93 ン十年思い望んでいた鷲羽山に登り瀬戸大橋を一望する
憧れの鷲羽山制覇!
私が小学生のころ(つまりン十年前)、鷲羽山という関取さんがいました。結構強い印象で、確か関脇くらいまで行ったと思います。
そのころは北の湖全盛時代と記憶していますが、鷲羽山、という四股名が格好良かったからか妙に印象に残っていて、それが岡山の瀬戸内にある山だと知ってからはいつか行ってみたい、と思うようになりました。
そしてこのたび、ついにン十年思い願っていた鷲羽山登頂を果たすことができました!
なお、四股名は「わしゅうやま」ですが、山の名前は「わしゅうざん」。四股名は「〇〇やま」と呼ぶのが通例なのでそれに倣ったんだと思います。
鷲羽山は倉敷市の南端、四国に向けてやや飛び出た場所にあります。その先には塩飽(しわく)諸島。こういう立地ですから四国に向けて橋を架けるにはもってこいの場所となり、昭和末期、すぐ麓に瀬戸大橋が掛けられました。
それ以前から鷲羽山はこの地域の観光地として遊園地などもあったのですが、瀬戸大橋が掛けられたあとは島々を渡る橋が間近に見られる絶景スポットとしてさらに人気を集めることになったのです。
それでは鷲羽山から見た瀬戸大橋の雄大な景色をご覧いただきましょう!
塩飽諸島の島々を天然の橋脚にしてかかる橋の様子がよくわかります。一番手前の橋が架かる島は櫃石(ひついし)島。かなり岡山県寄りですが、もうここから向こうは香川県です。さらに向こうに岩黒島、羽佐島、与島と続きます。
幽かにではありますが四国本土も望めます。昨年暮れに丸亀に行ったときにも見た讃岐富士が見られたのには感動しました。
少し東の方の海もみてみます。左のおにぎりのような島は大槌島。小さな無人島ですが良好な漁場があることから備前・讃岐が領地を争い、その結果今でもここに岡山・香川の県境が引かれています。
頂上近くに来ると最も手前の下津井瀬戸大橋が間近に見えます。電車で四国に渡るとき利用させてもらっていますがこうやって橋の姿を見るのは初めて。周りの家々や港と比較するとそのスケールの大きさに改めて驚かされます。
もっといい景色を!と追い求めて上を目指して歩いていたら山頂に来てしまいました。鷲羽山関を知り鷲羽山にあこがれを持ってからン十年。ついに山頂制覇です!360°のマウントビュー。絶景です!
麓の町、下津井で廃線を訪ねる
鷲羽山を降りたあと、下津井という漁村を訪ねました。当たり前ですが麓からも瀬戸大橋を眺めることができます。こんな景色の中で釣りができるって贅沢ですね!
ここ、下津井に寄り道したのは平成2年まで走っていた下津井電鉄の遺構を見るため。終点の下津井駅は鉄道施設がまだ残されていて鉄道公園のようになっています。
下津井電鉄は茶屋町から児島、鷲羽山を経由して下津井まで走っていました。茶屋町ー児島間は1972年に廃止、以降は他の鉄道路線と接続のない全国的にも珍しい路線になりました。その後瀬戸大橋の開業で児島にJR駅ができましたがそこから下津井電鉄児島駅は離れており、鷲羽山・下津井への観光需要もわずかであったため、瀬戸大橋線の開業の陰でひっそりと廃止されていきました。
下津井駅のすぐそばの廃線跡。30年前までこの道を地域の足として鉄道が走っていた。それを示す確かな証が遺っています。
城下町でかつては四国への船もあった下津井港も今は静かな漁村。港の向こうに見える瀬戸大橋に何を思うのでしょうか。
瀬戸の美しい島々や雄大な瀬戸大橋。その裏でひっそりと消えていった小さな鉄道。倉敷からなら車で30分ほどで来ることができます。倉敷完工の折にぜひ訪ねてみてください。
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