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270 磁器のまち・有田の街並みをあるく
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約1年ぶりとなった九州旅行。鳥栖駅から特急みどりで約1時間で佐賀県の西部、有田町に来ました。
日本を代表する磁器、有田焼を産出する地として有名です。積出港が伊万里にあったことから伊万里焼とも呼ばれており、肥前地域全般の磁器を指すときは伊万里焼と称されます。
有田の磁器の歴史を知ろう
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駅から少し歩いて突き当りの丘を登ると「佐賀県立九州陶磁文化館」に到着しました。わたしは磁器に関してずぶのド素人。少しここで基礎知識を学ぶことにします。
こちらの資料館、なんと入場無料。佐賀県、太っ腹です。
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有田焼は17世紀ほろから生産されるようになりました。
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先行する中国の技法を真似て初期はこのような藍色一色だったものが数十年で技術が進歩して多彩な色をつかった複雑な紋様の磁器が作られるようになりました。
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中国で明から清へ時代が変わる際に中国からの磁器が禁輸されたことを受けて、ヨーロッパ各国は有田焼に目をつけ積極的に有田焼を購入するようになりました。じきに中国の政情が落ち着き、江戸幕府の政策もあいまって海外からの受注がなくなると再び国内向けの生産が多くなっていったといいます。
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400年の歴史が香る伝統的建物の並ぶ街並みへ
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資料館を出て、東に向けて歩きます。有田駅と隣の上有田駅の間は「有田町有田内山伝統的建造物群保存地区」に指定されており、古い町屋が数多く並んでおり、磁器のお店が数多く軒を連ねています。
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札ノ辻交差点を左手に折れると周りの町屋とは一線を画した洋館があります。旧田代家西洋館(通称有田異人館)は有田焼を買い付けに訪れる外国人を宿泊させたりもてなすために貿易商人田代助作が建てた洋館です。佐賀県初の洋館のようで、初めてこれを観た人はさぞ驚いたことだと思います。
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バルコニーへの出口の扉も西洋風、シャンデリアも備わっているのになぜか床は畳。不思議な和洋折衷です。
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磁器の町の繁栄を願い建てられた陶山神社
札ノ辻の交差点を右の方に折れ、階段を登ると陶山(すえやま)神社があります。階段を登るとすぐのところに佐世保線の線路がよぎっているので注意が必要です。
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踏切を渡るとさらに階段。これを登っていくと本殿があります。
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こちらの献灯も磁器。いかにも有田らしいです。
400年前に磁礦が発見され、それ以来有田で磁器生産が盛んになりました。1658年に応神天皇を祀るために建立したこの神社は有田の町の繁栄が続くよう、総氏神・陶磁器之神として町民に崇められているのです。
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こちらの鳥居も磁器。2020年に修復された有田のシンボルです。
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本殿前の献灯も磁器。白と藍の2色の色彩が神社の中にあるのか個性的で、すがすがしさを感じさせますね。
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トンバイ塀の裏通りを歩く
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神社から数分ほど東に歩きます。国道沿いにはまだ古い街並みや磁器を売る店舗も軒を連ねるのですが少し裏通りに入ります。
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皇族御用達の磁器製造会社、辻精磁社の前から延びる独特の赤茶けた色の塀が「トンバイ塀のある裏通り」。登り窯を作るために使った耐火煉瓦の廃材を使い赤土で塗り固めて塀にたものでこの地方独特の塀です。
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隣の会社まで続いており、有田ならではの製法で作られた塀を眺め楽しむことができました。
明治期からその姿を変えない上有田駅
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余裕をもって3時間ほど時間をとっていたんですがあっという間に時間が過ぎてしまい、電車の時間が近くなってしまいました。各駅停車しか止まらない上有田駅に到着します。1898年の開業時からほとんどその姿を変えることなく残り続けている貴重な木造駅舎です。2000年代に永久保存工事をしているのでしばらくこの姿を残すことになるでしょう。陶器市の際は特急も止まりも最寄り駅にもなります。歴史ある陶器の町にふさわしい玄関口です。
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そんな明治の香り漂う駅舎で、朝鳥栖駅で買ったかしわめしを頂きました。鶏、錦糸卵、きざみのりのトリコロール。なんとも素朴な味わいです。有田で食堂を見つけて食事をしてもよかったんですが、駅舎で駅弁をほおばるのも鉄道旅の醍醐味だと思います。
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弁当を食べ終わる頃、各駅停車がやってきました。YC1型。「やさしくて力持ち」の略なんだそうな。そんな力持ちの列車に乗って次の目的地に向かいます。
サポートいただけたら小躍りして喜びます! 今後一層フットワーク軽く旅先に向かい、情報提供に努めたいと思います。 よろしくお願いいたします!