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221 いま、日本の図書館が新しい④~富山市立図書館

個性的で現代的な図書館をめぐる旅。早くも4回目となりました。

今回やってきたのは富山市立図書館本館。富山市の繁華街の中に建つ図書館です。

市電が合流する富山の中心地にある図書館。2015年に移転、開業しました。
キラリという愛称がつけられていて、
ベンチが「キラリ」の文字の形になっています。

まず、この図書館の特記すべきところはガラス美術館と一緒になっているということ。

いろんな施設が一緒に入っているのは複合ビルなら当たり前のことですが、

ここは各フロアを図書館と美術館が半々になっていてエスカレーターは共用。美術館の利用者もふらっと図書館を利用することができる仕組みです。普通は1から3階は図書館、4階から6階は美術館って完全に分けると思うんですが、珍しい形です。

さて、それではエスカレーターを登って内部を見てみることにしましょう。地元産の杉板がエレベーターホールを囲うように無数に張り巡らされています。

上から覗くとこんな感じ。吹き抜け空間になっていて一階まで見下ろすことができます。

スギの森の中で本を読んでいる気持ちになりますね。

パソコン学習スペースは吹き抜けに面しています。画面からふと目を離して向こうを見れば杉板に囲まれた吹き抜けの空間。目の疲れも一気に癒されそうです。

これだけの木を効果的に使うということはもしかして設計者は?と勘づいた方もいると思いますが、ご存じ隈研吾事務所による設計です。

床材も書棚も木を使用。書棚の幅もゆったりした間隔で置かれていてすっきりした印象です。

これは、建物が図書館用に作られているわけではなく、背の高い書庫を置けない事情があるようですが、これはこれでいいのではないかと思います。

児童図書はかなり低い書棚が使われています。これなら小さいお子さんでも好きな本を自分で見て選べますね。

本の閲覧スペースは外に向いていて自然光を効果的に取り込んでいます。こんな場所で本を読んだらすごく頭が良くなったような気になりますね。

フロアによっては図書館利用者もガラス美術館の展示品を眺めることもできて、図書館利用者の興味を誘います。

2階のミュージアムショップの前から吹抜けを見上げます。一枚一枚違う向きに並べられた杉板が渦を巻いて階上に昇っていくかのよう。これはもう一つの芸術作品。ずっとここで見上げていたくなります。

ひとつの芸術作品として完成度の高い富山市立図書館。ガラス美術館も併せて是非足を運んでみてください。

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