でゆったりしたひとときを過ごせるのですが、庶民のわたしはここ、一般車両で充分寛げます。
船は徐々に鳥羽港を離れていきます。温泉旅館の並ぶ風光明媚な港町。近年は寂れつつあるとは言うものの三重県屈指の観光地です。
鳥羽と伊良湖の間にはいくつかの離島があります。こちらはカキの養殖が有名な答志島。伊勢湾フェリーとは違う場所からですが、鳥羽の港から船で渡ることができます。もう少し温かくなったら離島も渡りたいなぁ、と思っています。
また上司にグダグダ言われたら逃避行に来るかもしれません。
こちらは神島。三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台になった人口300人ほどの小さな島です。左手に見えるのが集落。山がちな土地に抱かれるように集落が形成されていますね。神島、という名前が何とも神秘的です。
伊良湖から鳥羽に向かうフェリーと行き交います。こういった光景をのんびり眺められるのも船旅の醍醐味です。
55分の船旅で、対岸の伊良湖岬が違づいてきました。こちらも愛知県屈指の観光地。近年は伊良湖温泉という温泉も沸きますます観光地としての注目を増してきています。
伊良湖岬にはいくつもの観光地があります。白亜の伊良湖岬灯台は昭和4年に建てられたもので、今も海の安全を守ってくれています。
灯台に向かう道は遊歩道で、歌碑も設けられています。歌を詠みながら海辺の道を散策するのもいいものです。イヤなこと、そのときだけは忘れます。
伊良湖岬には恋路ヶ浜という、元祖恋人の聖地があります。そして、そこにあるのはやはり恋人の鐘。この鐘を恋人同士で鳴らせば２人は永遠に結ばれるというもの。この写真撮るのに、前のおばちゃん３人組がなかなかどいてくれなくて難儀しました。写真を撮ったあともどかずに「あらー、若く見えるじゃない」「そんなことないわよーおほほ」とか鐘の下でやってました。
すいません、並んでるんで早くどいてください。
その恋人の鐘の近くに小さな区画があって、そこにクローバーが植えられています。
日本にはいろいろなものの「発祥の地」があるんですが、ここは「四葉のクローバー発祥の地」。日本で初めて四葉のクローバーが見つかった場所なんだそうです。知ってました？ ここのクローバーは四葉、五葉の者が多いです。見つけたら持ち帰ることもできますよ。
ちなみに恋人の鐘は人気アニメ「五等分の花嫁」で登場。そして、そのヒロインのひとりの名前は「四葉」。アニメの聖地巡礼の場所としても注目を集めている場所になっています。
すこし離れた高台から伊良湖岬を望みます。こんもりとした山が半島の先端にありますね。ここもかつては島だったのかな？と地形の成り立ちを想像してします。
最後は表浜海岸を歩きました。流木の多い外海ですがアカウミガメの生息地として知られています。汚れた海では育つことができないアカウミガメ。ここは保護活動が活発に行われている場所です。人が介在しなくても自然に繁殖できるくらいに増えてくれたらうれしいですね。
この時期は菜の花も美しい伊良湖岬。船旅や海沿いの散策で心が洗われたようでした。みなさんももしつらい時期にぶち当たったらフェリーにのって伊良湖の海を眺めに来てみてはいかがでしょうか。
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