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ストリートピアノを考える①

アート思考とデザイン思考

先日よりプロトアウトスタジオというプロトタイピングスクールに通っております。

企画・プロトタイピング・発信まで一気通貫で学ぶスクールとなっておりまして、色々勉強させてもらっています。


先週の授業で「アート思考」「デザイン思考」というフレームワークで物事を考えたりアイデアを評価することを学びました。

今回は、先日記事にしたストリートピアノプロジェクトについて、このフレームワークをもとに色々考えごとをしてみたいと思います。


アート思考・デザイン思考とは

そもそもアート思考・デザイン思考とは、という話に触れておきます。

今回の講義では

アート思考:自分の考えや信念・哲学を軸とした思考プロセス

デザイン思考:顧客満足や課題解決を軸とした思考プロセス

と定義しています。

アート思考の対を考えるとロジカル思考なのかなあと思っていたので、この説は非常に面白いなあと思いました。


人によってこの二つの考え方のどちらが得意かというのは異なります。

先日あげた記事でも少し考えましたが、この二つの考え方は人間の利き腕のようなものでしょう。

右利きだからといって左手が使えないわけではないように、アート思考が得意な人はデザイン思考ができないかというと、そういうわけではないような気がします。

モノを運ぶときに両手で作業するように、時にはアート思考もデザイン思考も両方つかって活動することはできる、けれど利き手みたいな「利き思考」があるんだ、というように理解すれば良さそうです。


ピアノプロジェクトをアート思考で考える

アート思考の原則は「自分の哲学・価値観中心」なので、自分が何を好んでどんな価値観を持っているかを分析する必要があります。

色々な人が色々な手法を提案していますが、今回の授業では「偏愛マップ」というものを利用して分析しています。

自分が「偏って愛する」ものを過去・現在の二軸で書き上げる手法になっています。


ここに示しているのは「結果として大好きになったモノ」という「結果」に過ぎないので、「じゃあなんでそれを大好きになったのか?」を考えるのが良さそうです。


ピアノ関連の原体験はたくさんありますが、そのうちの一つは、自分の演奏で人が感動してくれた経験です。

ハノンもろくにやっておらずピアノの基礎もできていないほぼ素人が、自分の演奏で人の心を動かせたのが本当にうれしかった

こちらの記事でも語っていますが、こんなしょうもない自分でも人並みの演奏ができるんだ!という感動を今でも覚えています。


こういった出来事の中で、もともと自分のために弾いていたピアノでしたが、いつしか人に聞かせられるような音楽を目指すようになりました。

ストリートピアノで演奏して拍手をもらって感動した経験も、「人に聞かせられる音楽」を目指すようになった一つの原体験かもしれません。

音楽には人の心を動かす不思議な力があるんだな、言葉を使わずして人と人とをつなげる力があるものなんだな、音楽の不思議な力を信じているからこそのピアノプロジェクトなのかもしれません。


なぜピアノプロジェクトをやりたいのか。

それは、音楽には人の心を動かす不思議な力があると信じているから、なのかもしれませんね。


ピアノプロジェクトをデザイン思考で考える

次にデザイン思考、「顧客・課題解決指向」の考え方で色々考えてみます。

このプロジェクトでどんな課題を解決したいのかを考えてみます。

課題をたたき台として一旦「素人ピアニストの演奏の場が少ない」と定義してみます。


有名な5W1Hのフレームワークを使って、この課題を深堀りしてみます。

What(どんな課題か)は、「素人ピアニストの演奏の場が少ない」。

Who(誰の課題か)は、「(僕含め)素人ピアニスト」。

When(いつ課題が発生するのか)は、「ピアノをやったことがあるけれど辞めてしばらく時間がたった時」もしくは「やっているけれど経験が浅い時」

Why(なぜ課題なのか)は、「社会人サークルなどに入れば解決するものの、サークルに入るハードルがある」。

Where(どこで発生するか)は難しいですね。日常的にでしょうか?


社会人サークルなどに入れば解決するものの、サークルに入るハードルがある」はポイントのような気がします。

ストリートピアノも勿論演奏のハードルは高いけれども、サークルへ入会して云々と比べればまだハードルは低いように思います。

このあたりは個人差はあるかもしれません。


最後にHow(どのように解決できるか)で「ストリートピアノ設置を促進する」となります。

現状設置している団体ってまだまだ少なかったり動きが遅い印象があります。

設置数としてもまだまだ少なく、少ないゆえに目立つので、演奏すると結構人の目を引き緊張します。

どんどん広めて、一駅に一台あるぐらいの世界観になったら気軽に弾けるようになるかもしれませんね。


なぜピアノプロジェクトをやりたいのか。

それは、素人ピアニストが自由に表現できる気楽な場を世の中に広めていきたいからなのかもしれませんね。


二つの考えの深堀り

この二つのフレームワークで考えた結果を総括してみます。

僕がピアノプロジェクトをやりたい!と思ったきっかけが「音楽には人の心を動かす不思議な力があると信じているから」で、音楽をどんどん広めていきたい!という熱意があります。


ここでひねくれものの立場に立って反論すると、「いやいや今でも音楽なんてすぐ借りて聞けるじゃん世の中にあふれているし解決してるじゃん」といわれそうです。

たしかに今はすぐに買えるし借りれるし便利な世の中になりましたよね。

そう考えると、「音楽を通じて人と交流する」もしくは「音楽を表現する場を提供する」という要素も大事そうです。

音楽はあふれているけれど、「コンサートのような、自分を表現する場が足りていない」と考えているのかもしれません。


そうすると今度は「いやいやYoutubeあるじゃんか。あれで放送すればええやん」という槍が飛んできそうです。

ここは今も考え中ですが、ここでは「オフラインならではの良さ」「お祭り感」「その場感・臨場感」という言葉でいったん逃げたいと思います。


素人ピアニストが自由に表現できる気楽な場を世の中に広めていく」ことで、コンサートプロのピアニストの持ち主だった「ピアノコンサート」をもっと身近なものにしたい。

Youtubeで自分の演奏を披露するのも勿論いいんですが何か違うんですよね。

この辺りはまた改めて考察してみたいと思います。

読んでいただけるだけでも十二分に嬉しいです、ありがとうございます!