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340 静岡名物・桜えびを食しに。

焼津、清水、沼津など良港をもち、魚のおいしい静岡県。各港でかつおやまぐろなど新鮮な海鮮が味わえるのですが、春と秋、この時期にしか食べられないものがあります。

それが桜えび。春と秋の一定時期にしか漁をすることが許されていません。2023年秋の漁期間は11月1日から12月25日まで。この間しかとれたての桜えびは味わうことができないのです。

桜えびは他の地域にも生息しているものの、蒲原(かんばら)、由比(ゆい)、大井川の3漁港のみにしか漁の許可があたえられていません。つまり桜えびは100%静岡県産ということになります。

そんな静岡限定の秋の味覚、桜えびを食べに出かけました。JR静岡駅から普通電車に乗って20分。由比駅で下車します。

駅を出るとこのようなおめでたいゲートがお出迎えしてくれます。駅前に東西に延びる通りが「由比桜えび通り」。桜えびやしらすを販売する店が軒を連ねます。

東に10分ほど歩き、海に向かってJRガード下のトンネルを抜けると由比漁港に到着します。ここは海と山が非常に迫っている地域で平地がほとんどありません。海はすぐそこにあるのですがJR、国道1号線、東名高速道路が並んで狭い陸地を走っていくため海の景色はほどんど見ることができなくなっています。

由比漁港には桜えびなどの漁をする船が係留されていました。この日は土曜日で桜えび漁はお休みの日ということもあってか多くの船が停泊しています。

桜えびを食べさせてくれる店は桜えび通りにも多くあるのですが、ここは港の目の前にある「浜のかきあげや」へ。開店時刻である10:00の20分ほど前に到着したのですがすでに人が並んでいます。

すでに24組待ち。旬の味を堪能するためにこの時期多くの方がこの店を訪れます。この後も多摩や相模など遠方のナンバーの車が駐車場に入ってきました。

「浜のかきあげや」というくらいですから、桜えびのかき揚げがこの店の名物。なんですが、じつは先週清水で桜えびのかき揚げを食べていたので今回は生の桜えびを試すことに。そのかわり右下のしらすの天ぷら100円を別途購入しました。おやつのようにサクサクしてておいしいです。

今にも踊り出しそうな桜えび。甘い味わいが口いっぱいに広がります。桜えびは口の中で殻がちくちく刺さるのであまり好んで食べなかったんですが生の桜えびはそんな心配もありません。桜えびの印象が変わりました。

穏やかな秋の一日。港の景色を眺めながらゆっくりこの地域でしか味わえない秋の味覚を堪能しました。

由比漁港を出た後、由比駅には戻らずさらに東に向かいます。25分ほど歩いてかつて東海道の由比宿のあった場所へ。こちらは由比本陣の跡で周囲には宿場町のあった面影がそこかしこに残っています。

由比本陣跡には建物がなく広場になっていますが、隅に小さな建物があります。かつて明治天皇がご小休された離れ座敷を復元したもので「御幸亭」といいます(入場料150円)。

堀にはカメがたくさんいてゆっくり甲羅干しをしていました。

現在は清水銀行となった旧庚子(かのえね)銀行本店。明治末期の銀行はこのような西洋の古典様式を真似たものが多いですね。こういった銀行が存在したのはこの地域が古くから桜えび漁などで富を得ていた証と言えます。

さらに東に歩いて気がつけば隣の蒲原駅に来ていました。宿場跡はむしろこちらの駅からの方が近いようです。

桜えび漁がおこなわれた翌日には桜えびの天日干しが行われます。地面が桜色に染まる景色は美しく、一度この目で見たいと思っています。ただ、気候条件によっては行われない日もありタイミングがあわないとなかなか見ることができません。わたしが桜えびを食しに行った日の前日は大雨の日でそもそも漁がおこなわれていませんでした。

天日干しをしているかどうかは市のHPで確認できますのでマメにチェックして日本でここでしか見られない静岡の風物詩を見たいと思っています。

💎追記
当記事がほんのきとときさんに紹介されました。素直に嬉しいです🦐

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